更新日: 2024.07.31 その他ローン
日産の「セレナ」を残クレで検討しています。友人に「メーカーオプションを中心に選ぶといい」と言われましたが、どういう意味でしょうか? 支払い額はどれだけ変わりますか?
例えば、5年後に買い替えるという前提のもとで日産セレナを残クレで買う際に、カーナビをメーカーオプションにするかディーラーオプションにするかで負担額が変わるのです。
本記事では、残クレの特徴をおさらいするとともに、支払い額がどれくらい変わってくるのかをシミュレーションします。
執筆者:宇野源一(うの げんいち)
AFP
残クレの特徴と仕組み
残クレの大きな特徴は、通常のローンと比べると毎月の支払いを抑えられる、というところにあります。
例えば300万円の車を5年ローンで支払う場合、金利負担を除けば300万円÷60回=5万円が毎月の支払い額になります。残クレの場合は「5年後のその車の価値」をあらかじめ最終回に据え置くことで毎月の支払い金額を抑えられます。
仮にこの車の5年後の残価が100万円だった場合、200万円を59回払いすることになるため、毎月の支払い額が約3万4000円となります。毎月の負担を抑えられるため、少しランクの高い憧れの車にも手が届くといえるのです。
セレナのナビ、メーカーオプションとディーラーオプションだと支払い金額はどれくらい変わる?
人気のミニバンである日産のセレナを5年間の残クレで買う場合に、カーナビをメーカーオプションにするとお得になります。なぜなら、残クレは「車両本体価格」から残価を算出するからです。
メーカーオプションの場合、車を製造する段階で車に設置するため、車両本体としてカウントされます。つまりオプションの色であったり、サンルーフであったり、車を作るときにセットされるオプションは全て残クレを計算する際に組み込まれるのです。
ディーラーオプションについては車が完成したあとに取り付けることになるので、車両本体とカウントされません。
それでは、セレナのe-POWER ハイウェイスターV(2WD)を残クレで購入する際、メーカーオプションのカーナビとディーラーオプションのカーナビのいずれかを選択した場合、どのように支払い額が変わるのかをシミュレーションしてみましょう(2024年7月22日時点)。
メーカーオプションの場合
仮に、カーナビとETCのセットオプション(48万8400円)を選択したとします。その際の諸費用込み支払い総額は428万2674円(税込)です。これを5年間の残クレ(頭金は端数のみ・ボーナス払いなし)で組んだ場合の毎月の支払い額は月4万6800円で、残価は233万7000円となります。
ディーラーオプションの場合
セレナのディーラーオプションナビは複数あります。また、メーカーオプションナビとディーラーオプションナビを比較すると画面サイズや機能面で異なる部分がありますが、今回はナビとETC、ドライブレコーダーがセットになった「ナビレコお買い得パック(MM223D-L)+ETC2.0」(35万7861円)を選択したとしてシミュレーションします。
このときの諸費用込み総額は415万2135円(税込)とメーカーオプションと比較すると10万円以上も安くなりますが、残クレのシミュレーションだと毎月4万8000円の支払いとなり1200円負担が増えてしまいます。最終的な残価は206万4000円と約30万円も少なくなるのに負担が増える、という状況となりました。
そのため、「セレナを残クレで買う場合にはメーカーオプションナビのほうがお得」ということになるのです。
残クレ利用時の注意点
今回のケースのように、5年後に買い替えるという前提であれば残クレの使い方によって毎月の負担が変わるということが分かります。ですが、残クレには注意点が存在します。ここでは2点の注意点を紹介します。
残クレには制限がある
残クレには残価を保証するために「走行距離」「内外装の傷」「修復歴」など制限項目があります。いずれかの項目をオーバーすると追加で請求が発生したり、最悪の場合は引き取り不可となったりすることがあります。
残価が大きければ大きいほど利息負担が増える
最終回に据え置かれた残価には金利が乗ります。残価が大きくなればなるほど支払う金利(利息)の金額も大きくなりますから、残クレ期間が終わったあとに買い取るという選択をとった場合の総負担額が高額になる可能性が高くなります。
まとめ
残クレを使って車を買う場合、車両本体価格として算定されるメーカーオプションを入れたほうが毎月の負担額が減ります。残クレは車の使い方によってはお得な買い方であることには間違いありませんが、その背景には制限項目があったり金利負担が大きくなったりといったデメリットがあるということを覚えておかなければなりません。
出典
日産セレナ セルフ見積
執筆者:宇野源一
AFP