更新日: 2021.05.06 介護

高級老人ホームはどんな暮らしができる? いくらかかる?

執筆者 : 小久保輝司

高級老人ホームはどんな暮らしができる? いくらかかる?
人生100年といわれる時代になり、令和2年には日本の高齢者人口(65歳以上)は3600万人を、100歳以上の人口は8万人を超えました(※1)。
 
そういった時代背景もあり、老後を老人ホームで過ごす人も増えてきています。老人ホームにはさまざまなタイプがありますが、その中でも今回は「高級老人ホーム」を取り上げたいと思います。
小久保輝司

執筆者:小久保輝司(こくぼ てるし)

幸プランナー 代表

30数年の営業経験と金融・経済の知識をマッチング納得いくまでお話しさせていただきます。

有料老人ホームとは

老人ホームにはいくつかの種類があり、ニーズの拡大に応じて件数が増加しているのが、「有料老人ホーム」です。
 
「有料老人ホーム」とは、民間事業者が運営しているもので、老人の健康保持と生活の安定に必要であるとして、福祉を図る目的で認められ、都道府県知事などへ届け出されたものです。
 
「有料老人ホーム」の定義は、(1)食事の提供(2)介護の提供(入浴・排せつ・食事)(3)洗濯・掃除などの家事の供与(4)健康管理の4つのサービスのうち、いずれかのサービス(複数可)を提供している施設のことをいいます。
 
高齢者人口の増加に伴い、有料老人ホームは平成30年度で施設数約1.3万軒、入居者数約51万人と急増しています(※2)。
 

有料老人ホームの種類は

有料老人ホームには、次の3つのタイプがあります。
 

(1)介護付有料老人ホーム
介護などのサービスのついた高齢者向けの居住施設で、介護が必要になっても、ホームが提供する介護サービスを利用しながらホームでの生活を継続できるタイプ
 

(2)住宅型有料老人ホーム
生活支援などのサービスのついた高齢者向けの居住施設で、介護が必要となった場合、入居者自身の選択により、地域の訪問介護などの介護サービスを利用しながら、ホームでの生活を継続することが可能なタイプ
 

(3)健康型有料老人ホーム
食事などのサービスのついた高齢者向けの居住施設で、介護が必要となった場合には、契約を解除し退去しなければならないタイプ
 
一口に有料老人ホームといっても、その内容やサービスには違いがあります。従って、自分自身の健康状態や、子供や親戚との距離、例えば緑が多く静かな避暑地といった環境面など、いろいろなことを考え、希望に合った老人ホームを探すことが大切になります。
 

高級老人ホームとは

よく耳にする「高級老人ホーム」というものに明確な定義はありませんが、一般的には有料老人ホームのうち、次のような条件を備えた老人ホームを指します。

(1)立地条件もよく、施設の外観・内装がきれいで個室になっている
(2)スタッフへの教育が充実し、サービスが行き届いている
(3)食事は複数のメニューから選択でき、内容が豪華になっている
(4)看護師が24時間駐在するなど、介護・医療サービスが行き届いている
(5)趣味が楽しめるなど、娯楽設備が充実している               など

高級老人ホームでは、重厚な建物でスタッフのサービスが行き届き、豪華な食事ができるなど一流ホテル並みの仕様と、充実した介護・医療のサービスがセットになっており、快適な暮らしが可能になります。
 

高級老人ホーム、いくらかかるの

高級老人ホームにかかる費用は、主に入居一時金と月額利用料の2つがあります。「入居一時金」は、施設によって幅がありますが、数千万円から1億円以上というところもあります。
 
その入居一時金の支払い方法は、全部前払い、一部前払い、月払いの3つの方法があります。また「月額利用料」は部屋の大きさや、入居一時金などによっても変わりますが、中には数百万円というところもあります。
 

高級老人ホームの注意点は

高級老人ホームへの入居を考える際は、以下のような点に注意が必要です。

(1)入居時・入居中に必要な、長期的・安定的な資金を準備する必要がある。
 
(2)経営母体の倒産リスクにそなえ、財務状況を定期的にチェックする必要がある。
 
(3)施設の対応や、入居者との付き合いの問題がある。       など

また、有料老人ホームの急増に伴い、トラブルも増えています。その相談内容の上位は(1)契約・解除の問題(2)価格・料金の問題(3)接客対応の問題となっています。
 

まとめ

費用の高さから、高根の花とされる高級老人ホームですが、興味がある場合は、敬遠せずに一度見学に行ってみるのも良いかもしれません。
 
生活のパターンというのは人それぞれで、時代とともに変わってきてもいます。生活の選択肢の一つとして、ついのすみかを高級老人ホームに、と考えてみるのも楽しいことではないでしょうか。
 
出典
(※1)総務省「統計からみた我が国の高齢者」
(※2) 公益社団法人全国有料老人ホーム協会「1 有料老人ホーム事業と老人福祉法」
※ 厚生労働省「有料老人ホームの概要」

 
執筆者:小久保輝司
幸プランナー 代表