更新日: 2020.06.12 その他暮らし

長引く自粛や休業要請。困窮する生活の再建に利用できる公的制度を徹底解説!

執筆者 : 柘植輝

長引く自粛や休業要請。困窮する生活の再建に利用できる公的制度を徹底解説!
新型コロナウイルス感染症の影響により、外出自粛や休業が続き、生活の維持が困難となる世帯も出てくるようになりました。今回は、そんな状況において生活の再建に利用できる公的制度「総合支援資金(生活支援費)」について詳しく解説します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

総合支援資金(生活支援費)とは

総合支援資金(生活支援費)とは、収入の減少や失業などが発生して生活の維持が困難になっている世帯を対象として、生活の再建に必要な生活費を貸付する制度です(以下、総合支援資金といいます)。
 
総合支援資金は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、貸付の対象世帯を従来の低所得世帯以外に拡大し、無利子かつ連帯保証人なしで借りられるようになっています。
 
この制度とよく似た制度に、緊急小口資金の特例貸付というものがありますが、こちらは緊急かつ一時的に少額な資金を貸し付けるものです。
 
一時的な資金が必要であれば緊急小口資金を、生活の再建が必要でその間の資金を要するのであれば総合支援資金を、というように使い分けるとよいでしょう。なお、緊急小口資金と総合支援資金とは併用して借りることはできず、どちらか一方のみの選択となります。

申し込み先や相談はどこでする?

総合支援資金の申し込みや相談先は、お住いの地域を管轄する市区町村の社会福祉協議会になります。ただし、地域によっては直接窓口に行く前に、まず電話での相談をするよう呼びかけているところもあるため、電話やホームページなどで事前に確認するようにしてください。
 
また、相談であれば、厚生労働省の設置する「個人向け緊急小口資金・総合支援資金相談コールセンターに問い合わせることも可能です。申請の受付期間は、現在のところ2020年7月末までとなっています。

どれくらいの期間、いくらまで借りられるの?

総合生活支援資金は、世帯人数によって借りられる金額が異なります。単身世帯であれば月額15万円以内、2人以上の世帯では月額20万円以内を借りることができます。また、原則として3ヶ月間借り続けることができます。

申し込みに必要な書類は?

総合支援資金の申し込みに必要な書類は、次の通りです。
 
・本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)
・住民票の写し(3ヶ月以内に発行されており、かつ世帯全員が記載されたもの)
・預金通帳(収入の減少などが分かるもの)
・失業状態にあることを証する書類(離職票や廃業届など)
・印鑑(実印と銀行印)
・その他個別に求められた書類

借りたお金はいつまでに返せばいいの?

総合支援資金には据置期間(返済が猶予される期間)が定められており、その期間が経過してから返済がスタートします。据置期間は原則1年以内で定められ、その期間が経過した後10年以内に返済することになります。
 
返済は、毎月定められた金額を口座引き落としの方法で行っていくことになります。
 
なお、返済時においてもまだ収入の減少が続き、住民税が非課税とされるほど生活が困窮している場合には、返済が免除されることもあるとされています。返済期間や毎月の返済額については、借入時にご相談ください。

生活に困ったら迷わず市区町村の社会福祉協議会にご相談を

国や自治体は、国民の生活を守るためにさまざまな制度や相談窓口を設置しています。総合支援資金のほかにも、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた世帯の生活を維持・再建するための制度はいくつもあります。
 
生活に不安を感じる場合は、少しでも早く最寄りの市区町村の社会福祉協議会にご相談ください。
 
[出典]
東京都福祉保健局「新型コロナウイルス感染症の影響を受けた休業が失業等による緊急小口資金、総合支援資金(特例貸付)」
東京都福祉保健局「一時的な資金の緊急貸付に関するご案内」
 
執筆者:柘植輝
行政書士


 

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