更新日: 2023.02.14 その他ローン
金利が上がったら車のローンはどうなる?
住宅以外でも車をローンで購入している方は、「金利が上昇したら車のローン金利にも影響があるのでは……?」と不安になっている方も多くいらっしゃるはずです。
本記事では金利上昇と車のローン金利の関係性について確認していきます。
執筆者:宇野源一(うの げんいち)
AFP
金利上昇と住宅ローン金利の関係をおさらい
日本銀行が2022年12月20日、長期金利の変動幅を従来の「±0.25%程度」から「±0.5%程度」に拡大し、これまでの金融緩和策から修正を図りました。
これにより、金融機関が貸出金利を決める指標としている「新発10年物国債利回り」の金利が0.5%と7年半ぶりの水準まで上昇し、引き上げられた長期金利の上限に早くも到達。昨今のニュースで出ている「住宅ローン金利の上昇」は、この長期金利の上昇による影響で貸出金利が上昇していることが背景にあります。
ニュースなどで月末あるいは月初で取り上げられる「住宅ローン金利の上昇」でいわれている「金利」とは、「固定金利」のことです。
住宅ローンには「固定金利」と「変動金利」の2つの借り方がありますが、2023年2月5日現在で金利上昇の話題に上がっているのは、前者の固定金利のみです。まずはここを押さえておきましょう。
ちなみに変動金利の指標は「短期プライムレート」と呼ばれるもので、このレートは平成21(2009)年から変わっていません。
車のローン金利は大丈夫なの?
それでは金利の上昇が車のローン金利にどれくらい影響があるのか、という疑問について確認していきましょう。
基本的に今借りている人は問題ない
結論から申し上げると、今現在、車のローンを借りている方は全く心配する必要がないといえます。
特にディーラーで車のローンを借り入れている場合、大半が「固定金利の元利均等返済」となっているため、完済時まで支払額も貸出金利も変わらない仕組みとなっています。そのため、ディーラーローンを利用している方は安心してください。
銀行系の車のローンを借りている人は返済条件を確認しよう
一方で、銀行や信用金庫をはじめとした金融機関系のマイカーローンを利用している方は、金利上昇リスクの可能性があります。借入先の金融機関によって変わりますが、マイカーローンに変動金利を採用している金融機関があるからです。
その場合、金利の指標となるのが、住宅ローンの変動金利と同じ「短期プライムレート」となり、半年ごとに金利の見直しをしています。半年ごとに借入先の金融機関から「返済予定表」が届いているはずですので、そちらを確認してみましょう。
これからローンを借り入れする場合はどうすればいい?
現在は金利上昇局面にあることは間違いありません。これから車のローンを借りる際は、借り入れ条件が「変動」か「固定」か、しっかりと確認しておく必要があります。
特に、毎月の予算ギリギリで変動金利のローンで購入する場合、毎月の支払額が増えるリスクがあります。毎月の支払いに加えて、メンテナンス代や保険料といった車の維持費もかかってきますので、安心するために「固定金利のローン」で「支払いが困難でない車」を購入する、変動金利の場合は「金利が上昇しても耐えられる、予算内の車」を購入するなど検討したいですね。
金利が上昇してローンの支払いが厳しくなったからといって、維持費を節約するために任意保険を解約するなどしてしまったら、万一のときに余計に首が回らなくなってしまいます。
本当に欲しい車が少々予算オーバーとなってしまう可能性がある場合は、購入する車のグレードを下げる、車格を下げるといった妥協が必要になってくるかもしれません。
車のローン金利も上昇局面!よく検討しよう!
今春、日本銀行総裁は10年ぶりに交代する予定です。新総裁の方針によって、ローン金利は大きな転換期を迎えるでしょう。
上昇する可能性が高いと予測されていますので、車を購入する際には、車の代金に加えて、ローンの金利についても慎重に検討する必要があるでしょう。
出典
日本銀行 長・短期プライムレート(主要行)の推移 2001年以降
執筆者:宇野源一
AFP