住宅ローン「固定金利1.0%×10年」で“返済総額3557万円”の予定が、銀行の「11年目から年2.3%」の通知に青ざめ…残り25年で“416万円”増えますが「借り換え・繰り上げ返済」どちらが良いですか?
当初の10年だけ金利を固定した住宅ローンは、その10年が終わると、その時点の金利で残りを組み直します。その結果、返済額が変わってきます。月々の増え方は1万円台の場合でも、残りが25年あると総額では数百万円の差になります。
ここでは、3000万円を35年・年1.0%で借りた人を例に、増える額を計算式で確かめ、借り換えと繰り上げ返済のどちらが効くのかを比べます。
2級ファイナンシャルプランナー技能士
固定期間が終わると、そのときの金利で組み直される
全国銀行協会は、固定金利期間選択型について、固定期間が終わったあとは、その時点の金利水準で変動金利型にするか、再び固定期間を選択するかを選ぶことができると説明しています。
裏を返すと、選べるのは金利のタイプだけで、上がった金利そのものを断ることはできません。返済を続けるかぎり、11年目からは新しい金利で計算し直された額を払うことになります。
総額はいくら増えるのか
3000万円を35年・年1.0%の元利均等で借りたとき、月々の返済は8万4686円です。10年で120回払い終えたあとの残高は約2247万円になります。この残高を残り25年、年2.3%で返すと、月々は9万8559円になる計算です。
・9万8559円-8万4686円=1万3873円(月に増える額)
・8万4686円×120回=1016万2320円(最初の10年で払った額)
・9万8559円×300回=2956万7700円(残り25年で払う額)
・1016万2320円+2956万7700円=3973万20円(実際の総返済額)
・3973万20円-3556万8120円=416万1900円(借りたときの見込みからの増加)
月では1万円台が、25年間を足すと400万円を超えます。
変動金利のような上限はない
全国銀行協会によると、変動金利の元利均等返済には、返済額の見直しを通常5年ごとにする扱いと、増えるとしても直前の返済額の25%アップまでとする扱いがあります。毎月の返済額が急に増えると家計に大きな負担がかかることを防ぐための仕組みです。
ただし、返済額が据え置かれる代わりに、利息が返済額を上回ると未払利息が生じることがあります。
固定期間選択型には、この5年間の据え置きも1.25倍の上限もありません。固定期間が終わった時点で新しい金利がそのまま反映されるため、月1万3873円の増加が一度に乗ります。
借り換えと繰り上げ返済を比べる
残高2247万円を、年1.9%の全期間固定へ25年で借り換えた場合を見てみましょう。
・9万4153円×300回=2824万5900円
・2956万7700円-2824万5900円=132万1800円(減る額)
次に、年2.3%のまま100万円を繰り上げ返済し、期間を短くする方法を見てみます。この場合、残りは約23年7ヶ月に縮みます。
・2956万7700円-2881万9802円=74万7898円(繰り上げた100万円を含めて比べた減り方)
借り換えのほうが減らせる額は多いですが、借り換えには保証料や事務手数料、登記の費用がかかり、新たな審査も必要です。費用は数十万円になることもあるため、減る額から差し引いて比べる必要があります。費用は銀行によって差があるので、見積もりを2つ3つ取ってから決めるとよいでしょう。
まとめ
当初の期間だけ金利を固定した住宅ローンは、期間が終わるとその時点の金利で組み直されます。変動金利のような5年据え置きや1.25倍の上限がないため、上がった分はそのまま月々の返済に乗ります。
3000万円を年1.0%で10年返したあと、残り25年が年2.3%になると、総返済額は借りたときの見込みより416万1900円増える計算です。通知が届いたら、借り換えの見積もりと繰り上げ返済の効果を並べ、手数料を差し引いた上で比べてみてはいかがでしょうか。
執筆者 : 高橋祐太
2級ファイナンシャルプランナー技能士
