住宅ローン「3500万円」でマイホームを購入予定ですが、最近金利が「0.5%」に上がったと聞き不安です。変動金利より「固定金利」にすべきでしょうか?
配信日: 2025.03.27

本記事では、変動金利が上昇すると返済額はどれくらい増えるのかを解説します。また、今後住宅ローンを組む際は固定金利にすべきかについても考えます。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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住宅ローンの変動金利とは?
住宅ローンの金利タイプには「固定金利」と「変動金利」があります。このうち変動金利とは、返済期間中に金利額が定期的に見直されるタイプの住宅ローンのことです。一般的に固定金利よりも金利が低く設定されていますが、将来的に金利が上昇すると返済額が増えるリスクがあります。
変動金利は日銀の「政策金利」に影響されます。したがって、今回の政策金利引き上げによって、今後金融機関で変動金利の見直しが行われる可能性があります。
一方の固定金利は、金利が一定期間または完済するまで変わらないタイプの住宅ローンです。変動金利よりも金利が高いですが、毎月の返済額が固定できます。
固定金利は日本の10年国債利回り、いわゆる「長期金利」に影響されます。長期金利が上昇すると固定金利も上昇しますが、返済期間中(固定期間中)はローンの金利が変動することはありません。
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2025年2月時点の住宅ローン金利の例
大手銀行の住宅ローン金利は現在どのくらいの水準なのでしょうか? 例として、2025年2月時点における、ある大手銀行の変動金利と固定金利を紹介します。
・変動金利:年0.375%~
・固定金利(全期間型、31~35年):年2.05%~
変動金利が最安0.375%と1%を切っている一方、固定金利は2.05%以上と大幅に高くなっています。今のところは変動金利のほうがお得だと言えるでしょう。
変動金利が0.25%上がると、返済額はいくら増える?
今回の日銀の決定で、政策金利は0.25%引き上げられました。仮に住宅ローンの変動金利が0.25%引き上げられた場合、どれくらい返済額は増えるでしょうか?
事例として、借入金額3500万円、元利均等返済で返済期間が35年の住宅ローンについて考えます。金利をさきほどの大手銀行の変動金利と同じ「年0.375%」とした場合と、0.25%引き上げた「年0.625%」とした場合の返済総額と月々の返済額を図表1にまとめました(端数切り捨て)。
図表1
返済総額 | 月々の返済額 | |
---|---|---|
金利0.375% | 3735万2365円 | 8万8934円 |
金利0.625% | 3897万6452円 | 9万2801円 |
CASIO 高精度計算サイト ローン返済(毎月払い)より筆者作成
0.25%の引き上げによって返済総額は「162万4087円」、月々の返済額は「3867円」増える計算です。
ちなみに、固定金利「年2.05%」の場合、返済総額は「4907万3384円」、月々の返済額は「11万6842円」となる計算です。変動金利0.375%の場合に比べて1000万円以上の差が出ます。
ただし、上記の計算はあくまでも35年間金利が一定であると想定したものです。実際には返済期間中5年ごとに金利が見直され、その都度返済総額は変わるので注意してください。
政策金利が上がっても固定金利のほうがお得とは限らない
変動金利が固定金利を上回ることがあるとすれば、それは日銀の政策金利が急激に引き上げられるような場合です。現在の水準ではまだ変動金利のほうがお得であると言えるでしょう。
ただし、日銀は日本が経済成長を続け2%程度の安定した物価上昇の見通しが実現すれば、引き続き政策金利を引き上げる方針だとも述べています。契約中に変動金利が上昇して固定金利を上回る可能性もゼロではないため、不安のある人は、住宅ローンを組む際はファイナンシャルプランナーなど専門家と相談して決めることもおすすめです。
出典
日本銀行 金融市場調節方針の変更について(2025年1月24日)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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