育児休業を延長したら、会社から給料を下げられた! そんな場合の対処法って?
この記事では、育児・介護休業法の改正内容と、育児休業給付金を受給するための要件と受給手続きについて詳しく解説します。
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士
元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
https://www.wing-fp.com/
育児休業給付金の支給額と申請手続き
育児休業給付金は、原則として2つの支給単位期間ごとに申請手続きを行い、支給単位期間ごとに以下の額が支給されます(※2)。
支給額
支給単位期間ごとに支給される育児休業給付金の額は、下式のとおりとなります。
支給額=休業開始時賃金日額(注1)×支給日数(注2)×67%(注3)
注1:休業開始時賃金日額とは、同一の子に係る育児休業開始前直近6ヶ月間に支払われた賃金の総額を180で除した額となります。
注2:支給日数は原則30日で、休業終了日が属する支給単位期間は休業終了日までの日数になります。また、支給単位期間の途中で離職した場合、喪失日の属する支給単位期間の前の支給単位期間までが支給対象です。
注3:育児休業開始から181日目以降は50%となります。
事業主から育児休業中に給料が支払われた場合は、表1のとおり育児休業給付金が減額されます。
表1
| 支払われた賃金の額 | 給付金の支給額 |
|---|---|
| 「休業開始時賃金月額」 の13%(30%)以下 |
休業開始時賃金日額×休業期間の日数 ×67%(50%) |
| 「休業開始時賃金月額」 の13%(30%)超~80%未満 |
休業開始時賃金日額×休業期間の日数 ×80%-賃金額 |
| 「休業開始時賃金月額」の80%以上 | 支給されません |
( )内は、育児休業の開始から181日目以降の数字となります。
申請手続き
(1)育児休業開始時の申請
事業主は、育児休業を付与した時点で、育児休業給付金の受給資格確認の手続きと支給申請を行います。
育児休業給付金の受給資格が認められると、被保険者には「育児休業給付受給資格確認通知書」および「育児休業給付金支給決定通知書」が交付されます。
(2)2回目以降の支給申請
育児休業給付金の申請は、原則として2ヶ月に一度行います。被保険者には2ヶ月に一度、2ヶ月分の給付金が指定口座に振り込まれます。
ただし、被保険者が希望する場合は、1ヶ月に一度申請することもできますので、希望する場合は事業主に申し出るとよいでしょう。
(3)支給期間の延長手続き
保育所での保育が受けられない場合などには、その子が1歳6ヶ月になるまで育児休業を延長することができます。さらに、その後も保育が受けられない場合は、最長でその子が2歳になるまで育児休業を延長することもできます。
保育を受けられないことなどを理由に育児休業を延長する場合は、事業所の所在地を管轄するハローワークに事業主が「育児休業給付金支給申請書」を提出して申請する必要があります。この際、延長理由に該当することを確認できる書類(保育所入所保留通知書など)を添付する必要があります。

















