住宅ローン“変動金利”が「0.5%→1.0%」に上昇! 残高3500万円で“総返済額280万円”以上増えるなら、固定金利のほうがいい? 今後も金利は上がり続けるのでしょうか?
昨今は金利が上昇傾向ですが、例えば残高3500万円の住宅ローンで金利が0.5%から1.0%に上がると、毎月の返済額はどれくらい増えるのでしょうか。また、このまま金利が上がる可能性はあるのか、固定金利に借り換えるべきか迷う人も多いでしょう。
本記事では、金利上昇による住宅ローン返済額の変化を具体的な数字で確認しながら、固定金利への借り換えを検討すべきかについて解説します。
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
目次
変動金利と固定金利の違い
住宅ローンには大きく分けて、変動金利と固定金利があります。変動金利は、市場金利の動きに応じて金利が一定期間ごとに見直される仕組みです。一般的には、変動金利は固定金利よりも金利が低く設定されているため、借入当初の返済額を抑えやすいというメリットがあります。
ただ、変動金利には将来的に金利が上昇すると返済額が増えるリスクがあります。今後の金利動向によっては負担が増える可能性も否定できません。
一方、固定金利は、借入時に決めた金利が返済終了まで変わらない仕組みです。返済額が一定で将来の見通しを立てやすい反面、変動金利よりも金利は高めに設定される傾向があります。
金利0.5%→1.0%で返済額はどれくらい増える?
続いて、金利の上昇がどれくらい住宅ローンの返済額に影響を及ぼすのか、具体的な数字で見てみましょう。
・ローン残高:3500万円
・返済期間:30年
・返済方式:元利均等
この条件で試算すると、金利が0.5%と1.0%で毎月返済額と総返済額は次の通りです。
・金利0.5%:毎月返済額 約10万4716円/総返済額 約3769万7760円
・金利1.0%:毎月返済額 約11万2573円/総返済額 約4052万6280円
つまり、金利が0.5%上昇するだけで、返済額は毎月約7857円、年間では約9万4000円増加します。そして、総返済額では約280万円以上の差になります。わずかな金利差でも長期間では大きな負担の差になると言えるでしょう。
今後さらに金利が上がるとどうなる?
今後の金利動向については、専門家でも断定することはできません。ただし、仮にさらに金利が上昇した場合、返済額は段階的に増えていく可能性があります。
例えば、1.5%や2.0%といった水準まで上昇すれば、毎月の返済額はさらに増加し、家計への影響も無視できなくなるでしょう。なお、変動金利では金融機関や返済方式によって、「5年ルール」や「125%ルール」で金利上昇による負担に猶予や上限が設けられている場合もあります。
ただし、全てのローンに共通するわけではないため、契約内容の確認が必要です。また、その場合でも総返済額が増えるリスク自体は避けられません。
それでも「すぐ固定」が正解とは限らない理由
「金利が上がるなら、すぐに固定にしたほうがいいのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。
現在でも変動金利は固定金利より低い水準にあります。変動金利の利率が上がったと言っても、基本的には現在の変動金利と一昔前の固定金利を比べると、固定金利のほうがいまだに高い傾向にあります。
つまり、現時点で固定金利に切り替えると、今でも相対的に低い変動金利のメリットを手放すことになります。
このため、「金利が上がるかもしれない」という理由だけで安易に固定へ借り換えると、結果的に総支払額が増える可能性もあります。とは言え、将来的には変動金利がより高くなる可能性も考慮しておくべきでしょう。
固定金利に借り換えたほうが良い人・やめたほうが良い人
固定金利への借り換えが向いているのは、将来の返済額が増えるリスクをできるだけ避けたい人です。多少現在の返済額が増えたとしても、「将来さらに増えるかも」という不安を避けたい場合、返済額の安定性を重視する選択が有効です。
一方で、ある程度の収入余力があり、金利上昇による負担増にも対応できる人は、引き続き変動金利を選択することで、低金利のメリットを享受できる可能性があります。また、借り換えには手数料や諸費用がかかるため、そのコストも含めて総合的に判断することが重要です。
まとめ
住宅ローンの金利が0.5%から1.0%に上昇すると、毎月の返済額も上がります。ただし、今後の金利動向は不確実であり、「すぐに固定に借り換えれば安心」と単純に言えるものではありません。現在の変動金利の低さというメリットも考慮する必要があります。
重要なのは、自分の家計がどの程度の金利上昇に耐えられるかを把握したうえで、リスクを取るか、安定を取るかを判断することです。
焦って結論を出すのではなく、冷静にシミュレーションを行いながら、自分に合った選択をすることが大切です。
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
