奨学金を「400万円」借りていて、卒業後に返済が始まります。できるだけ早く返済したほうが得なのでしょうか?

配信日: 2025.02.27

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奨学金を「400万円」借りていて、卒業後に返済が始まります。できるだけ早く返済したほうが得なのでしょうか?
経済的な理由や家庭の事情により、奨学金制度を利用して大学や大学院などに進学した人も多いのではないでしょうか。学習意欲がある学生が進学を諦めずに済む制度ですが、卒業後に返済が開始します。
 
奨学金に利息が発生するのであれば、借入期間が長期化するほど金額もかさむため、可能であれば早期返済を行ったほうが負担を軽減できるでしょう。
 
本記事では、奨学金を400万円借りた場合に早期返済をするとどのようなメリットがあるのか、注意点などを解説します。現在、奨学金を借りている人は早期返済の必要性について、ぜひチェックしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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繰上げ返還にて奨学金の早期返済が可能

日本学生支援機構のうち、第一種奨学金は利息が発生せず毎月の返還額は元金分です。早期返済を行った場合、返還期間が短縮します。
 
利息が発生する第二種奨学金は、返還額の全額または一部を繰り上げて返済した場合、利息の負担軽減と返還期間の短縮が可能です。希望する繰り上げ金額または繰り上げ回数のいずれかを選択して手続きを進めましょう。
 
繰り上げ金額を選択した場合は、繰り上げ可能金額を計算後に金額を調整します。繰り上げ回数を選択した場合は繰上げた分に対して返還期間が短縮し、翌月以降の割賦額に減額はありません。
 
繰り上げ返還の手続きはインターネット(スカラネット・パーソナル)または郵送にて申請が可能です。なお、インターネットから繰り上げ返還を申し込む場合、スケジュールを確認してから手続きを進めてください。繰り上げ返還希望月に対して受付開始日が定められているからです。
 

早期返済によって利息の負担軽減が期待できる

奨学金の貸与総額が400万円、金利0.905%、返還期間20年の場合、日本学生支援機構の「奨学金貸与・返還シミュレーション」による返済総額は以下のとおりです。

●月賦返還:440万7680円
●月賦半年賦併用返還:440万8418円

すぐに奨学金の返済を行う、または長期化しないのであれば、400万円に対する約40万円の利息の支払いを軽減できるのでお得です。
 

奨学金を早期返済するメリット

奨学金の早期返済によって、無利子の第一種奨学金は返還期間の短縮が期待できます。有利子の第二種奨学金は、利息の支払いが少なくなることと返還期間の短縮が期待できます。
 
利息は借入残高と借入期間に対して発生する仕組みになっており、早期返済をした分だけ返済負担を軽減できるからです。奨学金を早期返済して借り入れが減れば「借金を返さなければならない」という思いから解放されますし、趣味やキャリアアップなどに使えるお金も増やせるでしょう。
 
また、奨学金を借りる際に、機関保証を選択して保証料を支払っている人は、返済完了後に繰上げ分相当の保証料の一部返金を受けられる可能性が高いです。
 

奨学金の早期完済によって自由に使えるお金の減少に注意が必要

少しでも奨学金の利息を減らしたい、返還期間を短縮したいがために早期返済を検討する際には注意が必要です。貯金をすべて使ってしまえば、早期返済後に自由に使えるお金がなくなります。体調不良やケガで働けない、失業するといった不測の事態が起きても生活費を用意するのが困難になるリスクも高いです。
 
奨学金の早期返済を検討するのであれば、自分の貯金額や今後のライフプランなども予測したうえで適切な金額にしましょう。
 

無理のない範囲で奨学金の早期返済を検討しよう

奨学金の借入金額は人それぞれに異なりますが、百万円以上になることは決して珍しくありません。高額借り入れだからこそ早く返済して精神的な負担を軽くしたいと考える人も多いでしょう。奨学金の早期返済によって、第一種奨学金なら返還期間の短縮、第二種奨学金なら加えて支払う利息の負担軽減を期待できるメリットがあります。
 
これらのメリットを考えたら早期返済はお得ですし可能な範囲内で取り入れたいところです。しかし、早期返済のために貯金を全額使ってしまえば、自由になるお金がなくなって生活が困窮するリスクを高めます。早期返済はあくまでも無理のない範囲内で適切な金額のみとするのが重要です。
 

出典

日本学生支援機構 2025年3月卒業者の繰り上げ返還について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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