更新日: 2023.10.02 住宅ローン

来月に定年退職予定で、住宅ローンが残り「800万」あります。退職金で完済すべきですか? 老後資金にあてるべきでしょうか?

来月に定年退職予定で、住宅ローンが残り「800万」あります。退職金で完済すべきですか? 老後資金にあてるべきでしょうか?
定年退職が近づいてきたときに、自宅の住宅ローンが残っていた場合、定年時にもらえる退職金で完済しようか迷うところです。本記事では、試算をまじえて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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※ただし、審査の結果金利プランが保証付金利プランとなる場合、ミックスはご利用いただけません。

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定年時に住宅ローンが残っている人の平均残高は?

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」調査結果によると、住宅ローン残高がある人の平均金額は、50歳代で995万円・60歳代で766万円でした。50代で残高が2000万円以上ある人は18.3%、60代で残高が2000万円以上ある人は15.0%と、多くの人が住宅ローン残債をかかえている状況から、定年退職から年金受取開始までに住宅ローン残債を軽くする必要がありそうです。
 

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退職金で早めに返済すべきか判断するには?

まず、退職金で早めに住宅ローンを返済すべきか判断する際に、以下のようなことを考えてみましょう。
 

1:月々の生活費用を見直してみる

定年退職後に再就職や雇用継続をして働き続けても、定年前と比べて収入が下がることが多い傾向です。60歳で定年を迎えて再就職や雇用継続をしない場合、多くの人は65歳の年金受取開始までの生活費は、今までの貯蓄や退職金を使うことになります。
 
受け取れる予定の年金額も合わせて、月々の生活費用がいくら必要か・赤字にならないか試算してみましょう。
 

2:繰り上げ返済が可能か試算してみる

一括返済が難しいと感じる場合、家計の様子を見ながら一部繰り上げ返済を数回行って、年金受取開始までにできるだけ完済できるのか試算するのも良いでしょう。繰り上げ返済には「期間短縮型」「返済額軽減型」の2種類の方法があり、返済期間短縮型では利息を軽くする効果があります。期間短縮型での試算を行ってみましょう。
 
<試算例>
住宅ローン残額800万円、残り返済期間10年(金利3%)元利均等返済で毎月返済額が約7万7248万円のAさん
 
1:繰り上げ返済なしの場合
 
返済回数120回、総額は約926万9770円(元金800万円、利息分は約126万9770円)
 
2:6月・12月・翌年6月に100万円ずつ上乗せして合計300万円の繰り上げ返済を行った場合
 
返済回数72回、総額は約855万8034円(元金800万円、利息分は約55万8034円)
 
100万円ずつ3回の繰り上げ返済で返済期間は48回早まり、浮いた利息は約71万736円になりました。
 

退職金で完済・繰り上げ返済する際に注意すべきことは?

住宅ローンの完済・繰り上げ返済で注意すべきポイントを2つあげます。
 

<急な出費へ対応するための資金が減る>

退職金を使って住宅ローンを一括返済・繰り上げ返済をすると、退職金がほとんど手元に残らないこともあります。医療費や住宅の修理・リフォームなど、急な出費が必要になったときに対応できる資金があると安心です。
 

<団体信用生命保険が減額または消滅する>

住宅ローン契約の多くには「団体信用生命保険(団信)」が付いていて、団信は契約者が亡くなると金融機関が残った住宅ローンを支払ってくれるので住宅ローンの残債がなくなります。住宅ローンの繰り上げ返済を行うと、残債は減りますが同時に死亡保障も減額となります。退職金で一括返済をすれば、ローン完済と同時に団信も消滅します。
 
そのため、住宅ローン契約者が亡くなると経済的に困る家族(扶養している配偶者や子ども)がいる場合は、住宅ローンの一括・繰り上げ返済を行う前に別の生命保険に加入して、万一に備えて家族へのお金を用意しておくのも1つの方法です。
 

まとめ

残っている住宅ローンを退職金で完済・繰り上げ返済すると、毎月の支払い負担は軽くなりますが、残ったお金で生活できるのかという不安も出てきます。退職金で住宅ローンを返済する前に、将来の生活費や急な出費をまかなえるほどの貯蓄があるか家計を見直してみましょう。
 

出典

金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降) 各種分類別データ(令和4年)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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