更新日: 2019.01.10 その他資産運用

老後への貯蓄、自分年金を作るための投資先を考えるポイントはリスクヘッジ!

執筆者 : 小山英斗

老後への貯蓄、自分年金を作るための投資先を考えるポイントはリスクヘッジ!
最近頻繁に目にするキーワード「人生100年時代」。長生きできることは幸せなことですが、それと同時に、長期にわたって生きていくための糧を得たり、環境の変化にも備えなくてはなりません。

たとえ蓄えがわずかでも、若くて元気なうちは体が一番の資本と言えるかもしれません。しかし、老後は年金やそれまでの貯蓄が備えとなります。

その「老後の備え」は、長い人生に耐えうるものでしょうか? 働く以外で糧を得るための、「自分年金」について考えてみたいと思います。

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小山英斗

Text:小山英斗(こやま ひでと)

CFP(日本FP協会認定会員)

1級FP技能士(資産設計提案業務)
住宅ローンアドバイザー、住宅建築コーディネーター
未来が見えるね研究所 代表
座右の銘:虚静恬淡
好きなもの:旅行、建築、カフェ、散歩、今ここ

人生100年時代、これまでの「学校で出て社会人になり家庭や家を持って定年そして老後」という単線的な考え方がなくなっていき、これからは多様な選択肢がある中で自分のやりたい人生を生涯通じてどう実現させていくかがますます大事になってきます。

「未来が見えるね研究所」では、多くの人と多くの未来を一緒に描いていきたいと思います。
https://miraiken.amebaownd.com/

日本の家計貯蓄状況

総務省統計局が公表している2017年の家計調査によると、2人以上の世帯の商品別貯蓄割合は以下の通りです。
 
■普通預金:24.2%
■定期預貯金:39.3%
■生命保険など:20.8%
■有価証券:13.6%
■その他:2.0%
※総務省統計局「2017年家計調査」
 
「貯蓄から投資へ」と言われていても、有価証券(株式や債券・投資信託)などの投資割合は13%ちょっと。普通預金、定期預金の貯蓄割合は、合わせて6割を超えています。一方、米国は日本と対照的で、日本銀行公表の「資金循環の日米欧比較」によると、現金預金が13%ちょっと、有価証券が5割強です。
 
米国の5割強までとはいかなくても、まだまだ投資割合が1割強の日本では、「貯蓄から投資」の実現はまだまだ遠いようですね。
 
金融庁の「平成29年2月家計金融資産説明資料」によると、1995年からの20年間で投資リターンによる金融資産の増加は、日本が約1.2倍なのに対して、米国はその倍の約2.3倍となりました。これは、貯蓄割合がもたらした1つの結果なのかもしれません。
 
また、同資料によれば、勤労所得と財産所得(投資から得られる所得)の比は、米国の3:1(所得の25%が投資から)に対して、日本では8:1。つまり、米国では働いて得るお金以外に、自分年金の備えが投資により実現されていると言えます。
 

投資に対するリスクを抑えるための手段

米国の結果をみて、投資さえすればいいのかというと、そうではありません。投資では必ずしも利益が出るとは限らず、損失を被るリスクもあるからです。
 
しかし、そのリスクを抑えるための1つの手段として「時間」があります。
 

※図1 金融庁「家計金融資産の現状分析」
 
上図も先の金融庁の「家計金融資産説明資料」からですが、毎月国内外の株式・債券に分散投資した場合、投資額が5年間ではマイナスになることもあるが、20年間ではプラスという試算結果が出ています。今年から始まったつみたてNISAの非課税保有期間が20年であるのも、これをもとにしているようです。
 
人生100年時代。長生きできる分、時間を味方につけることができます。老後でも20年、30年という期間があります。社会人になって早いうちから投資を始めることで、その運用期間は60年以上にもなります。毎月の貯蓄にはさまざまな目的があると思います。しかし、その中でも、老後の自分年金のために貯蓄するには、早いうちからの投資が有効かと思います。
 

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自分年金を作るための投資先

では、自分年金の投資先としては何がいいでしょうか? さまざまな考え方があるかと思いますが、私の考える投資先としては米国株があります。
 
私たちは日本に住んでいて、働いて得るお金は日本円です。国からもらえる年金も日本円です。また、日本証券業協会の「個人投資家の証券投資に関する意識調査」によれば、投資対象も日本国内の株式が一番多いようです。生命保険についても、日本円での契約が多いかと思います。
 
しかし、近年の日本ではあまり起きなかったことですが、日本円のみだと、インフレや為替が円安になった場合などに、生活費が上がるなどの影響が出ることがあります。
 
そのため、自分年金は円だけで作るのではなく、ドルで配当を得られるような米国株を、超長期で積み立てていくのも1つの手段かと思います。
 
ドルで配当を受け取れる米国株の1つに、米国高配当株「ETF」があります。個別株よりもETFと呼ばれる上場投資信託の方が複数の会社への投資となりリスク分散が図れます。今では証券会社からさまざまなサービスが提供されていて、そのようなETFも積み立てがしやすくなっています。
 
ETFを定期的に買い付けるサービスを提供する証券会社もありますが、1注文あたりの約定(購入)手数料に注意する必要があります。例えば、あるネット証券の手数料は以下の通りです。
 
約定代金の0.45%(税込0.486%)
最低手数料:5ドル(税込5.4ドル)
上限手数料:20ドル(税込21.6ドル)
 
これはつまり約1110ドル分以下の購入までは、どんなに少なく購入しても手数料が最低手数料の税込み5.4ドルかかります。対して約4444ドル分以上の購入の場合、どんなに多く購入しても手数料は上限手数料の税込み21.6ドルです。これは「少額な投資だとその額に対しての手数料が割高になる」ということです。
 
例えば100ドル分のETFを購入すると1回の手数料は最低手数料の5.4ドル。100ドルずつ毎日ETFを5000ドル分になるまで購入していくと手数料合計は270ドルにもなります。これに対して5000ドル分のドル資金が貯まってから一度にETF購入するとかかる手数料は上限手数料の21.6ドルです。
 
同じ5000ドル分のETFを購入するのにその買い方で手数料がだいぶ違いが出るというわけです。
 
ドル建てETFを買い付けるため、円からある程度まとまったドル資金を用意するには「円預金からのドル自動積み立て」を利用するのがいいでしょう。「円預金からのドル自動積み立て」はネット銀行などが安い為替手数料で提供していて少額から始めることができます。米国株を持つことで生まれる為替リスクは、この方法であれば、為替変動に対する時間分散にもなりえます。
 
早くにコツコツ投資を始めることで、将来の配当も増えていきます。配当を受け取るときに税金がかかりますが、ここであえて配当を受け取るETFを選ぶのは、働いて得るお金以外にも得られるお金があることを早くから体験していただきたいからです。
 
また、受け取った配当を再投資すれば、もっと資産は増えていくと思います。
 
将来、国の年金からの円だけでなく、自分年金として米国株からの配当をドルで受け取り、インフレなどの環境変化にも耐えうる「生活の備え」にするのはいかがでしょうか?
 
参考資料:
総務省統計局 2017年 家計調査
家計調査報告(貯蓄・負債編) -平成29年(2017年)平均結果- (二人以上の世帯)
日本銀行「資金循環の日米欧比較」
日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査」  
 
Text:小山 英斗(こやま ひでと)
CFP(日本FP協会認定会員)

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