更新日: 2021.06.17 その他老後
高齢者の働き方改革! 2021年4月から70歳まで就業機会が確保される?
今回は、高齢者の働き方改革ともいうべき高年齢者雇用安定法の改正について見ていきます。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
そもそも高年齢者雇用安定法って何?
まずは前提知識として高年齢者雇用安定法という法律について知っておきましょう。高年齢者雇用安定法とは、高齢者の雇用の機会の増加と安定を図り、高齢化の進む日本経済の発展を目指すための法律です。
過去、定年が60歳から65歳に引き上げられたのは2013年にこの法律が改正されたことによるものであり、本法は高齢者の働き方に大きな影響を与える法律になります。
2021年4月からは70歳まで働ける職場が増える?
2021年4月からはこれまで以上に70歳まで働ける環境を整える職場が増えていくことになります。
なぜなら、2021年4月からは改正された高年齢者雇用安定法により、事業主は70歳まで雇用を継続することが努力義務として求められるようになったからです。これにより、現在65歳まで再雇用や定年の延長を実施してきた事業主は徐々に再雇用や定年の延長を70歳まで実施していくことが想定されます。
しかし、この70歳までの就業機会の確保はあくまでも努力義務であり、努力すること自体は義務付けられているものの、必ずしも70歳まで雇用を継続しなければならないというわけではありません。現在の職場によっては70歳まで雇用が延長されない可能性もあることに注意してください。
しかしながら、現在の職場では70歳とならなくとも、他に70歳まで雇用が継続される企業が増えれば結果的に就業の機会が増えることになります。
70歳まで働く上で注意点は?
70歳まで働く上で注意したいことは雇用条件が変化する可能性のあることと、年金への影響といった点があります。それぞれ具体的に確認していきます。
雇用条件が変化する
多くの企業において定年後の再雇用や雇用の継続、新規で高齢者を雇用するにあたって、定年前とは業務内容や範囲が変化したり、給与額の減少といったことが生じます。つまり、現役時代と全く同じように働くというのは難しいのです。この点は、70歳まで雇用が継続されたとしても同様になることが予想されます。
年金に影響する
現在厚生年金は70歳まで加入できるようになっており、フルタイムやそれに近い働き方をしていると、本来厚生年金を受給できる年齢なのに厚生年金に加入し保険料を払い続けなければならないといった現象が起こり得ます。
また、収入によっては在職老齢年金の制度によって年金の受給額が減少してしまったり、繰り下げ受給による増加効果が一部見込めなくなったりするなど、デメリットとなり得る部分も存在しています。
高齢者の活躍の場はどんどん増えていく
2021年4月に改正された高年齢者雇用安定法によって今後は70歳まで雇用を続ける企業が増えていき、高齢者の活躍の場がどんどん増えていくことが予想されます。
定年が近い高齢者の方はもちろん、現在若手で定年まで十分時間のある方も、70歳になるまで働ける環境が用意されているということを考慮し、今一度将来や今後の働き方について考えてみてはいかがでしょうか。
執筆者:柘植輝
行政書士