入院時の食事代はどのくらいかかる? 軽減措置が受けられる人って?

配信日: 2020.11.16

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入院時の食事代はどのくらいかかる? 軽減措置が受けられる人って?
病気やケガで入院することになったとき、医療費だけではなく、必要に応じて差額ベッド代や寝間着などのレンタル代、付き添いの家族の交通費など、さまざまな出費がかかります。
 
中でも欠かせない費用の1つが食事代です。そこで今回は、入院時にどのくらい食事代がかかるのかを見ていきたいと思います。
小山英斗

執筆者:小山英斗(こやま ひでと)

CFP(日本FP協会認定会員)

1級FP技能士(資産設計提案業務)
住宅ローンアドバイザー、住宅建築コーディネーター
未来が見えるね研究所 代表
座右の銘:虚静恬淡
好きなもの:旅行、建築、カフェ、散歩、今ここ

人生100年時代、これまでの「学校で出て社会人になり家庭や家を持って定年そして老後」という単線的な考え方がなくなっていき、これからは多様な選択肢がある中で自分のやりたい人生を生涯通じてどう実現させていくかがますます大事になってきます。

「未来が見えるね研究所」では、多くの人と多くの未来を一緒に描いていきたいと思います。
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入院時の食事代はどのように決まるの?

入院期間中の食事の費用は、健康保険から支給される入院時食事療養費と、患者が支払う標準負担額(食事代)でまかなわれます。そして患者が負担する食事代は、平均的な家計の食費を考慮して厚生労働大臣が定めることとなっています。
 
食事代について昔は1日単位での計算でしたが、現在は1食単位で、入院した日や退院した日などは食事の回数だけの負担となります。
 
患者が支払う標準負担額(食事代)は、一般の人の場合、これまで以下のような見直しがされて現在では1食当たり460円となっています。1日3食に相当する額を限度としているため、1日当たり1380円の負担です。

~2016年3月 2016年4月~ 2018年4月~
1食につき 260円 1食につき 360円 1食につき 460円

※全国健康保険協会 「入院時食事療養費」より筆者作成
 
厚生労働省がまとめた平成29年(2017)患者調査の概況によれば、全患者の入院日数の平均は29.3日となっていて、約1ヶ月であることが分かります。
 
年齢別に見ると、40歳未満までは10日前後であった平均入院日数が40歳代では約20日となり、60歳を過ぎると25日、75歳以上では1ヶ月を超えるなど、高齢となるに従い平均入院日数も伸びています。
 
1食460円でも、1ヶ月の入院ともなると食事代は約4万円にもなりますので、決して小さな負担とはいえないでしょう。
 
なお、食事代は治療費とは別計算です。どちらも健康保険の適用があるのですが、計算方法が違います。治療費の負担を軽減する高額療養費についても食事代は計算対象外となります。

食事代の軽減が受けられる人

入院した人の中には、食事代の負担が一般の人より軽くなる人がいます。該当となる人と、その場合の1食当たりの負担額は以下のようになります。
 

住民税が非課税世帯の人 1食につき 210円
住民税が非課税世帯の人で
過去1年間の入院日数が
90日を超えている場合
1食につき 160円
住民税が非課税の世帯に属し、
かつ所得が一定基準に満たない
70歳以上の高齢受給者
1食につき 100円

※全国健康保険協会 「入院時食事療養費」より筆者作成
 
この軽減措置を受けるためには、住んでいる自治体などを通じて事前に「健康保険限度額適用・標準負担額減額認定証」の交付を受ける必要があります。認定証を医療機関の窓口へ提出することで、軽減後の食事代での支払いとなります。
 
認定証を提出できないと、上記に該当する人でも病院での窓口負担は一般の人と同じく1食460円となります。やむを得ず認定証の提出ができず、通常の費用を支払ったときは、後からでも申請することにより差額が支給されます。ただし、医療機関での支払いから2年を経過すると時効となり、申請ができなくなるので注意が必要です。

まとめ

入院時には経済的な負担だけでなく、精神的な負担もあると思います。経済的負担が、精神的負担をさらに大きなものにすることもあります。入院にかかる費用の備えは、食事代など治療費以外もしっかり計算に入れて準備するようにしましょう。
 
出典・参考
全国健康保険協会 入院時食事療養費
厚生労働省 平成29年(2017)患者調査の概況
 
執筆者:小山英斗
CFP(日本FP協会認定会員)

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