日銀の金利が0.5%になるって聞いたけど、住宅ローンも同じくらい高くなるの? 支払額はどのくらい変わる?
配信日: 2025.04.14

日本銀行は2025年1月の金融政策決定会合で、短期金利を従来の0.25%程度から0.5%程度に引き上げることを決定しました。利上げが再度行われることを想定し、「年内に再び追加利上げが行われる」と考える人も少なくないようです。
そんな中、住宅ローンの支払いに関して気になっている人もいるでしょう。住宅ローン金利が上がるとローン支払額が多くなるため、「早いうちに住宅を購入した方が安心」と思うかもしれません。
本記事では住宅ローン金利の動向について、知っておくといいポイントを解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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住宅ローン金利は今後上がるって本当?
日銀の政策金利が0.5%に上昇したことで、住宅ローン金利も上昇するとの見方があります。一般的に政策金利が上がると、住宅ローン金利も上がる傾向にあるからです。
住宅ローンには大きく、固定金利型(一定期間金利が変わらないタイプ)と変動金利型(金利がその都度変動するタイプ)があり、固定金利はさらに「固定金利期間選択型」「全期間固定金利型」に分かれます。
このうち「全期間固定金利型」は完済まで返済額が変わることはありませんが、「固定金利期間選択型」の金利は、一定期間経過後に10年物国債などの長期金利商品と連動し、変動金利型は1年物国債などの短期金利商品と連動する傾向にあります。
政策金利上昇によって短期金利や長期金利も上昇すれば、おのずと住宅ローン金利も上がる可能性が高いといえるでしょう。
もちろん各金融機関によって判断が異なるほか、国内外の状況によって影響を受けるため、タイミングや上げ幅・下げ幅について確実なことはいえません。
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住宅ローン金利が上がると支払額はどれくらい上がる?
ここからは、現在の住宅ローン金利の状況を踏まえつつ、今後金利が上がった場合にローン支払額へどのような影響があるか解説します。
主な住宅ローン金利の状況
一般財団法人「住宅金融普及協会」によると、全国の77金融機関における住宅ローン金利幅は表1の通りです(2025年4月現在)。
表1
金利の種類 | 金利 |
---|---|
変動金利 | 0.43%~4.195% |
固定金利5年 | 0.61%~4.72% |
固定金利10年 | 0.9%~4.7% |
固定金利20年 | 1.3%~6.48% |
固定金利35年 | 1.3%~5.8% |
出典:一般財団法人 住宅金融普及協会「住宅ローンの金利情報」を基に筆者作成
最低金利を見ると、変動金利は固定金利よりも低いことがうかがえます。もし変動金利が今後大きな上昇を見せなければ、最終的な支払総額は変動金利でローンを組んだ方が安くなる可能性があります。
金利が上がった場合のシミュレーション
住宅ローン金利上昇によって支払総額にどれくらい影響があるか、シミュレーションでご紹介します。日銀の政策金利上昇幅である0.25%前後が上がると仮定し、シミュレーションは以下の条件で行うものとします。
・ローンの借入額:3000万円
・借入年数:35年間
・金利:35年固定金利(フラット35)
・返済方式:元利均等
・ボーナス払い:なし
2025年4月現在のフラット35(21~35年)の最も多い金利は年1.94%です。
表2には、金利がそのまま変わらないケースと、0.16%上昇したケース(2.1%)、および0.31%上昇したケース(2.25%)を示しました。
表2
金利 | 毎月返済額 | 支払総額 |
---|---|---|
1.94% | 9万9000円 | 4136万円 |
2.1% | 10万1000円 | 4239万円 |
2.25% | 10万4000円 | 4338万円 |
※筆者作成
2025年3月現在の金利を適用した場合と、2.1%の場合では、支払総額に103万円の差が出ます。2.25%と比較すると202万円の差です。
わずか0.16%の上昇でも、借入額や借入期間によっては大きな差額が表れます。固定金利であれ変動金利であれ、金利上昇による支払いリスクを慎重にシミュレーションすることが大切です。
住宅ローン金利は上がる可能性が高い
住宅ローン金利は、短期金利や長期金利の影響を少なからず受けやすいと考えられます。また変動型ローンの金利には日本銀行の政策金利も関係するでしょう。
政策金利については2025年1月に0.5%への引き上げが決定され、今後さらに追加利上げが行われるかもしれません。それによって住宅ローン金利が上昇する可能性も高いです。
出典
日本銀行 2025年1月金融政策決定会合での決定内容
一般財団法人 住宅金融普及協会 住宅ローンの金利情報
住宅金融支援機構 【フラット35】
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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