更新日: 2023.01.10 ローン

日本学生支援機構の貸与奨学金 予約時に入力した項目は変更できる?

執筆者 : 新美昌也

日本学生支援機構の貸与奨学金 予約時に入力した項目は変更できる?
日本学生支援機構の貸与奨学金については、高校3年生(卒業年度)の4~7月頃にスカラネット(奨学金申込専用ホームページ)で予約できます。初めて奨学金の申し込みをする生徒にとって、「保証制度」などの専門用語は理解するだけでも大変です。そのために申し込みを諦めてしまう生徒もいるかもしれません。
 
しかし、安心してください。申込時に選択した「奨学金の貸与月額」「保証制度」「利率の算定方式」「返還方式」は、大学等に進学後「進学届」を提出時に変更(辞退も含む)できますので、ひとまず予約申し込みしておきましょう。また、貸与中も変更できる項目もあります。
 
新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

「進学届」とは

「進学届」は、採用候補者の権利を確定して、正式に奨学生として採用されるために必要な手続きです。進学後、進学先の大学等が定める期限内に、「採用候補者決定通知」等の必要書類を提出し、その時に交付される「ID・パスワード」によって、インターネットにて「進学届」を提出します。
 
「進学届」を期限内に提出することができなければ奨学生として採用されず、採用候補者の権利を失ってしまいます。予約自体は進学先に関わらずできますが、進学先が無認可校など奨学金の対象校でない場合、奨学金は受給できませんので注意してください。
 
申込時の選択事項(「採用候補者決定通知」に記載されている)は「進学届」提出時に再度変更や辞退することができます。
 

貸与月額

予約申込時に、第一種奨学金(無利子)・第二種奨学金(有利子)の貸与月額、入学時特別増額貸与奨学金(有利子)の貸与額を選択します。
 
第二種奨学金は2万円~12万円(1万円単位)から自由に貸与月額を選択できます。一方、第一種奨学金は、進学先の学種、通学形態、国公私立かの別により、選択できる貸与月額が決まります。例えば、私立大学に自宅通学する場合、5.4万円、4万円、3万円、2万円の4つの貸与月額から1つを選択します。
 
入学時増額貸与奨学金は、第一種奨学金または第二種奨学金に加えて、入学した月の分の奨学金の月額に一時金(10万円~50万円)として増額して貸与する有利子の奨学金です。日本政策金融公庫の「国の教育ローン」に申し込みをしたけれど、利用できなかった世帯の学生・生徒を対象としています。なお、入学時特別増額貸与奨学金だけの貸与はできません。
 
第一種奨学金・第二種奨学金について、貸与月額は貸与中も変更(増減)できます。
 

保証制度

保証制度には「人的保証」と「機関保証」があります。申込時にいずれか1つの制度を選択します。人的保証とは、日本学生支援機構が定める選任条件を満たす人に奨学金の返還について連帯保証人(原則、父母)および保証人(おじ・おば等)を引き受けてもらう制度です。保証人の選任は、「進学届」で行います。
 
機関保証制度というのは、保証機関(公益財団法人日本国際教育支援協会)に保証を依頼し、連帯保証を引き受けてもらう制度です。保証期間から保証を受けるためには一定の保証料の支払いが必要となり、原則として毎月の奨学金の貸与額から保証料を差し引いた金額が学生の口座に振り込まれます。
 
保証料がもったいないかもしれませんが、返還できないとき、連帯保証人(原則、父母)および保証人(原則、おじ・おば等)に迷惑がかかる可能性があるので、機関保証をお勧めします。
 
春の予約申込時、おじ・おば等に保証人をお願いした場合、「進学届」提出までに1年近くあります。忘れているかもしれませんので、トラブルを避けるため「進学届」を提出する1ヶ月前ぐらいに、再度、意思確認をしましょう。
 
なお、「進学届」提出後は、「機関保証」から「人的保証」への変更はできません。「人的保証」から「機関保証」への変更については、貸与中や返還中、連帯保証人または保証人が死亡等やむを得ない理由により保証ができなくなり、新たな連帯保証人または保証人を選任できない時にのみ変更できます。
 

利率の算定方式

第二種奨学金の利率の算定方式には「利率固定方式」と「利率見直し方式」があります。申込時にいずれか1つを選択します。
 
利率固定方式は貸与終了時に決定した返還利率が、返還完了まで適用されることになります。将来、市場の金利が変動した際も、返還利率は変わりません。利率見直し方式は貸与終了時に決定した返還利率が、おおむね5年ごとに見直されます。将来、市場金利が変動した場合は、それに伴って返還利率も変わります。
 
予約申込みの際、どちらの算定方式が得か、質問を受けることがあります。奨学金の利率は貸与終了時に決まりますので、申込時に大学卒業時である5年後の市場金利を予測するのは不可能です。
 
幸い、貸与中も変更可能ですので、貸与終了間近の経済状況を見て、その時点で判断するとよいでしょう。
 

返還方式

返還方式には、第二種奨学金・入学時特別増額貸与奨学金については「定額返還方式」のみ、第一種奨学金については、「所得連動返還方式」または「定額返還方式」のいずれか1つを申込時に選択します。
 
定額返還方式では、最後まで同じ月額で返還します。所得連動返還方式では所得に応じた月額で返還します。この場合、保証制度は機関保証とすることが必須となりますので注意しましょう。
 
貸与中も変更できますが、「人的保証」を選択していた方は、「定額返還方式」から「所得連動返還方式」への変更には「機関保証」への変更が必要です。また、貸与終了後は、「所得連動返還方式」から「定額返還方式」へ変更することはできません。
 

出典

日本学生支援機構 ホームページ

 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。

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