更新日: 2021.06.22 その他暮らし

養育費の【逃げ得】を許さない。養育費の未払いの実態と対策方法

養育費の【逃げ得】を許さない。養育費の未払いの実態と対策方法
シングルマザーの貧困問題が深刻な日本。夫婦が離婚する際に、子どものために支払われる養育費ですが、厚生労働省「平成28年度 全国ひとり親世帯等調査報告書」によると、離婚後も実際に養育費を受け取れている人は全体の2割程度とか。
 
今、夫婦問題において話題になっている養育費保証制度をご紹介します。
 
寺門美和子

執筆者:寺門美和子(てらかど みわこ)

ファイナンシャルプランナー、相続診断士

公的保険アドバイザー/確定拠出年金相談ねっと認定FP
岡野あつこ師事®上級プロ夫婦問題カウンセラー
大手流通業界系のファッションビジネスを12年経験。ビジネスの面白さを体感するが、結婚を機に退職。その後夫の仕事(整体)で、主にマネージメント・経営等、裏方を担当。マスコミでも話題となり、忙しい日々過ごす。しかし、20年後に離婚。長い間従事した「からだ系ビジネス」では資格を有しておらず『資格の大切さ』を実感し『人生のやり直し』を決意。自らの経験を活かした夫婦問題カウンセラーの資格を目指す中「離婚後の女性が自立する難しさ」を目のあたりにする。また自らの財産分与の運用の未熟さの反省もあり研究する中に、FPの仕事と出会う。『からだと心とお金』の幸せは三つ巴。からだと心の癒しや健康法は巷に情報が充実し身近なのに、なぜお金や資産の事はこんなに解りづらいのだろう?特に女性には敷居が高い現実。「もっとやさしく、わかりやすくお金や資産の提案がしたい」という想いから、FPの資格を取得。第二の成人式、40歳を迎えたことを機に女性が資産運用について学び直す提案業務を行っている。
※確定拠出年金相談ねっと https://wiselife.biz/fp/mterakado/
女性のための電話相談『ボイスマルシェ』   https://www.voicemarche.jp/advisers/781 

母子家庭の現状

母子家庭になった理由の8割が離婚によるものです。現代は、結婚したカップルのうち、1年間で3分の1のカップルが離婚しています。
 
母子家庭の数は、父子家庭の6倍強。しかし、年収は父子家庭の半分以下。男女平等のようにみえる日本ですが、女性が働く環境は実に厳しいのが現状です。加えて、単独親権の日本では、共同養育の概念が乏しいので、母子家庭になりと苦労して育てるのが当たり前になっているのかもしれません。
 
しかし、子どもの進学率は上昇する一方。平成29年12月に発表された文部科学省の調査によると、現役で大学・短大への進学率は54.8%。現役で専門学校への進学率は16.2%。子どもの80%が現役で、高校以上へ進学しているのです。
 
これでは、多くの母子家庭の貧困はますます厳しくなるばかり。離婚時に養育費の取り決めをしないケースもあるようですが、しっかり話し合いをしていただきたいと思います。
 

 

保証システムで未払いの養育費を保証してくれる

しかし、離婚時に養育費の取り決めをしても、残念ながら、離婚後に養育費の支払いをしてくれないこともあります。特に、元夫が再婚をした時に支払われなくなるケースがあるようです。
 
家賃責務保証なども行う株式会社イントラストが社会貢献の一環として、養育費保証をはじめました。「えっこんな制度あるの?」「これは安心」と評判は上々とのこと。このサービスを利用すると、下記のサポートをしてくれます。
 
■未払いの養育費を立て替え
養育費を支払う側の事情も変わるかもしれません。そんな時、保証会社が最大12ヶ月分の養育費を立て替えてくれます。
 
■立て替え金の回収代行
「離婚後、相手と関わりたくない」「めんどくさい」そんな理由で養育費の請求を諦める人もいるとか。立て替え金の回収も保証会社が代行してくれます。
 
■法的関連費用のサポート
相手によっては、法的処置が必要になることも。しかし、その費用はシングルマザーには金銭的に厳しいものがあります。一定の範囲内でその費用を保証会社がサポートしてくれます。
 

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自治体も支援している制度

厚生労働省の調査で全国平均が2割程度とわかった母子家庭の養育費の受け取り状況ですが、大阪府大阪市の平成26年度の調査では、全国平均を大きく下回り、なんと1割弱にとどまっていることが判明しました。
 
これを危惧した当時の市長が、「養育費保証制度」の支援を導入しました(平成31年4月1日より)。一定の要件を満たせば、規定内で本人が支払う保証料を補助してくれます。また、それ以前に兵庫県明石市も試験運用を実施(平成30年末、募集締め切り)。1年間の保証料を市が立て替えています。
 
新しいサービスを利用するには、時には勇気も必要です。そんな時、自治体が後押し、補助金等を支援してくれたら、取り組みやすくなりますね。この自治体支援が全国区になることを願います。
 
執筆者:寺門美和子
ファイナンシャルプランナー、相続診断士
 

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