親である私は「教育ローン」を利用し、息子には「奨学金」を借りてもらうか検討しています。そもそも2つも教育資金を借りられるのでしょうか?
配信日: 2025.01.08
執筆者:小山英斗(こやま ひでと)
CFP(日本FP協会認定会員)
1級FP技能士(資産設計提案業務)
住宅ローンアドバイザー、住宅建築コーディネーター
未来が見えるね研究所 代表
座右の銘:虚静恬淡
好きなもの:旅行、建築、カフェ、散歩、今ここ
人生100年時代、これまでの「学校で出て社会人になり家庭や家を持って定年そして老後」という単線的な考え方がなくなっていき、これからは多様な選択肢がある中で自分のやりたい人生を生涯通じてどう実現させていくかがますます大事になってきます。
「未来が見えるね研究所」では、多くの人と多くの未来を一緒に描いていきたいと思います。
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教育ローンと貸与型奨学金を同時に利用することは可能
結論からいえば、教育ローンと貸与型奨学金を同時に利用することは可能です。ただし、それぞれには利用条件がありますので、それらの条件を満たしていることが前提となります。
教育ローンは銀行などの金融機関、貸与型奨学金は日本学生支援機構や自治体などからの借り入れとなりますが、利用条件には例えば図表1のようなものがあります。
図表1
教育ローン | 貸与型奨学金 |
---|---|
・借り入れる人の年齢が20~65歳 ・前年度の税込み年収が200万円以上 ・指定の保証会社から保証を受けられる人 ・契約時に来店可能な人 ・日本国内在住の人 |
・学力基準が以下の(1)~(4)のいずれかに該当する学生 (1)高等学校または専修学校(高等課程)における学業成績が平均水準以上と認められる (2)特定の分野において特に優れた資質能力を有すると認められる (3)進学先の学校における学修に意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがあると認められる (4)高等学校卒業程度認定試験合格者であること ・家計基準 生計維持者の貸与額算定基準額が38万1500円以下※であること ※収入・所得の上限額の目安としては、3人家族世帯(親は給与所得者とその配偶者が無収入)の場合で1113万円 |
出典:(株)三井住友銀行「教育ローン」、(独)日本学生支援機構「第二種奨学金」より筆者作成
教育ローンと貸与型奨学金の違い
教育ローンと貸与型奨学金の大きな違いは、「誰が借主になるか」という点です。教育ローンは多くの場合、親が借り入れを行い、返済していきます。貸与型奨学金は、学生本人が借り入れを行い、返済していきます。その他にも、図表2のような特徴の違いがあります。
図表2
教育ローン | 貸与型奨学金 | |
---|---|---|
借主 | 多くの場合、親 | 学生本人 |
貸主 | 主に銀行などの金融機関 日本政策金融公庫が扱う国の教育ローン |
日本学生支援機構 地方自治体 民間団体など |
目的 | 教育関連資金や学資金 | 学費や生活費など学生本人が使うための費用 |
利息 | 使いみちの自由な一般のローンより比較的低金利 | 教育ローンと比べて低金利もしくは無利子 |
返済開始時期 | 借り入れ直後から始まることが多い | 卒業後 |
筆者作成
なお、金融機関などが提供する教育ローンは、社会人が自身の学び直しのために、学校に通う際などにも利用できます。
両方を同時に利用するに当たって注意すること
教育ローンと貸与型奨学金の両方を同時に利用する際には、総額が将来の返済能力を超えないように、慎重に計画を立てる必要があります。そのためには、 両方を借りた場合の月々の返済額や利息の総額をあらかじめ計算して、家計に負担がかかりすぎないか、確認することが大切です。
他の選択肢も検討しましょう
教育資金を準備するに当たり、経済的負担を軽減するために、教育ローンや貸与型奨学金の利用以外にも以下のようなものが利用できないか、検討するようにしましょう。
●返済不要の給付型奨学金の利用
●大学などで実施している学費免除や減免制度
また、学生本人も学業に支障が出ない範囲でアルバイトなどの収入を得ることができないか検討するとよいでしょう。
まとめ
教育ローンと貸与型奨学金は両方を同時に利用することは可能です。それぞれの違いや条件をよく理解し、家計全体の負担や将来の返済計画をよく考慮したうえで、適切な選択を行いましょう。
出典
株式会社三井住友銀行 教育ローン
独立行政法人日本学生支援機構 第二種奨学金(有利子で借りる)
独立行政法人日本学生支援機構 大学等で受ける第二種奨学金の家計基準(在学採用)
執筆者:小山英斗
CFP(日本FP協会認定会員)