執筆者: 髙宮幸代
国家資格・キャリアコンサルティング技能士、日本キャリア開発協会 CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)、日本イーラーニングコンソシアム e-Learning チューター、青山学院ヒューマン・イノベーション・コンサルティング(株)キャリア開発事業部 特任研究員
すべての人が幸せに働ける社会をめざす、キャリアコンサルタントです。外資系IT企業で事務職として働き、社会人留学で米国の大学を卒業。卒業後、IT企業で技術職に従事。
その後、大学でeラーニングの学習支援やキャリアコンサルタントとして大学生の就活支援や社会人の学び直しを支援し、幅広いキャリア開発に繋げるキャリアコンサルティングを実施しています。
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転職活動をする上で確認しておきたいのは、必要書類の作成方法です。
本記事では看護師転職を目指す人に、履歴書の書き方を解説します。
看護師転職に限らない?履歴書作成のコツ
まず、履歴書を作成する前に8つのコツを確認しておきましょう。履歴書のサイズはA4
履歴書は4サイズが基本です。見開きではA3サイズになります。
B5サイズの履歴書は志望動機やPR記入欄などのスペースが小さいので、きちんとアピールするならA4サイズを選びましょう。
また、履歴書の規格に関してもJIS規格と自由形式の2種類があります。
JIS規格は国内の履歴書の参考例にも使われるタイプで、自由形式にはさまざまなフォーマットがあります。どちらを選んだら良いかわからない場合はJIS規格を選ぶと良いでしょう。
基本的に手書き
履歴書は手書きが基本です。黒のボールペンを使用してください。
応募先によっては「自筆」もしくは「パソコン作成」を指定する場合があるので、応募先に合わせましょう。
日付は面接日か投函日
履歴書の日付は書いた日ではなく面接日を記入します。また、郵送する際は投函日でも構いません。
年号は統一し、住所は都道府県から書く
年号は和暦または西暦で統一しましょう。生年月日は西暦で学歴は和暦にする、というような書き方は避けてください。
また、住所は北海道や東京都、大阪府、福岡県などすべての欄で都道府県から書くのが基本です。
学校名や企業名は正式名称で書く
学歴・職歴を書くときは学校名や企業名は省略せず正式名称で書きます。免許や資格の名称も正式な形式で記入します。
表記に気をつける
看護師の履歴書は表記に特徴があります。
<応募先>
病院なら「貴院」 法人なら「貴社」<職歴欄>
入職・退職 勤務・退職ミスをしても修正テープを使わない
履歴書を手書きするとミスすることも多いです。しかし、ミスをしても修正テープを使ってはいけません。二重線での訂正も避け、新しく書き直しましょう。
一度見本をパソコンなどで作成して、それを新しい履歴書に書き写すことをおすすめします。
空欄を作らない
履歴書の項目はすべて埋めます。志望動機やPR記入欄もきちんと書いてください。本人希望欄などに書くことが思いつかない場合は「貴院(貴社)の規定に従います」と書いても構いません。
履歴書作成で知っておきたいポイント
履歴書作成では、自己PRや志望動機、趣味・特技を工夫して書きましょう。自己PR
病院や法人が採用したくなる自己PRを書きます。過去の実績を記入してアピールしましょう。長所や短所を書く場合は、長所を現場でどう生かしているか、短所をどのように補い努力しているかを書いてください。
志望動機
志望動機では、次の3つのポイントを書きます。なぜ転職するのか
キャリア形成が目的など前向きな理由を書きます。前職の批判と取られるようなことを書くのは避けてください。応募先として選んだ理由
応募先として選んだ理由は履歴書を書くうえで大切なポイントです。
ポイント
- ★さまざまな症例や臨床を介し、レベルアップしたい
- ★専門分野の臨床経験を積みたい
- ★地域密着型の病院で患者とのコミュニケーションを重視したい
- ★高齢者介護や高齢者医療に興味がある
など、病院や施設の特徴に合わせて「ほかの病院ではなく貴院(貴社)だから就業したい」という点をしっかりアピールしましょう。
今後どのように活躍したいか
今後どのように活躍したいかは、応募先として選んだ理由と絡めながら記入します。
自分が今まで培ってきたスキルや知識を「応募先でこのように生かす」という内容にしながら書いてみましょう。
趣味・特技
趣味や特技は、自分が本当に興味をもって関わっていることを書きます。ありきたりなことを書いてしまうと、面接で尋ねられた際にうまく答えられず印象を悪くする可能性が考えられます。
スポーツや読書、映画鑑賞などジャンルが異なっても「月〇冊読みます」や「〇〇サークルに所属しています」など、具体的な例を挙げると面接の相手が人となりを判断しやすくなり、転職希望者に興味をもってもらえます。
履歴書を書いた後に確認しておきたいポイント
履歴書作成は書いた後の確認も大切です。4つのポイントが盛り込まれているかチェックしてください。志望動機、過去実績などに数字を入れているのか
担当した患者数や病院・施設の規模を紹介するときに、具体的な数字を入れましょう。数字を書くことで履歴書を読む人に視覚的にアピールができます。
箇条書きを利用しているか
文字の羅列が続くだけの履歴書は読みづらさを感じさせます。特に自己PR欄などは箇条書きも利用して要点を明確にしましょう。箇条書きは1つのテーマに対して、長くても3行以内に収めてください。
記入欄の7〜8割まで書いているか
自由に書ける記入欄の文章量は、7〜8割程度まで書くようにしてください。
自己PRや志望動機に空白が目立ってしまうのは良くありません。ただし、空白がなくビッシリ文字を書くと読みづらい履歴書になってしまうため、2〜3割の空白は作れると良いでしょう。
誤字脱字はないか?
最後に誤字脱字がないかや、意味不明な日本語になっていないことをチェックします。きちんとした文章になっていないと、履歴書を読む人に不安を与えてしまうため、間違いがないかの確認は重要です。
自分が書いた文章を声に出したり、時間を置いて読み返したりして確認することがおすすめです。
まとめ
履歴書を書くときは、作成のコツを押さえてから書き始めると良いでしょう。また、自己PR、志望動機、趣味・特技には自分をアピールできる内容で仕上げます。書いた後に確認しておきたいポイントもチェックして、丁寧な履歴書を作りましょう。