更新日: 2021.07.29 老後

老後資金のために、みんな毎月いくら貯金している? 合計の貯蓄額は?

執筆者 : 小山英斗

老後資金のために、みんな毎月いくら貯金している? 合計の貯蓄額は?
2019年の金融庁の報告書を基に話題となった老後2000万円不足問題。2000万円が全ての人に当てはまる金額かはさておき、この話題がきっかけで老後のための蓄えについて考え直した人も少なくないかもしれません。
 
では実際に老後のために、どれくらい貯蓄がされているのか見ていきましょう。
 
小山英斗

執筆者:

執筆者:小山英斗(こやま ひでと)

CFP(日本FP協会認定会員)

1級FP技能士(資産設計提案業務)
住宅ローンアドバイザー、住宅建築コーディネーター
未来が見えるね研究所 代表
座右の銘:虚静恬淡
好きなもの:旅行、建築、カフェ、散歩、今ここ

人生100年時代、これまでの「学校で出て社会人になり家庭や家を持って定年そして老後」という単線的な考え方がなくなっていき、これからは多様な選択肢がある中で自分のやりたい人生を生涯通じてどう実現させていくかがますます大事になってきます。

「未来が見えるね研究所」では、多くの人と多くの未来を一緒に描いていきたいと思います。
https://miraiken.amebaownd.com/

小山英斗

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執筆者:小山英斗(こやま ひでと)

CFP(日本FP協会認定会員)

1級FP技能士(資産設計提案業務)
住宅ローンアドバイザー、住宅建築コーディネーター
未来が見えるね研究所 代表
座右の銘:虚静恬淡
好きなもの:旅行、建築、カフェ、散歩、今ここ

人生100年時代、これまでの「学校で出て社会人になり家庭や家を持って定年そして老後」という単線的な考え方がなくなっていき、これからは多様な選択肢がある中で自分のやりたい人生を生涯通じてどう実現させていくかがますます大事になってきます。

「未来が見えるね研究所」では、多くの人と多くの未来を一緒に描いていきたいと思います。
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老後のために毎月の貯蓄をどれくらいしているの?

総務省統計局の「家計調査報告」(2020年)によれば、世帯主の年齢別平均貯蓄額は次のようになっています。

世帯主の年齢 貯蓄額 10年間でのおおよその貯蓄増加額
20歳代 361万円 361万円
30歳代 722万円 361万円
40歳代 1022万円 300万円
50歳代 1596万円 574万円
60歳代 2061万円 465万円

 
※総務省統計局 「家計調査報告(貯蓄・負債編)2020年」(二人以上の勤労者世帯)を基に筆者作成
※「貯蓄増加額」は世帯主の年齢別貯蓄額の差より筆者計算
 
家庭により貯蓄をする目的はさまざまでしょう。子どもの教育資金であったり、住宅購入のための頭金であったり、旅行や趣味のためなど、貯蓄額の内訳には老後のためのお金だけなく、そのような目的のお金も含まれているかと思います。
 
貯蓄をしては、それらの目的のために取り崩しもしながらも、60歳代で約2000万円といった貯蓄があることを考えた場合、意識したものかどうかは別として、それぞれの年齢での貯蓄増加額が老後のための貯蓄分と見ることもできそうです。
 
20歳代から30歳代までは年間で36万円ほどの貯蓄をしていることが、上記の表から読み取れます。月にすると約3万円です。そして40歳代では貯蓄増加額が下がっています。年間30万円ほどで、月にすると約2万5000円です。
 
子どものいる家庭では教育費などの負担が高くなってくる年齢と考えられるため、貯蓄に回せるお金が少なくなるのかもしれません。
 
50歳代では再び貯蓄増加額が上がっています。年齢の早い時期に子どもが生まれた家庭では、教育費などが一段落してくる時期でしょう。
 
また、収入のピークを迎えながら老後の生活への意識が高まる時期であることも、貯蓄増加額が伸びている要因かもしれません。年間57万円ほど、月にすると約4万7000円の貯蓄をしていることになります。
 
60歳代では定年などで、50歳代までと比べて一般的には収入が下がります。それでも貯蓄額自体が増えているのは、退職金を受け取る人がいるためとも考えられます。
 

収入に対して老後資金のための貯蓄はどのくらい?

では、収入に対してどれくらいを老後資金のための貯蓄に回しているのでしょう。世帯主の年齢別収入から、その割合を確認します。なお、ここでは前提として、先に見てきた世帯主の年齢別の貯蓄額増加額を老後のための貯蓄額とします。
 
年収は社会保険料や税金などが引かれる前の金額ですので、引かれたあとの実際に手にした手取り額のうち、どれくらいを貯蓄に回しているかで貯蓄率を見ていきます。ここでは、大まかに収入の8割程度を手取り額として考えてみます。

世帯主の年齢 年間収入 おおよその
年間手取り額
老後のための
年間貯蓄額
月換算の貯蓄額 老後のための
貯蓄率
20歳代 565万円 約452万円 約36万円 約3万円 約8.0%
30歳代 674万円 約539万円 約36万円 約3万円 約6.7%
40歳代 781万円 約625万円 約30万円 約2.5万円 約4.8%
50歳代 873万円 約698万円 約57万円 約4.7万円 約8.2%

 
※総務省統計局 「家計調査報告(貯蓄・負債編)2020年」(二人以上の勤労者世帯)を基に筆者作成
※「年間収入」以外の数字は筆者計算
 
こうして見てみると、老後を60歳代とした場合、それまでに平均して毎月約3.3万円を老後資金として貯蓄に回しているといった感じです。
 

どうやって2000万円貯める?

老後2000万円不足問題を踏まえて、60歳までに2000万円を用意しようとした場合、毎月3.3万円を貯蓄に回していけば貯まるのでしょうか?
 
仮に大学を卒業して22歳から働き始めた場合、60歳になるまでに38年間あります。毎月3.3万円を38年間貯めていった場合、利息を考慮せず計算すると約1505万円を貯められることになります。低金利の今、銀行の預貯金では利息を含めても大きな違いは出ないでしょう。
 
これに定年時の退職金を加えた額が老後資金となるわけですが、退職金がいくらになるかは毎月の給与ほどは確実な見込みは立てにくいものです。また、住宅ローンの残債の返済に退職金を充てる人も少なくありません。
 
退職金を当てにせず毎月3.3万円を38年間貯めていくだけでは、2000万円に対しておよそ500万円足りないことになります。しかし、もし毎月の貯蓄額を約4.4万円に増やしていくことができれば2000万円を貯めることが可能です。
 
ただ一方で、ゆとりある老後といった将来のためであっても、毎月約4.4万円を貯蓄に回すことは今の生活に大きな負担となる人も少なくないと思います。
 
そこで毎月の貯蓄に回すお金を、例えば投資信託などの金融商品で運用しながら積み立てていくことにした場合を考えてみましょう。以下の条件で試算すると、毎月2万円の積み立てでも約2000万円の老後資金を作ることが可能になります。
 

毎月積立額 2万円
積立期間 38年
年運用利回り 3.7%
最終積立金額 約2000万円

※筆者作成
 
運用利回りが3.7%というのは低金利の今、高すぎる数字に見えるかもしれませんが、例えば米国株式指標の1つであるS&P500指数の1991年以来30年間の年率平均は、約9.3%にもなります。
 
投資信託にはS&P500指数に連動するよう設計されたものもありますので、そのような投資信託に投資していくことで上記の条件を達成する可能性も見えてきます。
 

自分にとって本当に必要なお金を考えることが大切

これまで老後に2000万円不足するといった数字や、平均貯蓄額といった数字を見てきました。ただ、それらはある時期のあるやり方での調査結果の統計データです。目安にはなるかもしれませんが、全ての人に当てはまるというものではありません。
 
老後に2000万円不足するというのも、高齢夫婦無職世帯の平均収入から平均支出を引くと毎月5.5万円不足しているので、老後30年間では約2000万円不足するという計算結果です。
 
この数字は2017年の調査結果が基になっており、違う年になれば違う数字になりそうです。また、毎月の収入や支出も家庭によって違いがあって当然です。
 
貯蓄額も統計データによっては違った数字が見えてきます。金融広報中央委員会が実施した「家計の金融行動に関する世論調査」(2020年)によれば、金融資産の保有額は50歳代の2人以上の金融資産保有世帯で1000万円(中央値)となっており、家計調査報告の数字とは600万円近い差があります。
 
さまざまなデータを参考にしながらも、それらに惑わされることなく、自分の老後にとって本当に必要なお金を考えていくことが大切です。
 
出典
総務省統計局 家計調査報告(貯蓄・負債編)2020年
知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査
 
執筆者:小山英斗
CFP(日本FP協会認定会員)

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