更新日: 2024.01.26 住宅ローン

住宅ローンの繰り上げ返済をするべき? 繰り上げ返済のメリットとは?

住宅ローンの繰り上げ返済をするべき? 繰り上げ返済のメリットとは?
マイホームを購入する人のほとんどが、住宅ローンを利用するでしょう。住宅ローンの返済中に、相続や臨時収入によって金銭的な余裕が生じたときに「繰り上げ返済」を検討することがあります。
 
繰り上げ返済とは、毎月の返済額と別に元金の一部、または全部を前倒しで返済することです。繰り上げ返済によって総返済額を削減し、早く住宅ローンの返済から解放されることができます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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住宅ローンの繰り上げ返済とは?

「住宅ローンの繰り上げ返済」とは、通常の返済とは別に、住宅ローンの元金の一部もしくは全部を繰り上げて返済することです。元金が減少するので、その分、利息の支払いが軽減され、総返済額を減らすことができます。
 
繰り上げ返済には「返済額軽減型」と「返済期間短縮型」があります。
 
「返済額軽減型」とは、残りの期間は変えずに毎月の返済額を軽減する方法です。一方で、「返済期間短縮型」とは、毎回の返済額は変えずに返済期間を短縮する方法です。
 
どちらも利息額を減らすことができますが、より効果が高く、返済期間を短くする「返済期間短縮型」を利用する方が多いようです。
 

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住宅ローンの元利均等返済方式

住宅ローンの繰り上げ返済について理解するためには、住宅ローンなどの各種ローンやクレジットの返済方法について知っておく必要があります。
 
ローンやクレジットの返済方法には、「元金均等返済方式」と「元利均等返済方式」があります。
 
「元金均等返済方式」とは、毎月の返済額のうち、元金の金額が一定となる返済方法です。一方で、「元利均等返済方式」とは、毎月支払う返済額が一定であり、返済が元本と利息の合計で構成されている返済方法です。
 
返済の最初は、金利の割合が大きいですが、徐々に元金に充当される割合が増加します。住宅ローンでは、一般的に「元利均等返済方式」が選択される傾向があります。
 
そして「元利均等返済方式」を選択して繰り上げ返済を行うと、前倒し返済した元金に対応する利息を節約できるのです。
 

住宅ローンの繰り上げ返済のメリット


住宅ローンの繰り上げ返済を行う一番の動機は、返済額を減少させることでしょう。
 
返済方法として「元利均等返済方式」を選択し、繰り上げ返済で「返済期間短縮型」を選択した場合のメリットについてみていきましょう。
 

金利の支払額の節約ができる

「元利均等返済方式」では、返済開始当初は、返済金額の大部分が利息の返済に充当されます。
 
繰り上げ返済によって、元金の一部や全部を前倒しで返済すれば、元金部分が少なくなり、対応する利息分の支払額を削減でき、その分、支払総額を減らすことが可能です。
 
例えば、残債が3600万円で30年返済の場合、毎月の返済額は10万円です。繰り上げ返済で360万円返済すれば、毎月の返済額に変更はありませんが、3年分返済期間と利息を削減できます。
 
繰り上げ返済で返済する元金の金額が大きいほど、それに対応する利息額が大きくなり、効果が大きくなります。
 

資本計画の見直しができる

返済期間中であれば、基本的に好きなタイミングで繰り上げ返済を選択できます。現在、および将来の家計状況に応じて繰り上げ返済を実行することで、効果的な資本計画の見直しができるのです。
 
例えば、子どもが就職して教育費がかからなくなったり、相続によって現金を承継した場合に、効果的に総返済額を減らすために繰り上げ返済を検討できます。
 
このように繰り上げ返済は、ライフイベントに沿って計画的に、または予想外のできごとにも対応しながら、柔軟な資本計画の見直しが可能です。
 

住宅ローンの繰り上げ返済のデメリット

住宅ローンの繰り上げ返済には、返済額を削減できるという大きなメリットがあるので、積極的に検討する人が多いです。
 
しかし、資産状況やライフプランによっては、デメリットが大きくなります。

手元資金が少なくなる

繰り上げ返済は、前倒しで返済するので、当然手元資金が少なくなります。
 
長期的には返済額を削減できますが、短期的には手元資金が枯渇する可能性があるので、検討は慎重に行いましょう。
 
子どもが独立したタイミングで繰り上げ返済をすると、同じころに親の介護費が必要になることもあるでしょう。突然の病気やけがによって医療費が必要になるかもしれません。
 
繰り上げ返済はあくまでも余裕資金の範囲で行い、たとえ臨時収入があっても、全額を繰り上げ返済に充当することは避けましょう。
 
また、繰り上げ返済には別途、手数料がかかります。複数回に分けて繰り上げ返済をすると、手数料がかさむことに注意しましょう。
 

住宅ローン控除の恩恵が小さくなる

住宅ローン控除は、年末時点の住宅ローン残高の1%が控除される制度です。
 
現時点で住宅ローン控除を受けている場合、繰り上げ返済を行うと、住宅ローン残高が減少し、受けられる控除額が減少します。
 
超低金利の時代に1%以下で住宅ローンを借りている場合、繰り上げ返済を行うことで、得られる利息減少分よりも住宅ローン控除額の減少分が大きくなるリスクがあるのです。
 
また、繰り上げ返済の結果、返済期間が10年を下回ると、住宅ローン控除の要件を満たさなくなり適用されなくなるので、注意が必要です。
 

住宅ローンの繰り上げ返済のタイミング

住宅ローンの繰り上げ返済はいつでも選択できますが、理想的なタイミングは2つあります。
 
1つ目は、大きな出費が予定されていないときです。
 
子どもがこれから大学に進学する場合や、マイカーの購入を検討しているときなど、大きな出費が予定されているときに繰り上げ返済を行うと、手元資金が減少し、予定していたイベントが行えないかもしれません。
 
2つ目は、住宅ローン控除の適用が終わったときです。住宅ローン控除による節税効果を最大限享受してから、繰り上げ返済を行いましょう。
 
しかし、住宅ローン控除の控除額が「年末時点の住宅ローン残高×1%」ですので、1%以上の金利で借りている場合には、住宅ローン控除適用中であっても、繰り上げ返済を検討してよいでしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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