更新日: 2020.07.04 その他暮らし

所有から利用へ-サブスクリプションサービスは大丈夫か?

所有から利用へ-サブスクリプションサービスは大丈夫か?
「所有から利用へ」というキャッチフレーズと共に、「サブスクリプション」あるいは「サブスク」と呼ばれるサービスが、世の中に大いに広まっています。
 
「サブスクリプションサービス」とは、音楽・映像の配信サービスやソフトウエアなどの利用を、簡単な手続きで比較的低額で継続して利用できることです。
 
便利なサービスですが、一方でトラブルもあるようですから、ここではサブスクについて学んでみましょう。
 
植田英三郎

執筆者:植田英三郎(うえだ えいざぶろう)

ファイナンシャルプランナー CFP

家電メーカーに37年間勤務後、MBA・CFPファイナンシャルプランナー・福祉住環境コーディネーター等の資格を取得。大阪府立職業訓練校で非常勤講師(2018/3まで)、2014年ウエダFPオフィスを設立し、事業継続中。NPO法人の事務局長として介護施設でのボランティア活動のコーディネートを担当。日本FP協会兵庫支部幹事として活動中。

サブスクリプションサービスとは

「サブスクリプションサービス」をひと言でいえば、「契約期間内であれば、いつでも好きなときに、好きなものを、好きなだけ利用できる」というものです(※1)。
 
音楽・映像の配信サービスや、ソフトウエアなどのデジタルコンテンツは、サブスクリプションサービス(以下、サブスクサービス)の中で最もウエイトの高いサービスとなっています。
 
また、最近では家電、家具、洋服、化粧品、車などのモノを扱う業種にもサブスクサービス広がっています。
サブスクサービスの契約は、月間使用料をクレジットカードで決済するのが基本となっており、ネットを経由して短時間で契約が完了し、すぐに利用できることも拡大の一因と思われます。
 

サブスクの具体例

サブスクサービスは、デジタルコンテンツからモノの使用まで幅広く拡大していますが、ここでは代表的な例を挙げてみましょう。
 

・音楽配信

月間980円で4000万曲から6000万曲の配信を何度でも、いつでも受けることができるというサービスが人気を博しています。
 

・家庭用のゲーム機事業者

1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年間の期間中、さまざまなゲームソフトを数百円から数千円で利用できるサービスメニューが提供されています。
 

・家電や洋服

家電では、海外メーカーの家庭用掃除機の利用サービスがあり、また女性用の洋服やバッグの利用サービスも話題になりました。
 
ほかにも、多様な業種がサブスクサービスに参入しており、30業種以上がサブスクサービスを提供しているといわれています。
 

サブスクサービスのメリットとデメリット

次に、サブスクサービスのメリットとデメリットを見ていきましょう。以下の通りです。
 

メリット

・使えば使うほど割安になる。
・初期費用がかからず、すぐにサービスを利用することができる。
・多くのサービスメニューの中から自由に選択できる。
・解約はいつでもできるサービスが多い。(3ヶ月、6ヶ月、1年のサービスもある)
 

デメリット

・カード決済のため、特に少額の場合はつい安易に加入してしまう。
・利用期間が長くなると、買い取りの方が安くなる場合もある。
・事業者側の事情でサービスの内容変更、規模や機会の縮小、停止・廃止がある。
・契約更新時に値上げの可能性がある。
・解約などの手続きが面倒な場合がある。
 
このように、サブスクサービスにはメリットとデメリットがありますので、契約時には、以下で触れる留意事項を確認するようにしてみてください。
 

サブスクサービス契約時の留意事項

サブスクサービスは加入手続きが簡単なため、加入したがあまり利用しないケースや、少額のため解約を放置するケースもあります。
また、サブスクサービスについて、一般消費者からの苦情が国民生活センターに寄せられているものもあります。内容は、「無料お試し期間」に関するものや「解約」に関するものが多いようです(※2)。
 
契約見直しや解約には以下のような手順が必要ですので、手間はかかりますが、新規のサブスクを契約したときは内容をメモしておくことを心がけましょう。
 
・連絡先の確認
・パスワードの確認と保存
・解約方法の確認
・自動更新の条件の確認
 

まとめ

パソコンソフトなど業務用のものにもサブスクサービスは確実に広がっており、便利なしくみですが、便利さの裏側でトラブルが発生していることにも留意が必要です。
 
少額の契約でも3つ4つと重なると、年間に合計すると万円単位の支出になってしまいます。サブスクサービスを利用する際には、最終段にまとめました留意事項を確認して、気持ちよく「所有」から「利用」の時代を楽しみましょう。
 
[出典]
(※1)独立行政法人国民生活センター「ウェブ版 国民生活 2019.4 5P(なぜ広がるサブスクリプションサービス)」
(※2)独立行政法人国民生活センター「第35回インターネット消費者取引連絡会(テーマ:サブスクリプション)国民生活センター報告資料 P5からP6」
 
執筆者:植田英三郎
ファイナンシャルプランナー CFP


 

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