更新日: 2020.07.03 住宅ローン
手持ち資金があっても、ローンを組む人が増えているワケ
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
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住宅ローン控除を活かす
住宅購入を決めた30代後半の夫婦。2千万円のローンを組むか否かで迷っているそうです。本来なら、全額現金で払えるだけの資金があるのになぜ? 理由は住宅ローン控除にあります。住宅ローン控除とは、年末におけるローン残高の1%が税金から控除されるというものです。
<住宅ローン控除の控除率>
- 一般の場合
居住年=平成26年4月から平成31年6月
控除期間=10年
ローン残高限度額=4000万円
控除率=1% - 認定住宅の場合
居住年=平成26年4月から平成31年6月
控除期間=10年
ローン残高限度額=5000万円
控除率=1%
借入金額2千万円 返済期間35年 利率0.7%のローンを組んだ場合、毎月の返済額は約53,700円になります。借入れ1年後のローン残高の1%は約19万円です。
この金額は毎年減っていきますが、10年間は控除されます。1%より低い金利で借入れることが出来れば、諸費用を考慮しても有利では?と考えて、この手法を活用する人が増えてきたようです。
住宅を購入する時期は、教育資金が必要な時期と重なる場合が多いということも、影響しています。
なるべく現金を手元に残しておきたいというニーズに合致しています。また手元に残した資金を運用し、10年間で増やしていくことも考えられます。
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控除が終わる10年後には一括返済を
この手法を利用して控除額を増やすには、なるべく返済期間を長く設定する必要があります。
一方、10年後には繰り上げ返済をすることが大切です。もちろん10年後には事情が変わって、ライフプランを変更しなければならないことも考えられますが、できるだけ早期の返済を心がけてください。
余裕資金があると、ついつい無駄遣いしがちです。全部使ってしまって、老後資金の準備が間に合わないとならないように気を付けて欲しいと思います。基本的には10年後には、残債を一括返済することを目指しましょう。
また10年以内でも、金利が上昇した場合は、繰り上げ返済を検討しなければなりません。その場合に備えて、無理のない範囲で手元資金の活用をすることが肝心です。
Text:宮﨑 真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
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