更新日: 2021.03.03 その他暮らし

ホテルの新しいカタチ?「ホテル暮らし」でホテルを上手に利用する

ホテルの新しいカタチ?「ホテル暮らし」でホテルを上手に利用する
帝国ホテルや京王プラザホテルなど、都心の高級ホテルが新しいプランを打ち出しています。
 
出張や観光で“泊まる”のではなく、“住む・暮らす”ことへの提案です。「ホテル暮らし」が特別ではない時代がやってくるかもしれません。上手なホテルの利用法を考えます。
宮﨑真紀子

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

長期滞在プラン、人気は上々

帝国ホテルが「サービスアパートメント」の予約を2021年2月1日から始め、話題になりました(※1)。
 
これは長期滞在者向けの新しいプランで、利用開始は3月15日からです。31平方メートルのツインルーム仕様で30泊36万円(税・サービス料込)、5泊15万円(税・サービス料込)です。いずれも追加料金で延泊が可能です。
 
他に4人が過ごせるコネクティング仕様や、もう少し広い(49.9平方メートル)ツインルームもあります。ラウンジやプール・フィットネスセンターなどのほか、ミーティングルームの利用などのビジネス向けサポートもあります。
 
また有料オプションでランドリーサービス(月額3万円)、食事のルームサービス(月額6万円)もあります。いずれもサブスクリプション方式(期間定額制)ですので、都度払いの煩わしさはありません。
 
帝国ホテルといえば、都内屈指の超一流ホテルです。そこに30連泊するなんて一般人には想像しにくいですが「テレワークが進んだ今、ビジネスも考慮すれば」ということでしょうか。
 
京王プラザホテルでは「ホテル型サービスアパートメント」の予約を2021年2月17日から開始しています(※2)。宿泊対象日は2021年2月22日から5月15日です。長期滞在の宿泊客が、お得に利用できるように設定されています。
 
料金は30連泊16万円(税・サービス料込)で、31泊目以降は5500円/泊で延長利用もできます。広さは30.1平方メートルの2ベッドルームで、2名まで同料金で利用が可能です。特典として1泊につき500円/人のホテルクレジットが提供されます。
 
レストランで朝食(トーストとコーヒーのセット)に利用する他、ホテル内のコンビニでも使えます。また複数枚利用もできるので、ランチやディナーに使うのもお勧めだと思います。2人利用で3万円分が還元されますので、これは“かなりお得”です。他にも駐車場(1室につき1台 1泊1000円)やランドリーが30%オフになるサービスが受けられます。
 
気をつけたい点が2つあります。1つ目は、清掃やタオル交換等は2回/週で提供されますが、シャンプーなどのアメニティやミネラルウォーターの提供がないこと。次に30連泊の料金は、チェックインの前日までに支払いが必要なことです。
 

多様化した生活スタイル

驚いたことに、執筆している2021年2月18日時点で、両ホテルとも満室状態です(帝国ホテルは予約可能な7月14日まで、京王プラザホテルは5月15日まで)。
 
以前ホテル暮らしをしている人に、その理由を聞いたことがあります。彼は転職のため北海道から上京しましたが、新しい職場での仕事始めは2ヶ月後。2ヶ月間は親戚の事業をアルバイトで手伝っています。
 
「ホテル暮らしって贅沢じゃない?」という印象だったのですが、水道光熱費がかからないことや必要なアメニティがそろっていること、付帯設備が利用できることなどを考慮すると「決して高くはない」といいます。
 
賃貸物件の契約や公共料金の申し込みなど、面倒な手続きも不要なので、身軽な点も気に入っているとのことでした。
 
このような生活は、いわばミニマムな生活を余儀なくされるので、不要なモノを買うことがなくなり、無駄遣いがなくなったという意見を聞いたこともあります。テレワークが進み、定住しない生活を選択する人も増えるかもしれません。
 

新しいホテルのサービスを上手に利用

コロナの影響で、インバウンドだけでなく国内の観光客もめっきり減少しました。密を避けるということで、結婚式や各種パーティー・セミナーなど宴会場で行ってきた催しは皆無となりました。ホテルは大打撃です。
 
新しい生活様式の中で、ホテルは独自の強みを活かした空間やサービスの提供に取り組んでいます。テレワークの拠点としてのデイユース、食事やスイーツのテイクアウトやデリバリーなら比較的気軽に使えそうです。
 
首相が朝食ミーティングにホテルを使っているのは、セキュリティが良いから。某政治家はホテルのバーがお好きのようで、その件に対し「ホテルは高くない」と答弁した等々。確かにホテルは立地も良く、安心安全です。料金の設定も明確なので明朗会計かもしれません。
 
私たちも“「おもてなし抜群」なホテルをもっとよく知り、上手に利用しても良いのでは”と思うこの頃です。
 
(※1)帝国ホテル「帝国ホテルサービスアパートメント」
(※2)京王プラザホテル「ホテル型サービスアパートメント 西新宿ニューライフスタイル」
 
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
 

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