更新日: 2019.01.10 その他暮らし
入居時の敷金・礼金 払う。払わない。
どうしても敷金・礼金ゼロという広告になびいてしまいますが価格だけをよりどころにしてもいいのでしょうか?
Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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目次
大家さんとの関係が親子だった時代の名残りだが、今はディスカウント競争で
かつて筆者も一人暮らしをはじめたときは、大家さんとの面談があって、挨拶を交わし、礼金を2か月分支払っていました。
身寄りのないところで一人暮らしをするにあたって自分より年上の大家さんに「この人の部屋を借りる」という気持ちと「大切に使わせていただきます。よろしくお願いいたします。」という緊張感がありました。
今はネットの普及によってさまざまな情報があっという間に拡散され、「あそこの不動産やを通すと礼金はいらない」という話が伝わると、ディスカウント競争が激化してしまい、その結果礼金不要が広がったのでしょう。
礼金なしのデメリットはないが、敷金なしはあとで調整
礼金はこのように文字通り大家さんへの「よろしくお願いします」代だったのですが、今はディスカウント競争と、大家さんも、「礼金ありにしたために、ほかに賃借人が逃げてしまって、家賃収入がはいらないのであれば元も子もない」ということからこの習慣はかなり衰退したわけで、礼金なしのデメリットは基本的にないと考えて差支えないと思います。
一方敷金は、賃借人が居住中に破損させた場合の修繕に充当する意味がありますから、入居時に不要であれば退去時に、ある程度まとまったお金を場合によっては請求される可能性があります。
敷金は利子なしで返還されるので、自分で運用して収益を上げられるのならば
入居時に預けた敷金は、何もなければ利子をつけないで返還されるものです。「それならば、敷金不要なところに入居してその分自分で運用して運用収益をあげたほうがトク」というこだわりのある方は、敷金不要の物件にこだわるのもいいかもしれません。
Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)、
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表