そろそろ夫が定年に。どうする妻!?
配信日: 2021.06.18
リコ活(離婚に向けた活動)にならないためにも、筆者の体験談を交えながら、リスク回避を考えます。
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。
まずは居場所の確保から
「定年後の生き方」に関する指南書を見かけることがありますが、大抵は定年を迎える本人に向けてのもので、一般的には“男性向け”といえます。
では、定年夫のパートナーである妻の生活はいかがでしょう。
会社員であった夫が一日中家にいることになります。それまでは、特に専業主婦の場合、昼間は妻にとってキッチンやリビングはもちろん、家中が自分の居場所ともいえる生活を送っています。
食事の心配ばかりでなく、自分の居場所が狭くなることを想像すると、余計に息苦しくなる予感がします。散らかったリビングの片づけに追われることもイライラにつながってしまうかもしれません。
筆者は3LDKのマンションに暮らしています。これまであまり使っていなかった一部屋を、自分の部屋にしようと筆者自身は画策しています。
まずは荷物の整理です。進まなかった断捨離も、目標が定まると急にヤル気が起こります。粗大ごみとして、ゴルフバッグ、ホットカーペット、スーツケースを処分することにしました。
区の受付センターに申し込み、回収を依頼中です。費用はそれぞれ300円、800円、300円のシールをコンビニで購入して品物に添付します。メルカリなどに出品してリサイクルするというのも一案ですが、どれも古いモノなので、さっさと片付けてスッキリさせることを優先しました。
本や資料の整理をして本棚にすべてが収まれば第1段階終了、第2段階はレイアウトの変更、第3段階は気分転換を兼ねてインテリアを変えること、という具合に今後の計画をしています。自分の部屋が片付いていたら、リビングが少々乱れていても憤慨する回数が減るのでは、と期待しています。
自分時間の確保も大切
筆者が通っているジムには、リタイアした夫と暮らす妻たちが多く在籍しています。ご夫婦で太極拳のレッスンを受ける方、奥さまがヒップホップで汗を流すかたわらでマシントレーニングされているご主人、という例もありますが、筆者が通うジムではこれは少数派です。妻がジムに通う間、夫はお留守番のケースが多いようです。筆者は、この距離感がうまくいくヒントだと考えます。
ジム通い、つまり適度に運動することは、健康寿命を延ばすうえで有効とされています。特に、毎週決まったプログラムに参加することは、規則正しい生活リズムを作ります。体を動かすことだけでなく、エアロビクスやヒップホップなどは、ステップを覚えることにより脳活にもなります。
また、なじみのメンバーができると雑談の機会が増えます。今は時節柄「おしゃべり厳禁」ですが、口コミ情報の収集にも役立ちます。
定期的に用事を作り積極的に出掛けるなどして、夫と妻が別行動の時間を確保することは、夫婦にとって大切なことなのかもしれません。
では、リタイア後の生活はどのようなものか、コロナ影響前の2019年度「家計調査」から教養娯楽費に限定して、現役世帯と比較してみました。
(出典:e-Stat「家計調査」2019年度(※))
教養娯楽費としては現役世帯より減少しているのにもかかわらず、書籍とパック旅行が増えています。詳細は確認できていませんが、1人の時間と2人の時間を上手に楽しんでいる結果ではないでしょうか。
(※)
e-Stat「家計調査」2019年度
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士