更新日: 2021.06.03 住宅ローン
住宅ローンの利息ってどのくらい払うの?
当たり前ですが、住宅ローンの返済額には元本だけでなく、利息も含まれます。では皆さんが住宅ローンを借りた場合、全部でどのくらいの利息を支払うことになるのでしょうか? また、利息は何によってどのくらい変わるのでしょうか?
この記事では、その点について説明したいと思います。
執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー
東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。
現在、サマーアロー・コンサルティングの代表。
ファイナンシャル・プランナーの上位資格であるCFP(日本FP協会認定)を最速で取得。証券外務員第一種(日本証券業協会認定)。
FPとしてのアドバイスの範囲は、住宅購入、子供の教育費などのライフプラン全般、定年後の働き方や年金・資産運用・相続などの老後対策等、幅広い分野をカバーし、これから人生の礎を築いていく若い人とともに、同年代の高齢者層から絶大な信頼を集めている。
2023年7月PHP研究所より「70歳の現役FPが教える60歳からの「働き方」と「お金」の正解」を出版し、好評販売中。
現在、出版を記念して、サマーアロー・コンサルティングHPで無料FP相談を受け付け中。
早稲田大学卒業後、大手重工業メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超え、海外の話題にも明るい。
サマーアロー・コンサルティングHPアドレス:https://briansummer.wixsite.com/summerarrow
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住宅ローンの利息は何によって変わるのか?
住宅ローンの返済は、その人の一生を左右するといっても過言ではありません。30歳のときに家を購入して35年返済の住宅ローンを組んだ場合、返済完了は65歳ですから、その人は勤労年齢のほとんどを住宅ローンの返済のために過ごすことになります。
住宅ローンの元本は借入金額ですが、住宅ローンの利息総額は何によって決まるのでしょうか?
それは金利、返済年数、そして借入金額です。以下では、それらがどのくらいになるのかを見ていこうと思います。
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金利が増加すると
2021年5月現在、住宅ローンの金利の相場(最安ベース)は、変動金利で年利0.4%前後、固定金利10年で0.5%前後、固定金利35年で1.4%前後です。変動金利と固定金利ではリスクも違うので、単純に比べることはできません。以下の表では固定金利を前提に利息総額を比べてみたいと思います。
前提1
借入金額:3000万円 返済期間:10年 元利均等払い
毎月の支払額 | 総返済額 | 利息総額 | 利息増加額 | |
---|---|---|---|---|
固定金利0.5%p.a. | 25.7万円 | 3077万円 | 77万円 | ベース |
固定金利1.5%p.a. | 27万円 | 3233万円 | 233万円 | 156万円 |
返済期間10年の場合、利率が1%(0.5%から1.5%)上がると、利息総額は156万円増えます。これは借入金額の5.2%に相当します。
それでは返済期間を35年にしたら、利息はどのくらい増加するでしょうか?
前提2
借入金額:3000万円 返済期間:35年 元利均等払い
毎月の支払額 | 総返済額 | 利息総額 | 利息増加額 | |
---|---|---|---|---|
固定金利0.5%p.a. | 7.8万円 | 3271万円 | 271万円 | ベース |
固定金利1.5%p.a. | 9.2万円 | 3858万円 | 858万円 | 587万円 |
※筆者作成
返済期間35年の場合では、利率が1%(0.5%から1.5%)上がると、利息総額は587万円増えます。これは借入金額の19.6%に相当します。また、返済期間35年、利息1.5%の場合の利息総額は858万円になり、借入金額の28.6%に相当します。
超低金利の現状ではありますが、利息総額の絶対額や比率はかなり大きいことがお分かりいただけると思います。
返済期間がのびると
前提3
借入金額:3000万円 固定金利:1.5%p.a. 元利均等払い
毎月の支払額 | 総返済額 | 利息総額 | 利息増加額 | |
---|---|---|---|---|
返済期間10年 | 27万円 | 3233万円 | 233万円 | ベース |
返済期間35年 | 9.2万円 | 3858万円 | 858万円 | 625万円 |
利率が1.5%の場合、返済期間が10年から35年に延びると、利息総額は625万円増えます。これは借入金額の20.8%に相当します。利率だけでなく、返済期間によっても利息総額はかなり変動することが分かります。
借入金額が増えると
前提4
返済期間:35年円 固定金利:1.5%p.a. 元利均等払い
毎月の支払額 | 総返済額 | 利息総額 | 利息増加額 | |
---|---|---|---|---|
借入金額1500万円 | 4.6万円 | 1929万円 | 429万円 | ベース |
借入金額3000万円 | 9.2万円 | 3858万円 | 858万円 | 429万円 |
返済期間35年、利率1.5%の場合、借入金額1500万円のときと、3000万円のときを比べると、利息総額は429万円から858万円、すなわち倍になります。
まとめ
以上、金利の利率、返済期間、借入金額が変わった場合、利息総額がどのように変動するかを見てきました。利息総額を借入金額と比較すると、かなり大きな比率になります。
そのため、借り換えによって利率を下げること、期前返済によって返済期間を短くすることで、支払う利息総額を大きく節約できることもお分かりいただけたと思います。
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー
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