更新日: 2023.03.11 住宅ローン
【住宅ローン】変動金利のリスクを再確認しよう
しかし、昨年末、日銀が長期金利の上限を0.25%から0.5%に引き上げたことから住宅ローンの固定金利も引き上げられました。日銀の金融緩和策が変更になれば変動金利にも影響が出てきます。
変動金利のリスクを知り、早めに対策を立てましょう。
執筆者:新美昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。
ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
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金利のタイプ
住宅ローンの金利のタイプには、「全期間固定金利型」「固定期間選択型」「変動金利型」があります。
「全期間固定金利型」では、借り入れから完済までの適用金利が固定されていているので、借り入れ中の全期間を通じて返済額が変わりません。金利は「新発10年物国債利回り」に連動します。変動金利型に比べ、金利は高めですが、返済額が変わらないので返済計画が立てやすく金利が上昇しても安心です。
「変動金利型」は、半年ごとに適用金利が見直されるタイプです。適用金利の見直しは「短期プライムレート」に連動します。固定金利型に比べ金利は低いのが魅力です。
「固定期間選択型」は、5年間、10年間など一定期間だけ金利が固定されるタイプです。固定期間終了後は、変動金利型にするか固定金利型にするかを選べます。
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変動金利の2つのルール
変動型金利は、半年ごとに適用金利が見直され、返済額が変動するタイプですが、多くの金融機関では毎月の返済額が急上昇しないよう「5年ルール」や「125%ルール」が設けられています。なお、「5年ルール」と「125%ルール」を適用しない金融機関もありますので注意が必要です。
「5年ルール」とは、半年ごとに適用金利が見直されても、毎月の返済額は5年に一度しか見直されないルールです。ただし、毎月の返済額に占める借入元金と利息の内訳が変わります。例えば、毎月の返済額が10万円、そのうち元金が8万円、利息が2万円であるとします。返済額10万円は5年間変わりませんので、金利が上昇し利息額が2万円から3万円になった場合、元金は8万円から7万円に減ります。
「125%ルール」とは、5年ごとの見直し後の返済額が、前回の1.25倍以上には増えないというルールです。例えば、見直し前の返済額が月額10万円であった場合、見直し後の返済額は12万5000円が上限となります。
この「5年ルール」と「125%ルール」が適用されるのは、「元利均等返済」のみで、「元金均等返済」には適用されません。
未払利息
「5年ルール」により、返済額が変わらない5年間に急激な金利上昇が起きて適用金利の引き上げが行われると、利息部分の金額が返済額よりも多くなってしまう可能性があります。この返済額を上回った部分の金額が「未払利息」です。
未払利息が発生すると、返済してもすべて利息部分に充当され、ローンの元金部分に充当される金額はゼロになりますので、ローン残高は減らなくなります。金利上昇が続くと返済期限に住宅ローン残高が残ってしまい、その分は最後に一括返済しないといけなくなるリスクがあります。
変動金利の見直し
見直しの方法としては、借り換え、繰り上げ返済などが考えられます。
借り換えは、より低利の変動金利に変更するか、安心のために金利が低いうちに固定金利に変更する方法があります。「5年ルール」や「125%ルール」により金利の上昇に気付かない可能性があるので、借り換えは早めに行動しましょう。
繰り上げ返済をすれば、元金の残高を減らすことができます。元金残高が減れば金利が上がったとしても支払う利息は増えずにすみます。
変動金利の住宅ローンには、上記のようにさまざまな特徴があります。内容をしっかりと理解しておきましょう。
出典
住宅金融支援機構 住宅ローン利用者の実態調査結果(2022年4月調査)
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。
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