住宅ローンの繰り上げ返済の方法は2つ。何が違ってどう選べばいい?
配信日: 2019.06.11 更新日: 2021.02.12
執筆者:國村功志(くにむら こうじ)
CFP(R)、証券外務員一種
大手証券会社で株式・債券・投資信託などの金融商品営業に携った後、ファイナンシャルプランナーの養成団体やFP事務所を経験。現在は資産形成専門FPとしてセミナーや個別相談のほか、マネー系記事の執筆も行う。個人でも投資信託やFXでの資産運用を行い、実践に即したわかりやすいアドバイスを心がけている。
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目次
繰り上げ返済の期間短縮型と返済額軽減型の違い
まずは、期間短縮型と返済額軽減型の違いを確認しておきます。
期間短縮型は、返済額に応じて返済期間が短くなる繰り上げ方法です。6ヶ月分を繰り上げ返済したとすると、その分の返済期間が短くなり、短縮された期間に支払う予定だった利息が軽減されます。
毎月の返済額は変わりませんが、同じ金額なら返済額軽減型よりも支払う利息は少なくて済みます。
返済額軽減型では返済期間に変わりはありませんが、繰り上げ返済していくほど毎月の返済額を下げられます。ローン返済中の金利見直しで返済額が上がる場合への対応として、毎月の返済額を抑えるといった使い方ができるでしょう。
では、同じ金額を繰り上げ返済した場合、どのくらいの差が出るのでしょうか。
期間短縮型と返済額軽減型の繰り上げ返済シミュレーション
繰り上げ返済のシミュレーション条件は以下のとおりとし、それぞれの結果を表にします(※)。
・当初借入金額3000万円
・金利1.0%固定
・返済期間30年
・毎月返済額9万6491円
・ボーナス払いなし
・10年後に300万円を繰り上げ返済
利息軽減効果は繰り上げ返済する時期や金利などによって異なりますが、総支払額を抑えられるのは期間短縮型です。単純な損得だけだと期間短縮型のほうが有利ですが、実際に選択するときは家庭状況なども考慮して選んだほうがいいでしょう。
期間短縮型が合う人と返済額軽減型が合う人
繰り上げ返済の大前提は、返済後も最低3ヶ月〜6ヶ月の生活費を貯蓄として確保できることです。
手元のお金が極端に少なくなってしまうと、病気やケガといった急な出費に対応できない可能性があるからです。これを踏まえ、それぞれの返済方法が合う人はどのような人が考えられるでしょうか。
期間短縮型が合う人は、基本的に毎月の返済に余裕のある人です。期間短縮型では月々の返済額は変わりません。変動金利や固定期間選択型の住宅ローンを借りていて、金利の見直しによる返済額増加が多少あっても問題ない人なら期間短縮型を選ぶといいでしょう。
返済期間を短くできるため、定年時期に合わせて住宅ローンを完済したいという人にも向いています。
一方、返済額軽減型は月々の返済額が家計の負担になる人に向いていると言えます。転職したり配偶者が仕事を辞めたりして収入が減ると、住宅ローンが重くのしかかることがあります。
子どもがいれば教育費などもかかりますので、家計に余裕を持たせたい場合は返済額軽減型がいいでしょう。
繰り上げ返済は家計やライフプランに合わせて検討する
住宅ローンはできれば早いうちに返してしまいたいと、ほとんどの人が思うはずです。そのために繰り上げ返済をしますが、目の前の生活も大切です。繰り上げ返済をして家計に悪影響が及ぶなら、無理にする必要もありません。
もし繰り上げ返済する場合でも、返済期間を短くしたいのか、家計の負担を和らげたいのかなど具体的な目的をイメージしてみてください。そうすれば、ご自身に合った繰り上げ返済方法を選びやすくなるでしょう。
出典
(※)知るぽると
執筆者:國村功志(くにむら こうじ)
CFP(R)、証券外務員一種
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