車の残価設定型クレジット、得する人と損する人の違いとは?

配信日: 2022.11.25

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車の残価設定型クレジット、得する人と損する人の違いとは?
車を購入する方法の1つである残価設定型のローン(通称:残クレ)。毎月の支払額を抑えられるメリットがある半面、実は使い方によっては得する場合と損する場合とに分かれます。
 
残クレについて正しく理解しておかないと、ディーラーから提案されたとき、利用するべきかどうか迷ってしまうかもしれません。
 
本記事では、残クレの基本的な仕組みを確認しつつ、残クレを利用することによってどのような人が得する(損する)傾向があるのか、分かりやすく解説していきます。

残クレってどんなローン?

冒頭で触れたとおり、残クレの正式名称は「残価設定型クレジット」といいます。購入する車が、一定期間が経過した後にどれくらいの価値となるか、その「将来の価値」(=残存価値、以下「残価」)をあらかじめ予測し、ローンの最終回支払いまで据え置くという仕組みです。
 
初回支払いから最終回の1回前までの、毎月の支払額を抑えられるというメリットがあります。
 
ちなみに残クレの最終回では、それぞれ条件付きではありますが、「新しい車に乗り換え」「車を返却する」「車を買い取って乗り続ける」という3つの選択肢が提示されることになります。
 
通常の自動車ローンでは基本的に、支払額が全期間にわたって均等になりますが、残クレの場合は残価が据え置かれるため、多少予算オーバーの車であっても手が届くという利点があります。
 
例えば300万円の車で、5年後に100万円の残価が予測される車を購入したとしましょう。
 
通常のローンなら、300万円を60分割で購入することになり、金利を考慮せずに概算すると、毎月の支払額は約5万円となります。一方、残クレの場合は最終回に100万円を据え置くので、200万円を59分割することになり、毎月の支払額は約3万4000円になります(実際の支払額は、残価や金利の水準によって異なります)。
 
残クレには、デメリットもあります。
 
返却を前提とした契約であるがゆえに、毎月の走行距離(契約期間中の総走行距離)に制限が設けられていたり、目立った傷がついていると違約金が発生したりする場合があります。また、事故によって修復歴がついてしまうと、最悪の場合、車を返却することすらできず買い取りとなってしまうリスクもあります。
 
さらに、残クレでは最終回に据え置く金額が多いと、金利の負担がその分増えてしまう点にも注意が必要です。
 

残クレ利用で得する人と損する人

ここからは、残クレを利用することによって、得をしやすい人と損をしやすい人の傾向をご紹介します。
 

得する人の例

残クレによって得をする可能性の高い人とは、ずばり「定期的に新車に乗り換える人」です。
 
常に新しい車に乗りたい、故障の心配をあまりせずに車に乗りたいという人は、金利負担が多少増えるとしても、残クレを利用することで、全体としてお得に車を利用できる可能性があります。頭金を抑えて新車に乗れるという、残クレのメリットを享受しやすいからです。
 

損する人の例

一方、残クレを利用して損をする可能性の高い人の特徴として、「車を大切に乗らない人」や「年間走行距離が多い人」、「車を長期間乗り続けたい人」が挙げられます。
 
あらかじめ設定した走行距離の上限をオーバーしたり、車体に傷をつけたりすると車が返却できず、追徴金が発生する可能性があります。
 
また、5年経過後に車の買い取りを選択し、再びローンを組むことを選択した場合には、トータルの金利負担額が通常のローンよりも膨らむことがあります。
 
5年以上にわたって乗り続けたい人、車を傷つける心配のある人は、通常のローンを7年や9年などの長期間で組むことで、残クレと比べて遜色ない水準の支払額で購入できるはずです。くれぐれも、その場の勢いで安易に残クレを契約することは避けましょう。
 

残クレ利用のご利用は計画的に

車を購入する際には、ディーラーから積極的に残クレを提案されることがあるかもしれません。
 
しかし、銀行のローンなどを利用する選択肢を含め、どのような方法でローンを組むかは、ご自身のライフスタイルに応じて慎重に判断することが大切です。高額の新車をローンで購入すると、最終的に10万円単位で金利負担が増えることもあり得ます。
 
本記事で紹介したポイントを踏まえ、残クレを利用するべきかどうかを賢く判断するように心がけましょう。
 
 
執筆者:宇野源一
AFP

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