更新日: 2021.08.19 その他ローン

カードローンにおける「がん団信」とは? その留意点

カードローンにおける「がん団信」とは? その留意点
そもそもカードローンは無担保・保証人なしで利用できるものですが、カードローンのなかには「ガン保障特約」という特約を付けることができる商品があります。
 
このような“がん団信つきカードローン”とは、どのようなものなのでしょうか。詳しく見てみましょう。
大泉稔

執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

カードローンにおける「がん団信」とは?

カードローンにおける「がん団信」とは、所定のがんと診断確定した時、もしくは死亡・高度障害状態の時に、残債全額の弁済に充てるというものです。
 
この「がん団信」に対する保険料はなく、また金利の上乗せもありません。「がん団信」の保険金の額は、未返済債務残高となります。
 
ちなみに、日本人の2人に1人はがんに罹患(りかん)すると、いわれている時代。男性の場合、50歳代も半ばを過ぎると、がんの罹患率が高まる傾向にあります。また女性の場合、女性に特有の乳がんや子宮がん等は30~40歳代に罹患する方が多いようです。
 
がんに対する備え・保障は、年齢を重ねるほどに必要になる可能性があります。
 

「がん団信」の留意点

「がん団信」のついたカードローンを検討するにあたり、生命保険やがん保険などと同じく、健康に関する告知が必要となります。告知義務違反などがあると、「がん団信」は利用できません。
 
つまり、通常のカードローンの審査の他に、健康告知に関する審査があるということです。当然のことながら、すでにがんに罹患している方は申し込みができません。
 
また、一般的ながん保険と同じく、「がん団信」への加入が承諾されてから、90日間の「待ち期間(いわゆる免責期間)」があります。待ち期間の間に、所定のがんに罹患したとしても、「がん団信」による未返済の債務に対する弁済はありません。
 
そればかりか「がん団信」は無効となってしまい、もし未返済の債務の残高があったとしたら、残高はしっかり残ってしまうということになります。
 
ところで、本稿にて「所定のがん」と書いておりますが、「がん団信」はすべのがんを対象にしているわけではなく、「所定のがん」のみが対象です。1つ例を挙げると、上皮内がんは「所定のがん」としない契約もあります。
 
カードローン会社によって内容が異なりますので、ローン契約前に対象となるがんについて、しっかりと確認しておきましょう。
 

まとめに代えて

「がん団信」つきカードローンで最も気にとどめなくてはならないことは、「がん団信」によって未返済の債務に対する弁済がなされた場合、以後同社のカードローンを利用することができなくなるということです。
 
つまり、追加の借り入れ等もできなくなってしまいますので注意しましょう。
 
(参考・引用)
厚生労働省「平成29年 全国がん登録 罹患数・率 報告」
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役

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