更新日: 2021.06.23 その他暮らし

再就職の味方。「雇用保険制度の再就職手当」っていくらもらえるの?

再就職の味方。「雇用保険制度の再就職手当」っていくらもらえるの?
失業中に求職活動をして、晴れて再就職できた時、雇用保険制度から再就職手当が受けられる場合があります。「就職祝い金」と表現されることもありますが、再就職手当を受けるための要件や受けられる額の計算はどのようになっているのでしょうか?
 
井内義典

執筆者:井内義典(いのうち よしのり)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

専門は公的年金で、活動拠点は横浜。これまで公的年金についてのFP個別相談、金融機関での相談などに従事してきたほか、社労士向け・FP向け・地方自治体職員向けの教育研修や、専門誌等での執筆も行ってきています。

日本年金学会会員、㈱服部年金企画講師、FP相談ねっと認定FP(https://fpsdn.net/fp/yinouchi/)。

再就職手当を受けるための要件

雇用保険に加入していた人が離職後、公共職業安定所(ハローワーク)で失業中であると認定され、要件を満たせば、失業給付である基本手当を受けることができます(65歳未満の離職の場合)。
 
その失業が認定されて基本手当を受けていた人が、求職活動の結果、再就職できると、再就職手当が受けられる場合があります。再就職手当は雇用保険の就職促進給付のひとつとなっています。
 
日額で計算される基本手当については、離職前の雇用保険の被保険者であった期間(加入期間)、離職時の年齢、離職理由によって、所定給付日数(受け取れる日数)が定められていますが(【図表1】)、基本手当の支給残日数(再就職前日までの失業の認定を行った後の、基本手当の残り日数)が何日あるかによって、再就職手当の受給の可否や受けられる再就職手当の額が変わってきます。
 

 
基本手当は失業している間の給付ですが、再就職手当については、再就職した時の基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あることが受給要件となっています。所定給付日数が90日であれば、支給残日数として30日以上必要です。支給残日数が3分の1未満の場合は支給されません。
 
また、再就職して1年を超えて引き続き雇用されると認められること、再就職前3年以内に再就職手当や常用就職支度手当を受けたことがないこと、離職前と同じ会社に再雇用されたものでないこと、同一の就職について雇用保険制度からの高年齢再就職給付金を受けないことなども再就職手当の受給要件となっています。
 

再就職手当の額の計算

では、受給の要件を満たした場合に実際に受け取れる再就職手当の額は、どのように計算されるのでしょうか? 再就職手当の額については、基本手当の日額がいくらであるかと、支給残日数が何日あるかによって決まります。
 
(1)基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の2以上の場合は「基本手当の日額×支給残日数×70%」
(2)基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上の場合は「基本手当の日額×支給残日数×60%」

 
もし、基本手当の所定給付日数が90日で、その日額が4000円の人の場合、支給残日数が70日であれば19万6000円(4000円×70日×70%)、支給残日数が50日であれば12万円(4000円×50日×60%)です。早い時期に再就職できた場合は、その分再就職手当の額も多くなるといえるでしょう。
 
なお、【図表2】のとおり、再就職手当の計算に用いる基本手当の日額については上限額が定められています。
 

 
再就職手当の対象となる人は、再就職後、会社に再就職の証明をもらってハローワークに受給の手続きをしましょう。
 
執筆者:井内義典
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

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