住宅ローン3000万円を「変動金利1.0%・固定金利2.6%」で迷ってます。夫は「貯金少ないから固定」と言いますが、変動金利のほうが“低くて得”ではないですか? 総返済額も比較
場合によっては、夫は「貯金が少ないから固定で安定させるべき」と考える一方、妻は「変動で負担を軽くするべき」と、夫婦で意見が分かれることもあるかもしれません。
金利タイプは、総返済額だけでなく、家計の状況や将来の見通しなどによって、適した選択が異なります。本記事では、金利タイプごとの特徴と向いている人の違いを整理し、どのように判断すべきかを解説します。
FP2級、日商簿記3級、管理栄養士
金利の差によって総返済額はどのくらい違う?
一般的に、変動金利は固定金利に比べて低く設定されており、当初の返済額を抑えやすいという特徴があります。
金利は、金融機関や借入条件によって異なりますが、ここでは一例として、変動1.0%と固定2.6%で、金利による影響額を簡単に試算してみましょう。3000万円を35年で借りた場合、計算結果は次の通りです。
・変動1.0%:総返済額約3560万円(※この金額から、金利の状況によって増減あり)
・固定2.6%:総返済額約4570万円
金額差は、約1000万円です。このように、金利差は小さく見えても、長期間で見ると数百万円単位の差につながります。
金利タイプ別に向いている人の特徴は?
一見すると、変動金利のほうが総返済額は少なく、有利に見えるかもしれません。しかし、住宅ローンは金額だけではなく、「どのような人に向いているか」を併せて考えることが重要です。
住宅金融支援機構では、金利タイプごとに向いている人の特徴が、次のように示されています。変動金利が向いているのは、次のようなケースです。
・金利上昇による返済額の増加に対応できる
例:家計に余裕がある、資産に余力がある
・今後支出の減少が見込まれる
例:自動車ローンや奨学金の返済が終わる予定がある
・返済期間が短い
例:返済期間が短く、金利上昇の影響を受けにくい
一方、固定金利が向いているのは、次のようなケースです。
・金利上昇による返済増に対応しにくい
例:貯蓄が少ない、家計に余裕がない
・将来的な支出増が見込まれる
例:子どもの教育費など、今後の支出が増える予定がある
・返済額を確定させておきたい
例:長期間、金利変動を気にせず生活したい
このように、金利タイプは、家計の状況や将来の見通しによって、適した選択が異なります。
貯金が少ない場合は固定金利が良い?
貯金が少ない状態では、金利上昇による返済額の増加に対応しにくく、家計への影響が大きくなりがちです。一般的には、返済額が変わらない固定金利のほうが適していると考えられます。
今回のケースでは、貯金が少なく、子どもが1人いるため、将来に備えた準備も考えると、固定金利を選ぶことは1つの考え方といえるでしょう。
ただし、固定金利は当初の返済額が高くなるため、無理のない水準かどうかの確認が欠かせません。返済額が高すぎると、生活費や教育費を圧迫し、家計の余裕を失う可能性があります。固定金利で借り入れる場合、家計全体のバランスを崩さないことを前提に、借入額や返済期間を決めましょう。
金利タイプは返済額だけではなく総合的に判断しよう
住宅ローンは、返済額だけではなく、自分がどの程度のリスクを許容できるかを加味して選ぶことが必要です。一般的には、変動金利は、金利上昇に耐えられる余裕がある人に向いており、貯金が少ない場合は返済額が安定する固定金利を選ぶほうが安心といえます。
ただし、固定金利でも返済額が家計に対して、無理のない範囲に収まっているかの確認は重要です。金利タイプだけで決めるのではなく、借入金額や借入期間、貯蓄額や将来の支出などを総合的に判断し、無理のない住宅ローンを組みましょう。
執筆者 : 東雲悠太
FP2級、日商簿記3級、管理栄養士