看護師の給料事情を徹底解説します!平均や働く場所による違いも紹介 |ファイナンシャルフィールド

看護師の給料事情を徹底解説します!平均や働く場所による違いも紹介

終更新日: 2020.12.07 公開日: 2020.12.06

戸谷恵理

執筆者: 戸谷恵理

国家資格キャリアコンサルタント、第一種衛生管理者 ACCN会員、キャリアコンサルティング協議会所属
大手人材派遣業界にて7年3ヶ月 キャリア相談4000人以上 職業訓練校の就職支援キャリアコンサルタント 公的機関でのキャリアコンサルティング、就労支援 キャリアコンサルタント養成講座のサブ講師 新卒・中途の採用代行としても各企業のご支援   人事労務管理知識も生かしたご相談業務  
看護師の給料は、一般的に高いと考えられていますが、本当でしょうか?

実際、他の人がどの程度給料をもらっているのかを知ることは難しいかもしれません。

今回は、看護師の給料にはどのような特徴があるのか、看護師の給料は本当に他に比べて高いのか、また看護師が今よりも高い給料を手に入れるためにどのようなことができるのかについてご説明します。

看護師の給料には特徴があります

実は看護師は他の職種と異なる事情があり、その特殊事情が給与に反映されます。まずはその特殊な事情についてご説明します。

所定外給与(諸手当)が多い

看護師の給与は、他の職種に比べて所定外給与、つまり諸手当が多いという特徴があります。それは職業柄夜勤や残業が多いことと関係しています。つまり手元に入る給与の総額のうち、夜勤手当・残業手当が占める割合が多いということです。それぞれ簡単に説明します。

・時間外勤務給:超過勤務、時間外勤務、残業などに対する手当のこと。1ヶ月45時間までは25%増しですが、超過すると割増率が上がります。

・休日勤務割増給:法律で定められた休日に勤務すると、時間給単価の35%増しの給与が支払われます。

・深夜勤務給:午後10時から午前5時まで、夜間に勤務すると時間外勤務給の25%増しの給与が支払われます。

別の見方をすれば、その分基本給が占める割合が少ないとも言えます。

交代勤務の処遇がある

特に病院で働く看護師は、交代勤務に対する手当が支給されることがあります。これは、勤務時間がたびたび変わる身体的ストレスや短時間で患者さんの把握を必要とする精神的ストレスなど、さまざまな負荷に対する配慮で、病院によっては、夜勤手当とは別に、看護師の勤務状況を反映し交代勤務の手当があるところがあります。

看護師の給料は本当に高いのか?

世間一般では看護師は高収入と思われているようですが、本当のところはどうなんでしょうか?

看護師の給料事情:実はそれほど給料は高くない

先に用語の説明を補足しておくと、給料とは基本給のことで、給与とは基本給+手当を意味します。つまり看護師の給与は手当の割合が大きく、給料(基本給)の割合は小さいということになります。

そして看護師は、給料だけ見ると他の業種とあまり変わりはありません。

日本看護協会による「2018年 病院看護実態調査」によると、大卒新人看護師の基本給平均値は20.6万円でした。

一方、厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」によると、大卒者の平均初任給は21万円でした。

つまり新卒者の基本給だけ見ると、看護師の給料が高いとは必ずしも言えないことがわかります。

ただ看護師の場合は、これに諸手当がつくため、給与総額としては高くなると言えます。

看護師の給料事情:ボーナスが影響を受ける

ボーナス(賞与)は、通常基本給の2ヶ月分、3ヶ月分などのように、基本給を元に計算されます。したがって、基本給が少なめに設定されている看護師は、毎月支払われる給与が諸手当の影響を受けて多くなったとしても、ボーナスは少なめになってしまう傾向があります。

看護師の給料事情:昇給額が多くない

また、看護師の基本給は勤続年数を経てもなかなか上がらない特徴があります。

先の看護協会の調査では、10年勤続した看護師の平均基本給は24.4万円でした。実は、一般的に女性の平均基本給も10年勤務して同額程度ですので、これは看護師の特徴的というよりは、女性が多い看護職の置かれた状況を反映している可能性があります。

     

看護師の給料を上げるためにできること

なかなか上がらない看護師の給料(基本給)を上げるための工夫を紹介します。

資格を取る

看護師はそもそも国家資格であり、専門性の高い資格です。しかし、さらに給料を上げたい場合は、認定看護師や専門看護師、特定行為看護師の資格を取ることをお勧めします。

また、看護師の資格を生かした他業種の資格も選択肢に加えてください。例えば高齢者への対応を意識した高齢者ストレスカウンセラー、認知症ケア専門士などの資格は、看護師の資格にプラスアルファとなる資格です。または、企業での保健師として勤務するための産業カウンセラー資格も最近需要が高まっています。すでに自分の興味が定まっている場合は、関連する資格を探してみると良いでしょう。

昇進する

同じ職場で働き続けるのであれば、昇進を目指すことで給料アップが望めます。そのためには、管理職を目指すことです。ただし、現在の業務にがんばって取り組むうちに認められて管理職になることは自然な流れですが、給料アップのために管理職を目指すと、管理職の仕事の内容に魅力を見いだせないかもしれません。

転職する

基本給の高い職場に転職することも給料アップの方法です。これは働く地域や働き方を変えることで達成できるものです。ただし基本給が上がると手当が下がり、結果的に給与が下がることもありますので、注意が必要です。転職サイトで仕事を探すときは、給料(基本給)だけでなく、手当の支給についてもよく確認しましょう。

給料は職場選びのひとつの基準です

給料の良しあしは大事なことです。でも同時に給料は、あくまでも仕事を選ぶひとつの基準です。看護職は、給料以外にも苦しむ人の助けになるというやりがいがありますので、給料だけで職場を判断するのではなく、総合的に自分にあった職場選びを考えてみると良いでしょう。

出典
日本看護協会「2018年 病院看護実態調査」
厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」

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