更新日: 2021.12.14 セカンドライフ

ゆとりのある老後生活を送りたいなら、年金以外にどのくらい生活費が必要?

ゆとりのある老後生活を送りたいなら、年金以外にどのくらい生活費が必要?
「定年まで勤め上げたら、老後は悠々自適に過ごしたい」と多くの人が考えるでしょう。
 
老後にゆとりある生活を送るには、毎月30万円以上の生活費が必要という調査結果があります。年金収入だけでその金額を全てまかなえるかというと、難しい場合が多いようです。
 
そこで年収別の年金受給額見込みと、老後の生活費が年金収入以外にどれくらい必要かを試算しました。自身の年収ではどの程度資金の備えが必要か、チェックしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

聞くのは耳ではなく心です。
あなたの潜在意識を読み取り、問題解決へと導きます。
https://marron-financial.com

老後の生活費はいくら必要?

 
総務省「2020年家計調査」の結果によると、夫、妻ともに65歳以上の夫婦の月々の生活費の平均額は23万2403円です。年金受給額が夫婦合わせて23万円程度あれば、平均的な生活は送れるでしょう。
 
しかし「ゆとりのある」生活となると、話は違ってきます。公益財団法人 生命保険文化センターが実施した「令和元年度生活保障に関する調査」によると、ゆとりある老後生活を送るために必要と考える金額は平均で月額36万1000円という結果が出ています。
 
つまり、趣味や旅行、交際費に充てたり、生活費に余裕をもたせたりするには、平均的な老後生活費に加えて、13万円程度の上乗せが必要です。
 

【年収別】老後の年金はいくらもらえる?

 
悠々自適な老後生活を送るための費用は、公的年金だけでまかなえるでしょうか。ゆとりある老後生活費と年収別の老齢年金の見込み額を、三井住友銀行「年金シミュレーション」を用いて比較してみましょう。

《共通条件》

●夫:1981年生まれ、20~60歳まで厚生年金に加入
●妻:1981年生まれ、厚生年金加入期間なし、国民年金未納期間なし
●夫の年収は厚生年金加入期間中同一とする

 

■夫の年収:400万円

夫の年収が400万円の場合、夫婦の年金受給額はおよそ19万7000円です。ゆとりある老後生活費には16万円以上足りず、平均的な生活費にも3万円あまり届きません。
 
年金収入のみで生活するのは、やや厳しいと考えられます。
 

■夫の年収:600万円

夫の年収が600万円の夫婦は、老齢年金をおよそ23万2000円受給できる見込みです。ちょうど老後の生活費の平均ほどの金額ですが、ゆとりある老後生活費には13万円ほどおよびません。
 
悠々自適な生活を送るには、年金収入以外の老後資金の確保が必要です。
 

■夫の年収:800万円

夫の年収が800万円の夫婦の年金見込み額は、およそ26万4000円です。平均的な生活には十分な金額ですが、ゆとりある生活費をまかなうには、毎月さらに10万円ほど必要です。
 
年金収入のみでは悠々自適な生活とまではいかないでしょう。
 
いずれの年収でも、年金受給額はゆとりある生活費には届きません。夫婦共働きなどで世帯年収が高いケースを除けば、悠々自適な老後を送るには、多くの夫婦は年金以外の備えが必要といえます。
 

年金だけで足りない老後資金を補う方法は?

 
年金収入以外の老後資金を確保する方法として、次のようなものが考えられます。

●iDeCoなどを活用して資産を増やす
●退職後も働くことを検討する
●繰り下げ受給を検討する

iDeCoなどの個人年金に加入するのは、老後の資金を増やすメジャーな手段のひとつです。特にiDeCoは掛け金や運用益が非課税となる税制上の優遇を受けられるため、効率的に資産を増やしやすいでしょう。
 
健康状態などに問題がなければ、定年を迎えたあとに再就職して収入を得ることも、選択肢のひとつです。厚生年金保険に加入できる条件で再就職すれば、収入を得られるだけでなく、老齢厚生年金の受給額も上積みできます。
 
当面の生活資金や健康状態の不安がなければ、年金の受給開始を66歳以降に遅らせる「繰り下げ受給」も視野に入れるとよいでしょう。繰り下げ受給にすると、65歳からの経過年数に応じて、年金額が最大42%増額されます。
 

ゆとりのある老後生活のためには資金対策が必須

 
公益財団法人生命保険文化センターの調査結果によると、ゆとりある老後に必要だと考えられる金額は平均で月額36万円以上です。老後に悠々自適な生活を送りたいと考えるなら、年金収入のみでは生活費が足りない可能性が高いです。
 
年金収入で足りない老後資金を確保する方法として、個人年金(資産運用)などがあります。早めに対策をはじめるほど、多くの資金を確保しやすいでしょう。老後にどの程度の生活資金が必要かをシミュレーションしたうえで、対策方法を検討しましょう。
 
出典
公益財団法人生命保険文化センター 令和元年度「生活保障に関する調査」(令和元年12月発行)
総務省統計局 家計調査(家計収支編)調査結果
年金シミュレーション : 三井住友銀行
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集