更新日: 2023.05.15 教育ローン

新社会人、やむを得ず入社まもなく退職しました。奨学金の返済を「猶予」してもらう方法はありますか?

新社会人、やむを得ず入社まもなく退職しました。奨学金の返済を「猶予」してもらう方法はありますか?
学生時代に奨学金を借りていた場合、社会人となったときに返済をしなくてはなりません。しかし、場合によっては奨学金の返済が難しいこともあるでしょう。そのようなとき、どのようにすればよいのでしょうか。
 
そこで、本記事では入社後にまもなく退職した人を例に挙げて、奨学金の返済を「猶予」してもらうための方法を解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

返還期限猶予制度とは?

返還期限猶予制度とは、その名の通り、奨学金の返還を一定期間先送りしてくれる制度のことです。返還が困難な事情がある場合、日本学生支援機構に返還期限の猶予を申請することが可能です。事情には失業をはじめ、災害や傷病などが挙げられます。
 
そのため、やむを得ず入社後にまもなく退職した場合も、返還期限を猶予してもらえる可能性があります。経済的に厳しい状況であれば、延滞する前に申請手続きを行うようにしましょう。
 
申請をすれば、日本学生支援機構が審査を行います。承認されれば、その期間は返還不要です。
 
ただし、期間が過ぎれば返還する必要があります。注意したいのが、返還期限が延期されるだけで、元金や利子の免除は一切ないという点です。奨学金は必ず返還しなくてはなりません。
 

申請の手続きは?

返還期限猶予制度の申請には、「奨学金返還期限猶予願&チェックシート&マイナンバー提出書」が必要です。提出書は、日本学生支援機構に電話をして請求したり、ホームページからダウンロードしたりすれば入手することができます。提出書には、番号と身元が確認できる証明書を添付しましょう。
 
さらに、「雇用保険受給資格者証(求職活動記録面含む)のコピー」「雇用保険被保険者離職票のコピー」「雇用保険被保険者資格喪失確認通知書のコピー」「失業者退職手当受給資格証のコピー」のうち1点が必要になります。
 
どれも用意できない場合は「雇用関係が終わったことが分かる書類のコピー(退職証明書等)」「健康保険厚生年金保険資格取得(喪失)証明書のコピー」のうち1点を用意する必要があります。
 
「失業中」であることを事由にして申請可能な期間は、離職月とその翌月から6ヶ月間です。さらに、再就職(雇用保険に加入している場合、正社員だけでなく派遣社員・アルバイトも対象になります)していないことが条件です。この期間を過ぎた場合は、「経済困難」を事由に申請しましょう。
 
例えば、12月中(12月1日~12月31日の間)に失業したとすると、12月から翌年5月が猶予開始月の場合の事由は「失業中」で、6月以降が猶予開始月の場合の事由は「経済困難」になります。
 
申請が承認されれば1年間返還が猶予されます。その後も返還を猶予してほしい場合は、1年ごとに申請する必要があります。返還期限猶予の期間は通算で10年が上限です。
 

日本学生支援機構に申請し返還期限猶予制度を利用しよう

新社会人でやむを得ず入社まもなく退職した場合、返還期限猶予制度を利用できます。離職月とその翌月から6ヶ月間であれば、申請時の事由は「失業中」になります。
 
申請には「奨学金返還期限猶予願&チェックシート&マイナンバー提出書」と「証明証」が必要です。経済的に厳しいなど返還が困難な状況であれば、日本学生支援機構に猶予を申請してみてはいかがでしょうか。
 

出典

独立行政法人日本学生支援機構 失業中(一般猶予の申請事由)
独立行政法人日本学生支援機構 返還を待ってもらう(返還期限猶予)
独立行政法人日本学生支援機構 返還期限猶予制度の申請手続き
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集