更新日: 2021.05.31 住宅ローン
住宅ローンの選び方、コロナの時代に気を付けておきたいことって?
執筆者:新井智美(あらい ともみ)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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コロナ禍における金利の動向について
住宅ローンはこれまで低金利で推移していましたが、今後の動きはどうなのでしょう。
■金融緩和策の強化
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、住宅ローン金利も今後低水準で動くことが予想されています。とはいえ、変動金利についてはこれ以上金利が低下することは難しいのではないかという考えから、現状の水準が維持されるのではないかと予想されています。そして固定金利については、現在の水準から0.1%程度引き下げられる可能性があるといわれています。
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コロナ禍での住宅購入で考えるべきこと
コロナ禍で住宅購入を検討する際には、以下の点について考えるようにしましょう。
■コロナが生活に与える影響
新型コロナの影響により、今後具体的にどの程度、仕事・生活環境に変化がありそうか考える必要があります。例えば、世間ではコロナの影響でテレワークや在宅勤務の割合が多くなっていますが、そもそも自分の仕事内容がコロナの影響を受けない業種の仕事であったり、やむなく出社をせざるをえなかったりする場合であれば、在宅での仕事環境の考慮は必要ないといえます。
■住み替えおよび引っ越し需要の増加
在宅時間が長くなったことにより、手狭感を感じて広い部屋に住み替えたり、テレワークに対応するために新たなスペースのある間取りや、ネット回線のある住まいを求めて住み替えたりと環境の変化を検討する人もいます。
さらに、テレワークの導入により通勤時の利便性の優先度が低くなり、都心にある高額物件より、郊外で比較的安く購入しやすい物件を検討する方が、増加している傾向にあることは見逃せないポイントです。
■戸建てかマンションか
東日本不動産流通機構が発表している「首都圏不動産流通市場の動向(2020年)」によると、中古戸建て住宅の成約件数は2年連続で前年を上回り、4年ぶりに過去最高を更新しています。
この背景には、エレベーターなど共有部でのウイルス感染が拡大すること等への懸念から、戸建て住宅を希望する人が増えていること等も背景にあるかもしれません。戸建てかマンションのどちらか悩んでいる方は、今回のような感染症対策はもちろんのこと、今後の災害リスクも併せて検討する必要があるといえるでしょう。
(出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2020年)」(※))
住宅ローン控除の動向や支援策についても確認を!
コロナ禍において、住宅ローン控除を始め、住宅を購入する際の負担を軽減できるさまざまな支援策が行われています。要件がどのように変わったのか、そして期間延長に対してはいつまで延びたのかをきちんと確認しておきましょう。
■住宅ローン控除の期間延長
消費税10%が適用される住宅を購入し、所定の期間までに入居すると、住宅ローンの控除期間が13年に延長されます。これまでは2020年12月31日までが入居期限でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大により、2022年12月31日まで入居期間が延長されました。
■すまい給付金の拡充
すまい給付金は、住宅ローン減税の拡充措置を講じてもなお効果が限定的な所得層に対し、住宅取得に関わる消費税負担増をかなりの程度緩和するため、収入に応じ現金を給付する制度です。
一定の期間に契約した者について、引き渡し期限の延長、床面積要件の緩和の措置が実施されることとなりました。この一定の期間とは、注文住宅の新築の場合であれば「2020年10月から2021年9月末まで」、分譲住宅もしくは既存住宅の取得の場合は「2020年12月から2021年11月末まで」となります。
■住宅取得資金贈与の要件緩和
住宅取得資金贈与は、令和3年12月31日までに、直系尊属(祖父母や父母)から直系卑属(子や孫)へ、直系卑属が住宅を取得・建築するための金銭を贈与するときには、一定の条件により一定の金額までは贈与税を非課税にするという制度です。新型コロナウイルス感染症拡大に関する対策として、取得要件と居住要件のそれぞれの期限が1年延長されることとなりました。
まとめ
新型コロナウイルス感染症拡大は、誰にとっても想定外のものだったのではないでしょうか。しかし、人生には想定外のことが起きるものだと、改めて気づかされたいい機会でもあります。
今回の経験を生かし、住宅取得そして住宅ローンの利用に際しては、その後の家計の収支をじっくりと考えながら、これからさらに起きるかもしれない想定外の事態にも対処できるようにしましょう。
【出典】
(※)公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2020年)」
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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