自動車事故の相手が外国人旅行者。どうなる損害賠償?

配信日: 2018.01.01 更新日: 2019.01.10

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自動車事故の相手が外国人旅行者。どうなる損害賠償?
観光庁の統計によると、日本を訪れる外国人旅行者の数は2003年から2015年で右肩上がりに伸びています。
(参考URL:http://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/in_out.html

車を運転していても、「外国の方が運転しています」というステッカーを貼った車を見ることが増えたのではないでしょうか。

そんな外国人旅行者の運転する車が自分の車にぶつかったら、どのように対応すればいいのでしょうか。外国人旅行者は旅行が終われば自国に戻ってしまいますし、言葉も通じない場合があるので困ってしまいますよね。
FINANCIAL FIELD編集部

Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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豊田賢治

監修:豊田賢治(とよた けんじ)

弁護士

開成高校卒、東京大学法学部卒。弁護士登録後、大手渉外法律事務所、外資系法律事務所での勤務を経て独立。現在は弁護士16名を擁する東京桜橋法律事務所の所長として、多数の企業や個人の法務顧問として活動。どんな相談に対しても「わからない」とは言わないことをスタンスに、日々クライアントのために奮闘中。
【東京桜橋法律事務所】

まずは警察に連絡。交渉は車を貸した相手と

外国人旅行客が運転する車にぶつけられたら、まずは警察を呼びましょう。警察に現場検証をしてもらいます。通常、警察の現場検証後は当人同士の交渉になり、連絡先を交換します。しかし、相手が外国人だと相手の連絡先は海外になってしまいますし、言葉が通じない場合も。
 
一般的に自動車は「自動車損害賠償責任保険(自賠責)」に入っているはずなので、人身損害は自賠責で賄われることが多いです。それ以外の車の修理費や慰謝料が問題です。
 
当人同士で交渉できない場合は、外国人旅行者の車がどこから借りられたものかを知ることが重要です。レンタカーであればレンタカー会社との交渉も可能になりますし、友人の日本人の車であれば、その友人との交渉もできます。

知ってましたか?多くの場合運転者と車を貸した人(会社)は人身損害について「連帯責任」です

車が事故を起こした場合、運転者だけでなく、多くの場合車を貸した人(会社)にも責任が生じます。「運行供用者責任」や「使用者責任」と呼ばれるものです。

車を貸した人(会社)が「運行供用者」にあたる場合、人身損害について運転者と同等の責任を負います。「使用者」にあたる場合は、物損等も含めて運転者と同等の責任を負います。
 
そのため、事故の被害者は運転者と車を貸した人(会社)のどちらに賠償請求しても良いのです。特に自賠責の適用がないような場合、運転者よりも運行供用者(使用者)の方がお金を持っていそうなら、運行供用者(使用者)の方に賠償を求めることも珍しくありません。
 
相手の車がレンタカーの場合、レンタカー会社は通常運行供用者にあたります。レンタカー会社は基本的な保険には入っているはずなので、損害は保険金で賄われることになります。

自分が海外で事故を起こした場合はどうなる?

逆に、自分が海外旅行中に車で事故を起こしてしまったらどうなるのでしょうか。運転していたのがレンタカーなら、まずはレンタカー会社と相談しましょう。
 
なお、過失で人身事故を起こしてしまったような場合は捕まって刑務所行きとなるケースもあります。くれぐれも海外で運転する場合は注意しましょう。

万が一のために「任意保険」に入っておこう

任意保険に入っていれば、大抵の自動車事故の賠償金はカバーされるので、任意保険に入ることをおすすめします。

万が一事故を起こした際に、入っている保険が特殊なもので上限金額があったり、そもそも契約の更新をし忘れていたりすると高額な賠償金を払うことになるかもしれません。
 
また、他人に車を貸すと「運行供用者責任」が発生することがあることも頭に入れておきましょう。軽い気持ちで友人や知人に車を貸す人もいますが、何かあった時は自分が責任を取る覚悟でいなければいけません。
 
 
TEXT:ファイナンシャルフィールド編集部
監修:東京桜橋法律事務所 豊田賢治 弁護士

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