フラット35が「金利1%→4%」になっても「NISAで投資して長期で返す」のがお得? 返済総額“2000万円増”でも、NISA活用で返済が有利なワケとは…借入額「3000万円」のケースで解説
そして「返済を急ぐよりも、時間をかけて少しずつ返済し、余剰資金をNISAに回していたほうがお得」ということもよく言われますが、金利が4%にまで上昇すると、状況はどうなるでしょうか。具体的な金額に基づいてシミュレーションします。
FP2級、AFP
目次
フラット35で、金利が1%→4%になると、返済総額は2000万円増!
まずは、住宅ローン3000万円を金利1%、フラット35(長期固定金利住宅ローン)で35年間かけて返済する場合を考えます。
元利均等返済(毎月の元金+利息の額が一定)で、計算を分かりやすくするためにボーナス払いなしと考えると、毎月の返済額は8万5000円で、元金+利息の総額は3557万円となります。
一方、同じ条件で金利が4%となった場合は、毎月の返済額が13万3000円で、元金+利息の総額は5579万円と、元金の2倍近くになります。
つまり、金利が1%から4%に増えると、総返済額は2022万円も増えることになるのです。
総返済額は増えても、住宅ローン控除はわずかしか変わらない
続いて、住宅ローン控除の額もシミュレーションしてみましょう。
金利1%で、年収600万円、扶養家族は2人、19歳未満の子どもがいると仮定し、長期優良住宅・低炭素住宅で、新築の場合とします。
このケースでは住宅ローン控除の合計額は219万3000円となります。よって、保証料などを除いて考えると、住宅ローン返済の実質負担はおよそ3338万円です。
同じ条件で、金利4%の場合、住宅ローン控除の合計額は244万7000円となります。よって、住宅ローン返済の実質負担はおよそ5334万円です。
住宅ローン控除も加味すると、実質負担は金利1%のときと4%のときで約1996万円異なる、という結果になりましたが、総返済額の差に対して住宅ローン控除の増額幅はわずかであることが分かります。
金利が4%になっても、NISAで投資しながら長く返済するほうがお得になる可能性も
金利が1%から4%にまで高くなれば、早めに返済し終えたほうがお得と思う人も多いでしょう。
ここからは金利4%の場合に、30年で返済し終えるケースと、毎月の返済額を抑え、余剰資金はNISAに回しつつ35年をかけて返済するケースを比較します。
金利4%で30年かけて返済する場合、毎月の返済額は14万4000円で、総返済額は5157万円となります。住宅ローン控除の合計額は235万8000円で、実質の総返済額はおよそ4921万円です。金利4%で35年かけて返済する場合より、住宅ローン控除後の実質負担は約413万円安くなることが分かります。
それでは、35年かけて返済した場合の毎月の負担額13万3000円と、30年かけて返済した場合の毎月の負担額14万4000円の差額、月1万1000円を30年間、NISAで投資した場合はどうでしょう。年6%の利回りで投資すると、30年後には1100万円になります。
30年返済と35年返済を比べた場合の、住宅ローン控除後の実質負担の差額である約413万円を上回るので、今回の試算上はNISAも活用しながら35年かけて返済したほうが、結果的に有利になる可能性があります。
住宅ローン金利と投資の利回りの差が小さくなると、特に投資商品の暴落に注意
ただ、年6%の利回りが今後数十年にわたって続くとは限りません。住宅ローン金利よりも投資の利回りが下回ることもありえます。暴落に備えて生活防衛資金を確保したり、場合によっては繰り上げ返済を視野に入れたりすることを考えておきましょう。
執筆者 : 中村まほ
FP2級、AFP

