大学生の息子から「留年する、300万円貸して!」と連絡が…どうやら「奨学金の一括返済」を求められたようですが、留年すると返還は“待ってもらえない”のですか? 親が代わりに払うべきでしょうか?

配信日:
この記事は約 4 分で読めます。
大学生の息子から「留年する、300万円貸して!」と連絡が…どうやら「奨学金の一括返済」を求められたようですが、留年すると返還は“待ってもらえない”のですか? 親が代わりに払うべきでしょうか?
奨学金で大学に行っている息子から、突然「300万円貸して!」と泣きつかれました。理由を聞くと、留年が決まって奨学金の一括返済を求められているらしく……親が代わりに払うしかないのでしょうか?
 
奨学金を借りている子どもが留年した場合、単に卒業が遅れるだけでなく、金銭的なペナルティが課される可能性があります。本記事では、留年による奨学金一括返済の真偽と、連帯保証人である親の責任、そして落ち着いて対処するためのステップを解説します。
高橋祐太

2級ファイナンシャルプランナー技能士

「留年で300万の一括返済」の正体は? 種類で異なるペナルティ

「留年したから300万円を今すぐ払えと言われた!」という息子の言葉ですが、これは利用している奨学金の種類によって「勘違い」か「事実」かが大きく分かれます。
 

貸与型(借りる奨学金)の場合:総額を見てパニックになった「勘違い」の可能性

日本学生支援機構(JASSO)の一般的な貸与型奨学金の場合、留年すると奨学金の振り込みは「廃止(打ち切り)」となります。ただし、その後に進級した場合は再び奨学金の申込は可能ですが、支給期間は修業年限までとなります(留年期間を除く)。
 
奨学金が「廃止(打ち切り)」となれば、返済しなければいけなくなりますが、学生であれば在学猶予の手続きをすることで、卒業まで返済を先延ばしにすることができます。
 
おそらく、自宅に届いた「これまで借りた総額(約300万円)」と「返済に関する通知」を見て、息子が「今すぐ全額を一括で払わなければならない」と早とちりしてパニックになっている可能性が高いです。まず通知書の内容を落ち着いて確認することが大切です。
 

給付型(もらえる奨学金)の場合:本当に「一括返還」の可能性あり

もし息子が返済不要の「給付型奨学金(高等教育の修学支援新制度)」を利用していた場合は注意が必要です。
 
留年の理由が「取得単位数がゼロ」や「出席日数が極端に少ない」といった著しい学業不振であった場合、ペナルティとして「これまで受け取った奨学金の全額一括返還」を命じられるルールがあります。また、大学独自の奨学金や民間財団の奨学金でも、留年した時点で一括返済を求める規約になっているケースがあります。
 

親は逃げられない?「連帯保証人」の責任

「子どもが借りたのだから、親は払わなくていいのでは?」と思いたいところですが、契約時に親が「連帯保証人」のサインをしている場合、そうはいきません。
 
連帯保証人は、法的に借りた本人(息子)と同じ返済義務を負います。一括返還の命令が出て息子が払えなければ、親が代わりに支払う必要があり、放置すれば親の給与や財産が差し押さえられる事態になりかねません。
 
また、貸与型の月々返済であっても、奨学金が打ち切られた状態で「追加の1年分の学費」を払いながら「奨学金の返済」も同時に始まるため、親の家計への負担は相当なものになります。
 

慌てて300万円貸す前に! 親が取るべき3つの行動

息子のSOSを受けて、あわてて貯金を崩したりカードローンでお金を借りたりするのはいったん待ちましょう。まずは以下のステップで冷静に対処することが大切です。
 

通知書を直接確認する

息子の言葉をそのまま信じるのではなく、JASSOや学校から届いた書類を親の目で確認してください。「貸与型か給付型か」「総額の通知か、本当に一括返還の命令か」を読み解くことが最初の一歩です。
 

在学猶予・一般猶予の申請で返済を先延ばしにする

貸与型が廃止されて返済が始まる場合でも、在学中であれば「在学猶予」、経済的に困難な場合は「一般猶予(返還期限猶予)」を申請することで、一時的に返済をストップできます。JASSOのWebサイトから手続きできるため、早めに確認しましょう。
 

不足する学費と今後の生活について話し合う

進級すれば再び貸与奨学金に申込が可能とはいえ、奨学金が打ち切られると、残りの大学生活にかかる学費が全額自己負担になる可能性を考えておく必要があります。この分を親が補うのか、息子がアルバイトで賄うのか。留年という結果に対してどう責任を取るかを、家族で話し合う必要があります。
 

まとめ

奨学金を利用しての留年は、単に卒業が延びるだけでなく、奨学金の打ち切りや返済の前倒し、最悪の場合は給付された金額の一括返還という事態を引き起こします。
 
まずは親が連帯保証人として返済義務を負っていることを確認し、通知書の内容を冷静に読み解き、猶予制度などの救済措置を活用して対処しましょう。子どものSOSを受けてすぐに現金を用意するのではなく、制度を正しく理解した上で判断することが、家計を守ることにつながります。
 

出典

文部科学省 高等教育の修学支援新制度
独立行政法人日本学生支援機構 返還を待ってもらう(返還期限猶予)
 
執筆者 : 高橋祐太
2級ファイナンシャルプランナー技能士

  • line
  • hatebu

LINE