執筆者: 髙宮幸代
看護師は普段はスーツを着ていないため、転職活動をするときに、「どんな服装で面接に行けば良いの?」と悩む方も多いのではないでしょうか。面接は転職活動の合否を決める大事な場なので、絶対に失敗したくないものです。今回は看護師の転職活動を成功させるために、面接時にふさわしい服装について解説していきます。
目次
社会人にとっての身だしなみとは
面接を突破するためにも、第一印象は大切です。その決め手となるのが服装、髪型などです。看護師はナースウェアや白衣を着ていますが、社会人であることには変わりありません。面接に臨むときにも、社会人としてふさわしい服装を心がけるようにしましょう。
人は中身が大切とはいっても、見た目も大切です。なぜなら、きちんとした身だしなみは、ビジネススキルでもあるからです。身だしなみは社会人としての品性や人間性の表れと考え、きちんと整えるようにしましょう。
清潔感を意識する
人と一緒に仕事をする以上、周りの人に清潔感が伝わるような服装を意識しましょう。清潔感のある人は、相手に好感を ってもらえます。逆に、服にしわがよっていたり汚れていたりと不潔な身なりをしていると、周りに不快感を与えてしまいます。それでは、社会人として失格と言わざるを得ません。それは、看護師に限らず、どのような職種の人にも当てはまることです。
相手に敬意を払う
きちんとした服装はお会いする人に対する敬意の表れです。換言すれば、同じ時間をともに過ごす人たちへの誠意や感謝の気持ちともいえるでしょう。特に、転職活動の面接や職場訪問では、転職先の方々が自分のために時間を作ってくださっているという意識を持つことが大切です。そのような感謝の気持ちを忘れずに、場にふさわしい装いで臨むようにしましょう。
面接時の服装【女性編】
実際に、面接で好印象を持ってもらうために、どのような服装をしていけばよいのでしょうか。女性編から、解説していきます。
スーツが鉄則
面接ではスーツが無難です。スーツは黒・紺・グレーなど落ち着いた色が基本です。スカートは膝丈くらいの長さのものを着用しましょう。座ったときに膝上が見えるような過度に短すぎるものや、丈が長すぎるデザインのものは控えてください。また、パンツスーツでも大丈夫です。ただし、服装が指定されている場合はそちらの指示に従うようにしましょう。
インナーは白のワイシャツ
スーツの下のワイシャツ・ブラウスは清潔感のある白が基本です。アイロンをしっかりとかけておくこと。ボータイ、派手なデザインやカラーのシャツは控えた方が無難です。
靴
シンプルな黒のローヒールがおすすめです。ヒールの高さは3~5cmが無難。必ずベージュのストッキングを着用しましょう。黒のヒールがない場合には、紺やベージュ程度ならよいです。コサージュやリボンなどの飾りがついていないシンプルなデザインがおすすめです。
ピンヒール、ブーツ、スニーカー、サンダルやミュールなどは避けましょう。また、靴の底がすり減っていたり、傷や汚れが目立ったりする場合には、きれいな状態にしておくように心がけてください。
髪や爪
髪が長い人は清潔に見えるように束ねましょう。その際、ヘアアクセサリーは避けた方がよいです。また、髪の色は華美な印象にならないように、落ち着いた色にすることも大切です。転職先に髪の色の規定がないか、調べておくと安心です。
爪も短くきれいに切りそろえておきましょう。マニキュアを塗っている人は、面接時には必ず拭き取っておくこと。
バッグ
A4サイズの書類がゆったりと入る程度の大きさのバッグを持っていくようにしましょう。重要書類をさっと取り出せるようなものが理想です。色は黒や紺がよいです。おしゃれ用の小ぶりのミニバッグなどは避けましょう。
女性はナチュラルメイク
おしゃれを楽しむためのメイクではなく、健康的に見えるナチュラルメイクを心がけましょう。特に、派手なアイシャドウやまつげエクステンションは控えた方がよいです。
面接時の服装【男性編】
次に、男性が面接に臨む場合のふさわしい服装とはどのようなものなのかについて解説していきます。
スーツ
色は紺やグレーが基本です。スーツはきちんとプレスされているかを確認すること。パンツにはしっかりと折り目をつけておきましょう。
白のワイシャツとネクタイ
ワイシャツは白が基本です。首周りのサイズが合っているものを選ぶようにしましょう。また、襟ぐりが汚れていないかを確認し、アイロンもしっかりとかけておくこと。ネクタイは派手な色柄は避け、シンプルなデザインがおすすめです。襟の形に合わせて結ぶとよいです。
靴
靴は黒のシンプルなデザインのものがおすすめです。靴の汚れをしっかりと落とし、磨いておきましょう。靴下はスーツの色に合わせて、黒・紺色を選び、パンツの裾から肌が見えない程度の長さのものを履くようにしてください。
バッグ
A4サイズの書類がゆったりと入る程度の大きさのバッグを持ちましょう。色は黒か紺など落ち着いたもので、シンプルなデザインがよいです。ブランドのロゴ・柄入りのバッグやリュックサックは避けましょう。
ひげに注意
ひげはしっかりとそっておきましょう。ひげのそり残しがあると、面接官に不潔な印象を与えてしまいかねません。また、髪の毛もむやみに伸ばしたり、派手な髪型をしたりするのは好ましくないです。
スーツはどこで購入すればよいのか
面接で着用するスーツは、「リクルートスーツ」「ビジネススーツ」と考えればよいです。このようなスーツの購入先として考えられるのは以下の通り。
●Amazonや楽天市場などのインターネットショッピング
●ユニクロ、洋服の青山などの量販店
●イオンやイトーヨーカドーなどの大型スーパー
●百貨店
●オーダースーツ
好みによって、購入先は多種多様。リクルートスーツ・ビジネススーツなので、きちんと見えることが大切です。したがって、ネットショッピングで購入するのはあまりおすすめできません。試着できないため、自分の体にフィットしたものかどうかが確認できないからです。
できるだけお店に行って、試着をした上で購入するようにしましょう。どのようなスーツを購入してよいのか分からないときは、お店の人に相談し、選んでもらうのもよいです。
Q&A こんな場合はどうする?
面接には常識的な服装で臨めば大丈夫ですが、場合によっては迷うこともあるでしょう。そのような状況をピックアップしてみましたので、いざというときには参考にしてください。
「平服でお越しください」と書かれていた場合
「平服」とは「普段着、日常着」の意味ではありません。また、「スーツを着てこなくても良いですよ」と言われているわけでもないです。このような場合には、通常の面接通りスーツを着用していきましょう。間違っても、遊びに行くような格好をしていかないようにしてください。
「動きやすい服装で着てください」と言われた場合
「動きやすい服装」はジャージやスウェットなどを指すのではありません。このような指示があった場合は、オフィスカジュアルな装いでよいでしょう。
女性なら襟付きの白のブラウスに、黒か紺色のスラックスなど。男性なら、襟付きのワイシャツにチノパンツなどの装いが無難でしょう。ただし、派手な柄入りのものは避けましょう。
正社員ではなく、パート・アルバイトの面接の場合
パートやアルバイトとして応募する場合にも、正社員の面接と同じように考えましょう。基本的に、スーツを着用するようにしてください。パートやアルバイトだからと言って、カーディガンを着用して面接に臨んでいると、礼儀を知らない人とみなされかねません。
Web面接の場合
Web面接を受ける場合の服装は、基本的には対面の面接と同じです。画面に上半身しか映らないからといって、いい加減なスカートやパンツを着用しないほうがいいでしょう。
また、Web面接では背景にも気を配る必要があります。ごちゃごちゃとした場所ではなく、すっきりとした環境で行うようにしましょう。
看護師の転職活動の面接にふさわしい服装のポイント
今回は看護師の転職活動を成功させるために、面接にふさわしい服装のポイントについて解説しました。服装は「清潔感」を意識して、社会人として常識のある装いを心がけましょう。
それが、好印象につながり、良い結果に結びついていきます。あとは、自信を持って明るい表情と素直な姿勢で面接に臨むことを心がけましょう。
参考情報
(日本看護協会 p55)
(大阪ハローワーク)
(東京ハローワーク)
監修:髙宮幸代
・キャリアコンサルティング技能士、日本キャリア開発協会 CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)、日本イーラーニングコンソシアム e-Learning チューター、青山学院ヒューマン・イノベーション・コンサルティング(株)キャリア開発事業部 特任研究員
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