更新日: 2024.11.28 住宅ローン

住宅ローンを借りている銀行から、金利が「0.15%」上がるという案内が! 返済額は変わらないのになぜ?「住宅ローン特有のルール」を解説

住宅ローンを借りている銀行から、金利が「0.15%」上がるという案内が! 返済額は変わらないのになぜ?「住宅ローン特有のルール」を解説
変動金利で住宅ローンを組んでいる人のもとに、年に2回の金利改定の通知が届き始めました。
 
日本銀行が2024年3月にマイナス金利政策を解除した影響で、それまで安定していた金利が少しずつ動き始めているようです。しかし、「住宅ローン金利は確かに上がっているはずなのに、支払額が変わっていない……」と疑問に思う人もいるかもしれません。
 
この状況には、住宅ローン特有のルールが関係しています。本記事では、これらのルールを分かりやすく解説し、金利が上がったときに備えるべき、具体的な対策について紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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金利上昇と返済額の関係

住宅ローン金利が0.15%上がったにもかかわらず、返済額が変わらないのは、変動金利型住宅ローンに適用される「5年ルール」と「125%ルール」という仕組みのおかげです。
 
このルールを採用している金融機関で住宅ローンを組んでいた場合に、適用されることになります。
 

5年ルールとは

変動金利型住宅ローンでは、金利が変動しても5年間は返済額が変わらないという仕組みがあります。この「5年ルール」によって、金利が急に上昇しても家計への影響を抑えられるのです。そのため、金利が0.15%上がった場合でも、当面の返済額は据え置かれます。
 

125%ルールとは

5年ごとの返済額の見直しにも、返済額が従来の125%を超えないようにするという仕組みがあります。これを「125%ルール」といい、急激に支払額が増えないようになっているのです。
 
つまり仮に、今後さらに金利が上昇した場合であっても、前回の返済額から大きく跳ね上がることはありません。これらのルールは、変動金利型住宅ローンを利用する際の重要なポイントで、借り手にとって安心できる材料となります。
 
ただし、5年ルールによって返済額が据え置かれている間に金利が上昇すると、支払われなかった「未払い利息」が積み上がってしまう可能性があります。
 
その場合、元金の減りが遅くなりますので、結果的に支払う利息が増えることになるのです。以上のルールについては、しっかり理解しておくと安心です。
 

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元利均等払いと元金均等払いの違い

住宅ローンの返済方法には主に「元利均等払い」と「元金均等払い」の2種類があり、それぞれ金利上昇時の影響が違います。それぞれの特徴は以下の通りです。
 

元利均等払い

支払額を固定して、その中で元金と利息の割合を調整する支払方法です。元利均等払いでは、5年ルールと125%ルールが適用されます。
 
そのため、金利が上がっても5年間は返済額に変動がありません。ただし、5年後の見直しのときに未払い利息があった場合、返済額が増える可能性があります。
 

元金均等払い

一定の元金に、利息を上乗せして支払う方法です。そのため、元金均等払いでは金利が上昇するとダイレクトに返済額に反映されるため、変動金利であっても、2つのルールは適用されません。
 
元金が早く減少する分、総返済額は少なくなる傾向がありますが、金利動向によって家計に影響が出やすい点がデメリットです。
 

金利上昇に備えるための具体的な対策

2つのルールが適用される人であれば、金利が上昇しても直ちに家計に影響が出るわけではありませんが、不安に思われる人もいるでしょう。金利が上昇した場合に備えて、今できる対策について紹介します。
 

1.繰上返済を検討する

余裕がある場合、繰上返済を行い、元金を減らすことでトータルの利息の負担を軽減できます。特に「5年ルール」の期間中に元金を減らしておくことで、未払い利息が積み上がるリスクが抑えられ、結果的に、返済総額を減らすことにもつながります。
 

2.固定金利への切り替えを考える

金利がさらに上昇すると予想される場合、変動金利から固定金利への切り替えも一案です。固定金利であれば、返済額が一定で家計管理がしやすくなり、契約内容によっては、長期的な安心感も得られるでしょう。
 
ただし、切り替えることでお得になるかどうかは、個々の状況によっても変わってきます。まずは、金融機関に相談してみることをおすすめします。
 

3.定期的に金利動向をチェックする

金利上昇の情報をいち早く把握するため、経済ニュースなどを定期的にチェックすることが大切です。金利が上昇し始めた場合、早めの対応が将来の負担を軽減するポイントになります。
 

4.専門家に相談する

住宅ローンの返済計画について不安がある場合は、ファイナンシャルプランナーや金融機関に相談し、自身の収支状況やライフプランに合った対策を提案してもらいましょう。専門家の視点から適切なアドバイスをもらえます。
 

まとめ

住宅ローン金利が上がっているのに、支払い額が変わっていない理由は、2つのルールが適用されているからです。
 
とはいえ、上昇した利息についての支払いから逃れられるわけではありません。未払い利息が発生した場合は、最後に全て支払う必要があるのです。そのため、将来的な金利上昇に備えた対策をとっておくことはとても大切です。
 
定期的に金利の動きをチェックしながら、繰上返済や固定金利への切り替えを視野に入れて、早めに行動することをおすすめします。しっかりと検討し、対策を取ることで、安心して返済を続けるための計画を立てられますよ。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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