更新日: 2021.12.14 セカンドライフ
ゆとりのある老後生活を送りたいなら、年金以外にどのくらい生活費が必要?
老後にゆとりある生活を送るには、毎月30万円以上の生活費が必要という調査結果があります。年金収入だけでその金額を全てまかなえるかというと、難しい場合が多いようです。
そこで年収別の年金受給額見込みと、老後の生活費が年金収入以外にどれくらい必要かを試算しました。自身の年収ではどの程度資金の備えが必要か、チェックしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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老後の生活費はいくら必要?
総務省「2020年家計調査」の結果によると、夫、妻ともに65歳以上の夫婦の月々の生活費の平均額は23万2403円です。年金受給額が夫婦合わせて23万円程度あれば、平均的な生活は送れるでしょう。
しかし「ゆとりのある」生活となると、話は違ってきます。公益財団法人 生命保険文化センターが実施した「令和元年度生活保障に関する調査」によると、ゆとりある老後生活を送るために必要と考える金額は平均で月額36万1000円という結果が出ています。
つまり、趣味や旅行、交際費に充てたり、生活費に余裕をもたせたりするには、平均的な老後生活費に加えて、13万円程度の上乗せが必要です。
【年収別】老後の年金はいくらもらえる?
悠々自適な老後生活を送るための費用は、公的年金だけでまかなえるでしょうか。ゆとりある老後生活費と年収別の老齢年金の見込み額を、三井住友銀行「年金シミュレーション」を用いて比較してみましょう。
●夫:1981年生まれ、20~60歳まで厚生年金に加入
●妻:1981年生まれ、厚生年金加入期間なし、国民年金未納期間なし
●夫の年収は厚生年金加入期間中同一とする
■夫の年収:400万円
夫の年収が400万円の場合、夫婦の年金受給額はおよそ19万7000円です。ゆとりある老後生活費には16万円以上足りず、平均的な生活費にも3万円あまり届きません。
年金収入のみで生活するのは、やや厳しいと考えられます。
■夫の年収:600万円
夫の年収が600万円の夫婦は、老齢年金をおよそ23万2000円受給できる見込みです。ちょうど老後の生活費の平均ほどの金額ですが、ゆとりある老後生活費には13万円ほどおよびません。
悠々自適な生活を送るには、年金収入以外の老後資金の確保が必要です。
■夫の年収:800万円
夫の年収が800万円の夫婦の年金見込み額は、およそ26万4000円です。平均的な生活には十分な金額ですが、ゆとりある生活費をまかなうには、毎月さらに10万円ほど必要です。
年金収入のみでは悠々自適な生活とまではいかないでしょう。
いずれの年収でも、年金受給額はゆとりある生活費には届きません。夫婦共働きなどで世帯年収が高いケースを除けば、悠々自適な老後を送るには、多くの夫婦は年金以外の備えが必要といえます。
年金だけで足りない老後資金を補う方法は?
年金収入以外の老後資金を確保する方法として、次のようなものが考えられます。
●iDeCoなどを活用して資産を増やす
●退職後も働くことを検討する
●繰り下げ受給を検討する
iDeCoなどの個人年金に加入するのは、老後の資金を増やすメジャーな手段のひとつです。特にiDeCoは掛け金や運用益が非課税となる税制上の優遇を受けられるため、効率的に資産を増やしやすいでしょう。
健康状態などに問題がなければ、定年を迎えたあとに再就職して収入を得ることも、選択肢のひとつです。厚生年金保険に加入できる条件で再就職すれば、収入を得られるだけでなく、老齢厚生年金の受給額も上積みできます。
当面の生活資金や健康状態の不安がなければ、年金の受給開始を66歳以降に遅らせる「繰り下げ受給」も視野に入れるとよいでしょう。繰り下げ受給にすると、65歳からの経過年数に応じて、年金額が最大42%増額されます。
ゆとりのある老後生活のためには資金対策が必須
公益財団法人生命保険文化センターの調査結果によると、ゆとりある老後に必要だと考えられる金額は平均で月額36万円以上です。老後に悠々自適な生活を送りたいと考えるなら、年金収入のみでは生活費が足りない可能性が高いです。
年金収入で足りない老後資金を確保する方法として、個人年金(資産運用)などがあります。早めに対策をはじめるほど、多くの資金を確保しやすいでしょう。老後にどの程度の生活資金が必要かをシミュレーションしたうえで、対策方法を検討しましょう。
出典
公益財団法人生命保険文化センター 令和元年度「生活保障に関する調査」(令和元年12月発行)
総務省統計局 家計調査(家計収支編)調査結果
年金シミュレーション : 三井住友銀行
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員