住宅ローンで購入した物件を賃貸に出すとどうなる?

配信日: 2022.08.01

この記事は約 5 分で読めます。
住宅ローンで購入した物件を賃貸に出すとどうなる?
マイホームを購入したものの、諸事情により、その家に住めなくなるということもあるかもしれません。こういった場合は売却するという方法もありますが、人に貸して賃料収入を得ることを考える人もいるでしょう。
 
そこで今回は、住宅ローンが残ったままの家を賃貸に出すケースについて説明していきます。
吉野裕一

執筆者:吉野裕一(よしの ゆういち)

夢実現プランナー

2級ファイナンシャルプランニング技能士/2級DCプランナー/住宅ローンアドバイザーなどの資格を保有し、相談される方が安心して過ごせるプランニングを行うための総括的な提案を行う
各種セミナーやコラムなど多数の実績があり、定評を受けている

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住宅ローンは、そもそも本人か家族の居住が条件

住宅ローンを利用して家を購入している人は多いと思います。一時の超低金利からは上昇傾向にありますが、住宅ローンの金利は近年も低い状態が続いています。さらに住宅ローン控除もあり、実質的な金利はかなり低くなっている人もいるでしょう。
 
基本的に住宅ローンを利用する条件として、金融機関から借り入れたお金の使途は、本人もしくはその家族が住む家の購入費や新築・改築などの費用となっています。つまり、他人が住む場合は住宅ローンの利用ができないということになります。
 

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黙って他人に貸した場合はどうなる?

前述のとおり、住宅ローンが残っている家に、ローンを借り入れている本人または家族以外の他人が住む場合は融資の条件から外れてしまいますので、住宅ローンの利用ができなくなってしまいます。
 
しかし、このことを知らず、住宅ローンを借り入れている金融機関に相談せずに家を賃貸に出してしまう場合や、住宅ローンの適用外になると分かっていても金融機関に黙って賃貸に出すこともあるかもしれません。
 
金融機関にバレないだろうと思っていても、住宅ローンの返済計画や住宅ローン控除の証明書としてローンの残債などの郵便物が送付されるので、金融機関も他人が住んでいることを容易に確認することができます。
 
住宅ローンの契約に違反したことが分かれば、金融機関は住宅ローンを打ち切ります。打ち切るということは、住宅ローンの残債について全額の一括返済を意味します。また、住宅ローン控除を受けている場合は、控除の適用対象外にもなります。
 

住宅ローンが残ったまま賃貸には出せないのか?

住宅ローンが残ったまま、家を賃貸に出すのは絶対にダメというわけではありません。急に転勤が決まるなど特別な事情が起こった場合には、本人や家族ではなくても、その家に住むことができる可能性もあります。
 
ただし、あらかじめ金融機関に事情を伝えて、賃貸に出すことの承諾を得る必要があります。仮に金融機関が拒否した場合でも、ローンの借り換えなど他の方法を考えてもらえる可能性もありますので、まずは相談することが大事です。
 
例えば転勤など、一定期間で元の職場に戻ることが決まっている場合、金融機関によっては住宅ローンの返済をしながら賃貸に出すことを特例で認めるケースもあるようですが、このときに大切なのは、賃借人と定期借家契約を結んで賃貸期間を明確にすることです。
 
また、賃貸に出した年から住宅ローン控除の対象ではなくなりますが、住宅ローン控除の残存期間の間に再入居すれば、控除は再び適用となります。
 

住宅ローンから事業用ローンへ変更

住宅ローンや住宅ローン控除は、本人や家族が住むことが条件なので利用できなくなりますが、不動産を収益目的として購入する場合などに利用できる不動産投資ローン、賃貸物件の購入や建築などに利用できるアパートローンに切り替えることで、家を手放さずに賃貸に出すことも可能です。
 
また、家の一部を貸し出したい場合は、現在の住宅ローンの返済を続けながら賃貸に出すことも可能ですが、居住部分に対する住宅ローンとは別に賃貸部分に対してアパートローンなどを組む必要があります。
 
家の一部を賃貸にする際は、自宅としての居住部分が全体の50%以上であることが要件になります。住宅ローン控除が適用されている場合は、居住部分の床面積が50平方メートル以上あり、そのうちの50%以上が本人の住居部分であることが必要です。
 

まとめ

住宅ローンを残したまま家を賃貸に出すことは、基本的には難しいですが、条件などによっては可能性もゼロではありません。まずは住宅ローンを利用している金融機関に相談することをお勧めします。
 
また、不動産投資として考えた場合は、収益性なども重要になってきます。家を持ち続けたほうがいいのか、また築年数が浅いなど高く売れる可能性があれば、売却を検討してみるのもいいでしょう。
 
執筆者:吉野裕一
夢実現プランナー

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