2019.01.10 老後

サラリーマンが定年退職したあとの健康保険の3つの選択肢

2013年に「高齢者等の雇用安定に関する法律(高年齢者雇用安定法)」が改正されたことによって、定年退職を65歳未満の年齢に定めている企業では、65歳までの雇用を確保するため、「定年の引き上げ」「継続雇用制度の導入」「定年の定めの廃止」のいずれかの措置を会社の制度として導入することが義務付けられています。
 
そういった中、大手にも定年を65歳に引き上げる企業が出てきました。将来は、定年が70歳という時代になるかもしれません。
 
しかし、いくら定年退職する年齢が引き上げられたとしても、定年退職をする日はだれにでもやってきます。定年退職すると、退職金にかかる税金に関する手続きや健康保険、雇用保険など、お金に関するさまざまな手続きをする必要があります。
 
今回は、勤務先で加入する健康保険についておさらいし、退職したことでその資格を失ったあと、どのようにしたら良いかを考えてみたいと思います。
 

健康保険についてのおさらい

健康保険とは、あらかじめ決められた保険料を払っておいて、病気やケガをした場合に、医療給付を受けることができる保険です。
 
日本においては、国民全員の加入が必要ですが、職業などで加入先が異なります。ここでは、主な健康保険について確認してみましょう。
 
■全国健康保険協会(協会けんぽ)
中小企業などで働く従業員や、その家族が加入している健康保険で、全国健康保険協会が運営しているものです。この協会が運営する健康保険の愛称を「協会けんぽ」と言います。
 
■組合管掌健康保険(健保組合)
単独の企業または同業種で複数の企業が共同して設立する健康保険組合が保険者となり、主に大企業の従業員とその家族が対象となります。
 
■国民健康保険(国保)
自営業者やフリーター、職業についていない人とその家族を対象とする保険制度になります。国民健康保険を運営するのは、市区町村(保険者)です。手続きは市区町村役場の国民健康保険窓口で行います。
 

退職して資格を失ったあとの、健康保険「3つの選択肢」

■退職前に加入していた健康保険を任意継続する
退職前に加入していた健保組合や全国健康保険協会(協会けんぽ)に、引き続き最長2年間加入することができます。
 
ただし、任意継続の場合は保険料が全額自己負担になりますので、基本的に、それまで負担していた保険料の2倍になります。会社に勤務していたときは、保険料の半分を会社が負担していたので、その分が増えることにご注意ください。
 
また、保険料の上限があり、ご自分の「標準報酬月額」が28万円を超える場合は、28万円の標準報酬月額をベースに計算した保険料となります。手続きは、退職日の翌日から20日以内です。期日に遅れると継続できなくなるので、特に注意しましょう。
 
■国民健康保険に加入する
現在の住まいがある、市区町村で加入することができます。国民健康保険は、退職前の所得水準が反映されるので、1年目は保険料が高くなる傾向があります。一般に、上記の任意継続のほうが、負担が少なくてすむと言われています。
 
しかし、保険料は前年の所得や世帯人数などに応じて市区町村が独自に算出するので、居住地などの条件によっては、安くすむ場合もあります。詳しくは、住んでいる市区町村に確認しましょう。
 
■会社員の配偶者や、子供の勤め先の健康保険の被扶養者になる
毎月納める保険料がゼロになるのは、このケースだけです。金銭的な負担という観点からは最も有利になります。ただし、年金などを含めて年収180万円未満など、各健保で定めている扶養条件がありますので、確認が必要です。
 
参考・出典:
厚生労働省ホームページ「高年齢者雇用安定法の改正~「継続雇用制度」の対象者を労使協定で限定できる仕組みの廃止~」
全国健康保険協会ホームページ
 
Text:堀江佳久(ほりえ よしひさ)
ファイナンシャル・プランナー
 
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堀江佳久

執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。



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