更新日: 2022.08.24 ローン

「入学時特別増額貸与奨学金」とは? 留意点について解説

執筆者 : 新美昌也

「入学時特別増額貸与奨学金」とは? 留意点について解説
日本学生支援機構の「入学時特別増額貸与奨学金」は、無利子の第一種奨学金や、有利子の第二種奨学金とは違った特徴があります。
 
「入学時特別増額貸与奨学金」の採用候補者は、労働金庫の「入学時必要資金融資」を受けることが可能です。予約申込時の留意点を説明します。
 
新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

入学時特別増額貸与奨学金とは

大学等入学時には、いろいろとお金がかかります。第一種奨学金や第二種奨学金では、何十万円といったまとまったお金の支払いには対応できません。
 
入学時特別増額貸与奨学金は、たった1回限り、最高50万円までまとまったお金を借りることができます。
 

入学時特別増額貸与奨学金の留意点

■留意点1:国の教育ローンの申し込みが原則必要です

この奨学金は、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」を申し込み、低所得などを理由に利用できなかった世帯の生徒に、救済措置として貸与するものです。したがって、原則、国の「教育ローン」の申し込みが必要です(家計の状況によっては「国の教育ローン」の申し込みが不要な場合もあります)。
 
「採用候補者決定通知」にて、「国の教育ローン」の申し込み手続きが必要かどうかを確認できます。「国の教育ローン」が利用できる場合、この奨学金は利用できません。
 

■留意点2:この奨学金は単独では利用できません

入学時特別増額貸与奨学金は、毎月の奨学金(第一種奨学金・第二種奨学金)と併せて貸与を受けることができますが、給付奨学金のみと併用、または単独で利用できません。
 

■留意点3:利率が高い

増額部分に係る利率は、「基本月額に係る利率」の値に0.2%を加えた値です。
 

■留意点4:入学前には利用できない

この奨学金は、無利子の第一種奨学金または有利子の第二種奨学金の入学時の初回振込時に、たった1回だけ、一時金として増額して貸与する有利子の奨学金なので、入学前に利用はできません。
 
また、予約採用の場合、第1回目の振り込みの時期は4~6月のいずれかです。入学手続き時の入学金・授業料に充てたい場合は、この奨学金を担保にした「入学時必要資金融資」(ろうきん)を活用できます。
 

「入学時必要資金融資」(労働金庫)とは

「入学時特別増額貸与奨学金」を予約した方(採用候補者)が申し込み、増額奨学金交付までの間、入学時に必要な入学金・授業料を、交付される増額奨学金の範囲内で、労働金庫(ろうきん)から融資(最高50万円)を受けることが可能です。融資金は進学先に振り込まれます。
 
返済は、進学後、増額奨学金が交付される第1回奨学金交付時に、当該奨学金を返済原資として、利息を含めて本人の労働金庫の口座から一括して返済します。
 
このような仕組みから、ポイントは以下のとおりです。
 

■予約申込時には50万円を選択する

増額奨学金の貸与額は、10万円、20万円、30万円、40万円、50万円です。融資は増額奨学金の範囲内なので、最高額50万円を選択しましょう。
 

■予約申し込みはなるべく早く行う

2022年度予約採用の春募集のスケジュールは以下のとおりでした。来年に予約申し込みを検討している方は、参考にしてみてください。

<第1回>
申込期間:2022年4月下旬~2021年5月下旬
採用候補者決定通知発行:2022年10月下旬
 
<第2回>
申込期間:2022年6月
採用候補者決定通知発行:2022年11月下旬
 
<第3回>
申込期間:2022年7月
採用候補者決定通知発行:2022年12月下旬

なお、申し込みの手続き期間・募集回数は、高校が設定します。必ず在学中の高校に確認しましょう。
 
このように、申込時期により、採用候補者決定通知の時期も異なります。採用候補者として決定していないと、「入学時必要資金融資」の申し込みができません。
 
総合型選抜の合格時期は11月以降、学校推薦型選抜は12月以降です。予約採用の申し込みが遅いと、入学金等の納付に「入学時必要資金融資」が間に合わないリスクがあります。早い時期に予約の申し込みをしましょう。
 

■事前に「国の教育ローン」を申し込んでおく

労働金庫に申し込む際は、入学時特別増額貸与奨学金を利用できることを示す必要があります。
 
したがって、融資を申し込むまでに、原則「国の教育ローン」の借入申し込みを行い、「国の教育ローン」の融資を受けられなかったことを確認できる書類が発行されていることが、条件となります。
 

■奨学金の振込口座を労働金庫の口座にする必要がある

「入学時必要資金融資」の回収を迅速・確実にするため、奨学金の振込口座を、労働金庫の口座にする必要があります。増額奨学金交付時に、同奨学金を返済原資として、学生名義の労働金庫の奨学金振込口座からの引き落としにより、元金および利息を一括して返済します。
 

■連帯保証人が必要です

父母(または親権者)のいずれかを連帯保証人として契約します。融資を受けた本人が、大学等に入学しなかった場合に備えるためです。
 

入学金などに利用できる、そのほかの低所得世帯が利用できる貸付金

「国の教育ローン」や「入学時必要資金融資」以外に入学金などに利用できる、そのほかの低所得世帯が利用できる貸付金として、市区町村の「母子父子寡婦福祉資金」、社会福祉協議会の「生活福祉資金(教育支援資金)」があります。いずれも無利子ですので、該当する方は相談にいきましょう。
 

出典

日本学生支援機構 ホームページ(入学時特別増額貸与奨学金)
一般社団法人全国労働金庫協会 その他 ろうきんの生活応援融資制度
 
※2022/8/24 内容を一部修正させていただきました。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。

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