更新日: 2021.09.07 介護

要介護申請の手順とは? 申請から認定までの流れ

執筆者 : 仁木康尋

要介護申請の手順とは? 申請から認定までの流れ
介護保険サービスを受けるためには、要介護認定を受ける必要があります。要介護認定をうけるにはどうすれば良いのでしょうか。
仁木康尋

執筆者:仁木康尋(にき やすひろ)

日本FP協会CFP(R)認定者、国家資格キャリアコンサルタント

人事部門で給与・社会保険、採用、労務、制度設計を担当、現在は人材会社のコンサルトとして様々な方のキャリア支援を行う。キャリア構築とファイナンシャル・プランの関係性を大切にしている。

要介護・要支援認定の申請から認定まで

要介護・要支援認定の申請から認定までの流れは以下のとおりです。
 

▼要介護・要支援認定の申請

申請先はお住まいの市区町村の窓口です。申請は本人あるいは家族が申請するか、成年後見人、地域包括支援センター、指定居宅介護支援事業者、介護保険施設などが申請を代行できます。事前に申請先の市区町村の窓口へ確認をしてください。申請には介護保険被保険者証も必要です。40~64歳までの人(第2号被保険者)が申請を行う場合は、医療保険証となります。
 

▼認定調査・主治医意見書

申請後は市区町村の職員などが自宅や施設等を訪問して、心身の状態を確認するための認定調査が行われます。また、市区町村からの依頼を受け、主治医が心身の状況について意見書(主治医意見書)を作成します。主治医がいない場合は、市区町村の指定医に診察してもらうことになります。
 

▼審査判定

<一次判定>
調査結果および主治医意見書の一部の項目はコンピューターに入力され、全国一律の判定方法で要介護度の判定が行われます。
 
<二次判定>
一次判定の結果と主治医意見書に基づき、介護認定審査会による要介護度の判定が行われます。
 

▼認定

介護認定審査会の判定結果を受けて市区町村が要介護認定を行います。認定は要支援1、2から要介護1~5までの7段階および非該当に分かれています。通知は申請から原則30日以内に行われます。
 
なお、認定には有効期間があります。新規・変更申請の場合は原則6ヶ月(状態に応じ3~12ヶ月まで設定)、更新申請の場合は原則12ヶ月(状態に応じ3~24ヶ月まで設定)です。有効期間を経過すると介護サービスが利用できないので、有効期間満了までに認定の更新申請が必要となります。また、体の状態に変化が生じたときは、有効期間の途中でも、要介護認定の変更の申請ができます。
 

ケアプランの作成

ケアプランとは、介護や支援の必要性に応じて、どのような介護サービスをいつ、どれだけ利用するかを決める計画のことです。介護保険のサービスを利用する際には、あらかじめケアプランを作成する必要があります。
 
作成は専門家に相談・依頼することになります。依頼先は、要支援・要介護度によって異なっています。
「要支援1」「要支援2」の場合:【地域包括支援センター】
「要介護1」以上の場合:【居宅介護支援事業者(ケアプラン作成事業者)】

 
依頼を受けた介護支援専門員は、どのサービスをどう利用するか、本人や家族の希望、心身の状態を十分考慮して、介護サービス計画書を作成します。計画書が作成されましたら、計画書に基づき、介護サービス事業所と契約を結び、サービスを利用します。サービスは26種類あり、自宅で利用できるものから施設に通って利用するもの、施設での生活しながら利用するものまで用意されています。
 

まとめ

要介護・要支援認定の申請から決定通知まで約1ヶ月を要します。その後、ケアプランの作成を経てサービス利用となります。サービス利用まで申請から2ヶ月ぐらいかかる場合も考えられますので、利用をお考えの場合には早めに申請するのがよいでしょう。
 
また、ケアプランの作成にあたっては、自分たちの意見や希望もはっきり伝え、納得するケアプランを作成してもらうことも重要です。そのためにも日頃から家族で介護について話し合う機会を設けていただくことが必要だと思います。
 
出典
厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報公表システム」
 
執筆者:仁木康尋
日本FP協会CFP(R)認定者、国家資格キャリアコンサルタント

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