「自動車ローン」の借り換えに「向いてる・向いてない人」って? メリット・デメリットも解説
配信日: 2023.02.21
購入方法としては、現金一括で購入する方が過半数ではありますが、ローンやクレジットを利用して購入する方も4割弱います。車のローンは比較的短期間のローンではありますが、住宅ローンのように借り換えをすることもできます。
そこで本記事では、車のローンを借り換えることのメリット・デメリットについて解説します。
執筆者:宇野源一(うの げんいち)
AFP
車のローン借り換えは検討の価値あり
車のローンは、借り換えはできますが、一般的に5年程度の短期のローンであるため、あまり気にしていない、車をローンで買ったら完済するまでそのままという人が多いというのが現実です。しかし、車のローンを見直すことで、支払額の軽減や支払い計画を考え直すきっかけになります。
車のローン借り換えのメリットとデメリット
それでは車のローンを借り換えることでどのような恩恵を受けられるのか、またローンを借り換えることで生じるデメリットはどのようなことなのか、双方の側面から確認していきましょう。
メリット
メリットは大きく分けて2つ挙げられます。1つは「総支払額の軽減」、もう1つは「支払い計画の変更」ができるという点です。
車を買う際、ローンをどこで組んだかによって支払う金利が大きく変わってきます。特にディーラーで購入した場合、「残価設定型」を含めるとおおむね5%程度の利息で契約を結んでいることが多いです。
もしこのローンを銀行など金融機関が提供する低金利のマイカーローン(1~2.5%)に借り換えると、金利負担を約半分程度に軽減することができます。単純にディーラーローンで5年間・利息30万円で支払う予定となっている場合、その半分の15万円まで少なくできる計算です。月にすると、毎月数千円単位で支払金額を抑えられるのです。
一方で、毎月の支払いが厳しくなり支払金額を少なくしたい、あるいは余裕ができたから支払期間を短縮したいという場合は借り換えをすることでその恩恵を受けることができます。ローンの借り換えは「利息軽減効果」だけでなく、「支払い計画を見直すきっかけとなる」ということは覚えておくとよいでしょう。
デメリット
ローン借り換えの最大のデメリットは、借り換えに伴う手間が大きくかかる点です。特に金融機関でのローン契約をする場合、借入先によって手続きの内容も変わってきますが、平日日中に金融機関の窓口まで足を運んで契約手続きをする必要も出てきます。
土日休みの会社員の場合、わざわざ有給休暇を取って手続きを完了させなければなりません。また印鑑証明や源泉徴収票といった必要書類も多いので、そろえる手間もかかりますし、返済先の口座を開設する必要もあります。
ただ、最近はマイカーローンの事前審査や申し込みといった手続き関係をネットで完結できる金融機関も増えてきています。これを利用することで手間を軽減することも可能ですので、借換先に考えている金融機関の手続き方法を調べてみる価値はあります。
車のローンの借り換えに向いている人、いない人
車のローン借り換えに興味は湧いてきたけれど、自分自身は借り換えに向いているのか、はたまた向いていないのか判断できないということもあるでしょう。ここでは、これらの項目について解説します。
向いている人
金利が高い傾向にあるディーラーローンや信販系ローンで車を購入し、かつ返済期間が3年以上残っているという場合は借り換えによるメリットを受けられる可能性が非常に高いです。
また、残価設定ローンを組んでいるけれど車を返却するのをやめたいという方はすぐに借り換えた方がいいでしょう。支払期間が長くなったとしても総支払額はそれほど変わらない、むしろ少なくなるというケースがあるからです。
向いていない人
支払期間が短い場合は借り換えをする手間や諸費用を考えると無駄足となる可能性が極めて高く、そのまま支払い続けた方がいい場合が多いでしょう。100万~500万円のローン契約をする場合、印紙税が2000円かかりますし、書類をそろえる際に必要な手数料などの費用も発生します。こういった費用も考慮する必要があるということは覚えておいた方がいいでしょう。
ローン商品は多種多様、金利だけ見て判断しないようにしよう
住宅ローンと同様に、借り換えることでメリットを感じられる場合がある自動車ローンですが、借入金額や金利、残りの返済期間によって逆に損する可能性もあります。ただ金利が安いというだけで借り換えを即決せず、トータルで検討するようにしましょう。
出典
一般社団法人 日本自動車工業会 乗用車市場動向調査
執筆者:宇野源一
AFP