子どもの教育資金 、どうやって用意する? 知っておきたい学費のこと

配信日: 2020.09.18

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子どもの教育資金 、どうやって用意する? 知っておきたい学費のこと
新型コロナウイルスの感染拡大とその長期化はじわじわと家計を圧迫していますが、さらに待ったなしで家計にのしかかるのは、子どもの教育資金ではないでしょうか。そこで、いかにして効率よく子どもの教育資金の準備を進めたらよいか、まとめてみました。

秋口千佳

執筆者:秋口千佳(あきぐちちか)

CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

必要な教育資金はいくらなの?

子どもの教育資金にいくらかかるかは不透明です。成長するにつれ、公立なのか私立なのかということは、親の意見と子の意見で変わっていくものです。そのため、子どもの教育資金としていくら準備しておけばよいのかは明確にできません。
 
しかしながら、親としては必要な教育資金の目安は欲しいものです。学校種別の教育資金を図表1にまとめましたので、参考にしてみてください。

出典:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」および日本政策金融公庫「令和元年度教育費負担の実態調査結果」をもとに算出。
 
あくまでも参考です。

教育資金の準備にはどんな方法があるの?

子どもの教育資金は親の準備したお金で賄うことができれば理想的でしょう。
 
しかし、コロナ禍によって景気が落ち込んでいるときには、そう簡単なことではありません。ましてや大学進学ともなると、それなりの費用がかかりますので、子ども本人の名義で奨学金を受けることも視野に入れる必要があるでしょう。
 
親にできる子どもの教育資金の準備方法には、主に以下の4つがあります。
 
(1)預貯金
(2)保険
(3)投資
(4)贈与
 
これらについて1つずつ解説していきます。

(1)預貯金

金融機関の定期積金や積立預金などは、元本の金額が減ることがないので安心です。
 
例えば、定期的に入ってくる「児童手当」を積み立てておくとよいでしょう。ただし、今は超低金利時代のため、インフレによる物価上昇率を考慮すれば、結果として預貯金の価値が目減りする可能性もあります。
 
そのため、積み立ては教育資金を貯める1つの方法ではあるものの、これだけで全てを賄うことは難しいので、預貯金を軸に他の方法と組み合わせることをお勧めします。

(2)保険

教育資金を確保する保険には学資保険があります。これはお金を貯めることと生命保険が一緒になった商品です。つまり、契約者が亡くなった場合、保険料が免除されます。
 
また、昨今は元本割れと言ったことも見聞きしますので、学資保険だけに頼ることなく、入ってくる保険金で遺された家族の保障や子どもの教育費の一部を賄えると考えてください。そして預貯金と同様、インフレリスクによる目減りがあることは理解しておきましょう。

(3)投資

預貯金や保険のようにインフレリスクによる目減りを減らし、資金を大きく増やすことができる可能性が高いのは、投資です。
 
もちろん、投資にはリスクがつきものですので必ず増えるかというとそうではありません。そのため、子どもの教育資金を投資だけで賄うことには危険性があります。国債のような安定した商品を選ぶことと預貯金とを組み合わせるなどで、リスクを抑えることが必要です。

(4)贈与

2013(平成25)年4月から始まった「教育資金一括贈与」という制度があります。この制度は、祖父母から孫へ1500万円までの贈与には税金がかからないという制度です。
 
ただし、この制度を使うためには、贈与を受ける側に年齢制限があったり、30歳を超えた時点で手元に残っている金額は贈与税の課税対象になったりします。
 
税金がかからずお金の移転ができるのは良いのですが、諸手続きが複雑な制度でもあります。そのため、この制度を使われる場合は、税務署や税理士に相談されることをお勧めします。

組み合わせが大切です

コロナ禍にある今、さまざまなリスクを考え、いかに上手にお金を貯めていくかが問われます。こうしたなかで、「預貯金」「保険」「投資」「贈与」という4つの方法を上手に組み合わせ、いかに無理なく効率よく子どもの教育資金を準備できるかが鍵になります。
 
これら4つの方法のそれぞれの特徴を理解し、ご自身の家計とライフプランに応じた方法で子どもの教育資金を準備しましょう。
 
出典
文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」
日本政策金融公庫「教育費に関する調査結果」
国税庁「No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税」
 
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

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