更新日: 2021.11.19 その他老後

老後の夫婦二人暮らしにかかる生活費はいくら? 40代から老後資金を準備しないと間に合わない?

執筆者 : 柘植輝

老後の夫婦二人暮らしにかかる生活費はいくら? 40代から老後資金を準備しないと間に合わない?
多くの方が気にしているであろう老後の生活費問題。夫婦2人で老後生活するのに一体どれくらいの金額が必要になるのでしょうか。
 
老後の準備は現役世代である40代から準備しなければ間に合わないものなのでしょうか。老後の生活費と老後資金の準備の開始時期について考えてみます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

夫婦2人の老後の生活費はどれくらい?

家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要によれば、65歳以上の無職高齢夫婦の2人暮らしにかかる生活費の平均は月額で25万5550円となるようです。
 
この数値はあくまでも現在における統計的なデータであるため、居住する地域やライフプラン、将来の経済情勢によっては変化することがある点にご注意ください。
 
今回の検討においては、この25万5550円が老後必要な生活費であるという前提の下、話を進めていきます。
 

老後資金をどう準備していくか

それでは、老後資金として毎月25万5550円を確保するのに40代から準備しなければ間に合わないのかを考えるため、老後の収入源について確認します。
 
老後の主な収入源は多くの場合、公的年金となるでしょう。
 
公的年金には国民年金と厚生年金とがありますが、支給される金額は自営業など国民年金のみの夫婦で13万150円(満額)、厚生年金を受けられる場合については平均的収入で40年間就業した夫と専業主婦の妻の国民年金分とを合わせて22万496円となります。
 
つまり、国民年金だけでは毎月約12万4000円程度、厚生年金を受けられる場合でも3万5000円程が生活費として不足する計算になります。令和2年度の平均寿命は男性で81.64歳、女性で87.74歳となっています。
 
仮に65歳で退職し、その後夫婦で男女の平均寿命の中間点、85歳まで生きたとして、20年間で不足する生活費は国民年金だけでは約3000万円、厚生年金に加入していても約840万円不足します。
 

老後資金は40代から準備しないと間に合わない?

老後資金の準備は早ければ早いほど良いといえます。老後資金の準備が貯金だけではなく、資産運用も併用して行うのが現在の主流であるのは、資産運用は時間をかければかけるほど有利に資産を形成していくことができるからです。
 
だからといって、40代など比較的早い段階で準備しなければ間に合わないというわけではありません。
 
いつ始めるかは将来生活費としていくら必要と考えるか、そして現在どれくらいの金額を老後資金に回すことができるか、その上でどう老後資金を準備していくかによって異なります。
 
例えば、厚生年金に加入しているため840万円の老後資金が準備できればよいというのであれば、毎月7万円を10年間貯金するだけでも達成できるため40代でなくとも50代からでも十分間に合います。
 
逆に3000万円必要だという場合、年利3%で資産運用したとしても、毎月約6万7000円の積み立てを25年間行わなければならず、40代から始めなければ到底老後に間に合いません。
 
このように、老後資金の準備は早ければ早いほど有利とはいえ、一律何歳から始めなければならないというものではないため、現在の資産の状況と将来必要となる生活費を計算した上で、いつから、どのように老後資金を準備するか考え準備を始めるべきです。
 

老後資金はどう準備すべき?

老後資金はできる限りiDeCoやつみたてNISAといった、老後資金への資産形成に向いた制度を用いて行うべきです。特にiDeCoとつみたてNISAは税制優遇がされているため、ただ貯蓄するよりも効率よく老後資金を準備することができます。
 

老後資金は将来の生活費を想定して準備を始めるべき

夫婦2人でかかる老後の生活費は月額でおよそ25万5000円程度が目安となります。
 
老後資金の準備は40代など早期に始める方が有利ですが、明確に何歳から始めなければならないというものでもありません。老後が心配で準備したいと考えたそのタイミングこそが始めるべき時です。
 
老後資金を準備する際は現在の資産状況と将来受け取れる年金額、そして必要な生活費をざっと計算し、何歳から始めるのが最適なのか考えてみてください。どうしても難しいという場合、FPなど専門家に相談することもおすすめです。
 
出典
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要
日本年金機構 令和3年4月分からの年金額等について
厚生労働省 令和2年簡易生命表の概況 1主な年齢の平均余命
金融庁 資産運用シミュレーション
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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