更新日: 2021.08.06 老後

夢を実現するには、老後に2000万円不足することが判明。あなたならどのような選択肢を選びますか?

執筆者 : 村川賢

夢を実現するには、老後に2000万円不足することが判明。あなたならどのような選択肢を選びますか?
2年ほど前に、金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」では、モデルケースにおいて、夫65歳と妻60歳の老後生活で2000万円不足するという試算を行い、「老後2000万円問題」として注目されました。
 
実際ライフプランの相談に来られる家族で一生涯のライフプランを立ててみると、老後に2000万円以上の不足が見込まれるケースがあります。そのような場合のアドバイスを参考例として説明します。
 
村川賢

執筆者:

執筆者:村川賢(むらかわ まさる)

一級ファイナンシャル・プラニング技能士、CFP、相続診断士、証券外務員(2種)

早稲田大学大学院を卒業して精密機器メーカーに勤務。50歳を過ぎて勤務先のセカンドライフ研修を受講。これをきっかけにお金の知識が身についてない自分に気付き、在職中にファイナンシャルプランナーの資格を取得。30年間勤務した会社を早期退職してFPとして独立。「お金の知識が重要であることを多くの人に伝え、お金で損をしない少しでも得する知識を広めよう」という使命感から、実務家のファイナンシャルプランナーとして活動中。現在は年間数十件を越す大手企業の労働組合員向けセミナー、およびライフプランを中心とした個別相談で多くのクライアントに貢献している。

村川賢

執筆者:

執筆者:村川賢(むらかわ まさる)

一級ファイナンシャル・プラニング技能士、CFP、相続診断士、証券外務員(2種)

早稲田大学大学院を卒業して精密機器メーカーに勤務。50歳を過ぎて勤務先のセカンドライフ研修を受講。これをきっかけにお金の知識が身についてない自分に気付き、在職中にファイナンシャルプランナーの資格を取得。30年間勤務した会社を早期退職してFPとして独立。「お金の知識が重要であることを多くの人に伝え、お金で損をしない少しでも得する知識を広めよう」という使命感から、実務家のファイナンシャルプランナーとして活動中。現在は年間数十件を越す大手企業の労働組合員向けセミナー、およびライフプランを中心とした個別相談で多くのクライアントに貢献している。

共働きで子ども一人の家族でも都内でマンション購入は大変

ライフプランの相談に来られたAさん一家は、Aさんが40歳で手取り年収が700万円、妻は35歳で手取り年収240万円、子が3歳という共働きの一般的な家族です。
 
Aさんの相談内容としては、「妻と相談して、今年中に都内の湾岸エリアで8000万円のマンションを購入するつもりなのですが、将来生活していけるか不安なのでライフプランを立てたい。」とのことです。
 
現在の金融資産は1000万円とのことなので、マンション購入の諸費用400万円、頭金400万円、手持ち資金200万円として、7600万円を35年ローン(変動金利0.45%)で借りることと仮定しました。
 
この場合では、年間約235万円をAさんが75歳になるまで返済し続けることになります(金利が変わらないと仮定して)。
 

老後に2000万円が不足することが判明

Aさんの会社では60歳が定年で、65歳まで給与は半減するが再雇用が可能とのことでした。退職金は、Aさんが1500万円から2000万円位で、妻は非正規雇用のため無しとのことです。
 
ライフプランを作成してみると、65歳までは退職金を取り崩しながらも生活は成り立ちますが、65歳以降では75歳までに払う住宅ローンが重しとなって、約2000万円不足することが判明しました。
 
この不足分を補うための対策として、以下の3つの案を提示してみました。


1.購入予定の8000万円のマンションを諦めて、郊外で物件を探すなどして、6000万円くらいで購入できるマンションに変更する。
 
2.住宅ローンの返済期間を25年として65歳までに完済させる。この場合は、毎年の返済額が321万円となって、35年の場合と比べて約1.37倍となる。
 
3.老後に備えて、2000万円の資産形成を行う。

三つの案を一緒に検討した結果、3番目の案となりました。理由は以下の通りです。
 
1の案は、Aさん夫婦の夢の実現を否定するもので、できれば却下したいとの希望。
 
2の案は、生活費と住宅ローンの返済額を合わせると収支に余裕がなく、将来子どもの教育費などで費用がかさんだり、ローンの金利が上昇したりした場合などでは毎月の返済が滞り、マンションを手放すリスクがある。
 
3の案は、2と同様に収支に余裕はないが、必要なときには一部解約して使うこともできるので、マンションを手放すリスクは2の案と比べて少ない。
 

老後に向けての資産形成

老後に向けての資産形成手段として、税制面で優遇されている「つみたてNISA」と「iDeCo(個人型確定拠出年金)」の併用を勧めました。
 

1.つみたてNISAの概要

年間40万円までの積立投資について、その運用益については20年間非課税。途中で積立金からの一部または全部の解約も可能。投資対象は、金融庁の基準を満たした投資信託やETFで、株価に連動したインデックスファンドなどの種類が多い。口座開設費や口座維持費は無料の金融機関が多い。
 

2.iDeCo(個人型確定拠出年金)の概要

積立の拠出金は月額最低5000円からで、上限が月額1万2000円から6万8000円と、職業や会社での条件によって制限されている。
 
投資対象は、投資信託のほかに、保険商品や元本確保型の積立預金などもある。税制面で優遇されており、(1)積立時は拠出金が全て所得控除の対象となり、所得税・住民税が減額される。(2)運用益は全て非課税。(3)受取時は、退職所得控除または公的年金等控除の対象となる。
 
原則としては60歳まで10年以上運用し、60歳以降で一時金または年金として受け取る。60歳までは積立資金を引き出すことができないが、毎月の拠出金の額は変更できる。「国民年金基金連合会」への口座開設費や口座維持費がかかる。
 
Aさん家族には、つみたてNISAで毎月3万円(ボーナス月の2回は5万円)、iDeCoで夫婦合わせて毎月3.5万円ずつ積み立てて資産運用することをお勧めしました。この場合、20年後(Aさん60歳)の資産額の期待値は、年利平均3%で運用したと仮定すると以下の通りとなります。
 
●つみたてNISAでの20年後の期待金額:40万円×26.87(年利3%、20年の年金終価係数)=約1075万円
 
●iDeCoでの20年後の期待金額:42万円×26.87(年利3%、20年の年金終価係数)=約1129万円
 
合わせると約2200万円となります。
 

終わりに

40歳以降で35年の住宅ローンを組んだ場合では、65歳以降の老後に10年以上にわたって住宅ローンを返済し続けなければなりません。
 
このような場合だけでなく、ライフプランを立ててみると老後に2000万円程度不足するケースはあります。やはり若いうちから老後に備えて金融資産を増やすことが重要です。
 
あなたの夢を実現するためにも、税制面で優遇されている、つみたてNISAやiDeCoを有効に活用して資産運用をしませんか。
 
執筆者:村川賢
一級ファイナンシャル・プラニング技能士、CFP、相続診断士、証券外務員(2種)

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