更新日: 2021.05.07 セカンドライフ
ライフイベントにはどのくらいの費用がかかるの?(その2)
今回は老後におけるセカンドライフはどのくらいの期間を目安にすればよいのか関連するデータを見ていきます。
執筆者:小山英斗(こやま ひでと)
CFP(日本FP協会認定会員)
1級FP技能士(資産設計提案業務)
住宅ローンアドバイザー、住宅建築コーディネーター
未来が見えるね研究所 代表
座右の銘:虚静恬淡
好きなもの:旅行、建築、カフェ、散歩、今ここ
人生100年時代、これまでの「学校で出て社会人になり家庭や家を持って定年そして老後」という単線的な考え方がなくなっていき、これからは多様な選択肢がある中で自分のやりたい人生を生涯通じてどう実現させていくかがますます大事になってきます。
「未来が見えるね研究所」では、多くの人と多くの未来を一緒に描いていきたいと思います。
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セカンドライフに関連するデータ
厚生労働省が発表した令和元年簡易生命表によれば日本人の平均寿命は(0歳の平均余命)は男性が81.41歳(前年から0.16上昇)、女性が87.45歳(同0.13上昇)となったようです。
今から約半世紀前の1970年(昭和45年)は男性が69.31歳、女性が74.66歳(昭和45年当時の完全生命表より)だったので、およそ50年で平均寿命は約12歳も延びたことになります。定年を65歳としても、そこから20年程度のセカンドライフを意識する必要がありそうです。
健康寿命を知りましょう
年齢でいうと、もう1つの年齢の見方があります。それは健康寿命です。健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。
そのため平均寿命と健康寿命の差は「何かしらの健康上の問題で日常生活が制限される可能性のある期間」となります。次のグラフは平均寿命と健康寿命の推移です。
出典:厚生労働省 「第11回健康日本21(第二次)推進専門委員会 資料1-1」
2016年(平成28年)時点で、男性と女性の平均寿命と健康寿命の差は以下のようになっています。
※厚生労働省 「第11回健康日本21(第二次)推進専門委員会 資料1-1」より筆者作成
70歳を超えたあたりから日常生活が制限されるような健康上の問題が起きてくる可能性が高まることが予想されます。また、日常生活が制限された状態が場合によっては10年程度の期間発生することも予期しておいた方がよさそうです。
寿命中位数を知りましょう
寿命中位数とは「生命表上で、出生者のうちちょうど半数が存在すると期待される年数」のことをいいます。2019年では男性84.36年、女性90.24年となっています。平均寿命を男女ともにさらに3歳近く上回っています。
セカンドライフにおける3つの年齢を確認しましょう
これまで見てきたデータの各基準年には若干違いがありますが、確認できた3つの年齢をまとめてみます。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
健康寿命 | 約72歳 | 約75歳 |
平均寿命 | 約81歳 | 約87歳 |
半数の人が生存していると 期待される年齢 |
約84歳 | 約90歳 |
※筆者作成
女性では約半数の人が90歳を超えて長生きすることが期待されます。人生100年時代というのも決して大げさな表現ではないことが分かります。
まとめ
長期化するセカンドライフを安心して楽しく過ごすためには、資金面においても長期的な計画が必要です。
セカンドライフのライフプランニングが難しいところの1つに、実際に寿命をいつ迎えるのかが分からず、資産をどのくらいまで維持していけばよいのか計りづらい点があるかと思います。
それでも健康寿命や平均寿命などを参考にすることで、元気なうちに思いっきり趣味を実現するためのお金の準備や、介護にかかる費用の見込みを立てることは可能かと思います。
今回セカンドライフのおおよその期間が見えてきたところで、次回はセカンドライフの家計に関するデータなどを見ていきます。
出典
厚生労働省 令和元年簡易生命表の概況 1 主な年齢の平均余命
公益財団法人 生命保険文化センター 健康寿命とはどのようなもの?
厚生労働省 第11回健康日本21(第二次)推進専門委員会 資料1-1
厚生労働省 令和元年簡易生命表の概況 2 寿命中位数等生命表上の生存状況
執筆者:小山英斗
CFP(日本FP協会認定会員)